すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

10年後

10年前のきょう、オウム真理教杉並道場にいました。


10年前の3月、友だちの弟を家に泊めることになりました。東京にあそびに出てくるのだけど、うちせまくて(同棲してて)泊める場所ないから、あんたんとこに泊めてやってくんない? ついでになんか話でもしてやってくんない?と。弟はさいきんオウムにはまってしまい(在家信者)両親も手を焼いているとか。当時のわたしは、日曜になると午前はキリスト教の教会に行き、午後は別の新興宗教の集まりに行くような人でした(今はどこも行ってません)。たぶん友だちは「毒には毒」とでも考えたのでしょう。

まぁ、面白そうな話には乗るのです。


3月X日(よくおぼえてない)。杉並道場に電話して、興味があるので話を聞きたい旨をつたえました。弟くんを泊めるまえにまず敵を知ろうとしたのです。14日X時に来て欲しいとのことでした。じつは家の近所には別の道場があったのですが、勧誘とかしつこく来たら嫌だなぁと思って、すこし離れたところを選びました。

3月14日、杉並道場。TVで見るようなあれやこれがいっぱいです。ポスター。ヘッドギア。BGM。音楽を聞かされている野菜。別室に通され、出家信者の○○○○師に話をうかがうことになりました。もう、すごいエネルギーです。こちらが何かひとこと言うと、うんそれはね、××で、×××で、××××。だから陰謀なんだ。みんな、騙されてるんです。あなたは気がついてるでしょう。だからきょうここに来たんでしょう? 縁です。さぁ、オウムに入ろう。オウムなら大丈夫だ。オウムは本物だ。こんな感じで数時間。いいかげん頭がぐるぐるしてきて、これから逃れられるならいったん入信したことにしてもいいかなぁ? そんな気分になったりしたのですが踏みとどまり、ちょっと考えさせて欲しいと言いました。彼はざんねんそうでしたが、じゃあ1週間後に返事を聞かせてほしいと言うので、了承し、オウムの本をみやげに数冊持たされて、なんとか道場を出ることができました。


再訪問予定日の前日、3月20日。東京にサリンがまかれました。

あちゃー、やつらついにやりやがった。21日。わたしは杉並道場に電話し、そちら、お忙しいんじゃないかと思うので、訪問はまたの機会にしようと考えているのですが、と告げました。○○○○師は、いえ!そんなことありません! なにも問題ないので是非きてください、と言いました。

仕方ないなぁ。知り合いの掲示板に、これから道場に行く旨をいちおう書き残し、杉並へ向かいました。また別室で○○○○師と対面。で、どうですか? 決心はつきましたか? まだよく理解できないのでもう少し考えさせて欲しいと告げると、彼は目に見えるほど気落ちしたようすで、そうですか、と言いました。前回のように引き留められることもほとんどなく、道場を後にしました。

翌22日が強制捜査です。○○○○師の名前はTVでは一度も見なかったので、その後の消息は知りません。


4月X日。友だちの弟が家にきました。ちょっと気弱そうだけど、ふつうの子です。オウム、あんなだけど、どうするの? いえ、信じてますから。彼はハンバーガーとか食べてたので、それって教義的にまずいんじゃないのかな? ていうか、どうして在家なの? やるなら出家して一生懸命やったほうがいいんじゃないの?と言うと、「一生懸命やってない人に言われたくないです」 うーんもっともです。数年後にもう1度弟くんと会う機会があったのですが、あいかわらず在家信者でした。いま振り返れば、やっぱりわたしのやろうとしてたこと(説得)は、ちょっと傲慢だったかなと思います。たぶん人は、どこまでも自分のやりかたでやるしかないんだと思う。(という考えじたいが「わたしのやりかた」なんですが………)


わたしはオウムのほんの一部しか見てませんので、オウムとはなんであるか、なんであったか、などとは語れません。ただ、一般クラスの信者に「目的のためなら人を殺しても良いのだ」と説くような教義のある宗教は間違っている、とは考えています。(上位クラスならありえるのか? それはわかりません)


特番とか、やってるんでしょうか? わたしはオウム事件が一段落ついて以来TVを見なくなりました(いまも家にTVラジオはありません。だからほりえもんとかもうぜんぜん関係ない(笑))。そしてあいかわらず一生懸命ではなく、だらだらと過ごす日々です。

ロシア語で歌おうのコーナー!

攻殻機動隊』という、わたしの人生を変えた(ねじ曲げてしまった?)コミックスがあります。これについてはまたいつか語るとして、それのTVアニメ版のオープニングテーマが菅野よう子さんの『inner universe』って曲です。

とにかくまぁこの曲が、もうものすごいわけです。曲としてのクオリティもとんでもないんだけど、なんていうか、作品世界に対する理解度が尋常じゃないというか、もっとも深いところまで降りてから曲を創らないとこうはならないんじゃないのか?という気がしてくる。アマゾンのコメント見て下さいよー。絶賛ばっかりでしょ?

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX O.S.T.+(プラス)
(こちらは旧版) ←レビューはこっちのが多い

でもね、歌えないんですよ、歌詞がロシア語だから。なに言ってるかワカリャシナイ。

で、誰か歌詞にフリガナ付けてくれてないかなぁと思って探したら、耳コピーされてる方がいらっしゃいました。わたしは感動しました。これは素晴らしい、評価されるべき、皆に知られるべき仕事だ!!と思ったので、記事にコメント付けるんじゃなくて、こちらで紹介してトラックバックにさせていただきます。(読者多くないので微力ではありますが)

空耳inner universe

お疲れさまです。ありがとうございます。
てか「ッパ」笑いました。ほんとに言ってるなぁ。


追記。トラックバックミスしてます(汗 ふつう1度送ったら送信先URLの欄から消えるのですが、応答が戻らなかったらしく消えてませんでした。それに気づかず記事を更新したらまた送信……。以後気をつけます。

別居中の妻に久しぶりに会う

保険証をなくしたと言うので(なくすな!んなもん。お願いしますから…)、会社に再発行を申請してできたそれを渡すため、会うことになりました。顔を合わせるのは前回の調停が終わって以来数ヶ月ぶり。別居して1年ちょい、その前も1年ほど家庭内別居状態だったので、一緒に食事なんて実に2年ぶりです。

「……なーんかさぁ、ビミョーに太ってない?」
「んー。会社行くようになって、お昼におにぎり2個食べるようになったから」
(んなので太るのか??)


新宿のタイ料理屋で昼食。一緒にいたころはよく使ってた店です。トムヤムビーフンもニラ餃子もあいかわらず美味しかった。

「たまには、別居中の夫とデートってのもいいよね」
「離婚してくれたら、もっといっぱい会ってあげてもいいのに」
「それはだめ。離婚したら終わりなの。もう二度と会わないの」


猫元気?とか仕事どう?とか聞いたり。仕事頑張ってるからなんか買って、ということになってしまい(なんで!?)、某デパートの化粧品売り場へ。彼女はなぜか魔法のようにどこの店員とも仲良くなることができ、すぐ顔を覚えてもらえるという特技があります。「この人、別居中の夫なんです」って、馴染みらしい店員に紹介してました。リアクション困るだろうそれ。

「仕事すると、お金がいっぱいでいいねー」
「あのさ。フツーの人はそんなにお金残らないの。家賃払ってあと生活費でいっぱいなの。君は家賃もないし(注:賃貸ではない)、うちの送ってる生活費だってあるでしょ?」
「そっか。じゃ、わたしみたいにお金残らないひとはカワイソウだね」
「……………」
あいかわらずだ、あいかわらず。

すこしだけ一緒に、そのへんの店を覗いて別れました。また会お?と言うので、いつかね、と返した。


信じがたいが好かれてる。彼女はきっと、わたしが「戻る」と言ったら何も言わずに受け入れてくれるのでしょう。天使か? それか、どっか決定的に壊れてるんだと思う。娘がこんな中途ハンパな状態にずっと置かれててもなにも言ってこない向こうの両親も壊れてる。わたしも壊れてる。壊れてないうちの両親は早く決着つけたほうがいいんじゃないのと言ってきます。でも面倒なんだよー裁判とかさ。離れたからうまく行ってるように見える。けれど裁判になったら、敵だ。かりそめの平和でも、いちど得てしまったら手放すには惜しいんです。


あ。ちなみに「妻!」とかふだん絶対言いません。家内とかも無理(笑)。100歩ゆずって「うちのおくさん」。いつもは「うちの同居人です」って言ってました。