同人オルタナティブ

イントロ

萌え理論Blog - 未来同人アマゾンII


前回は同人の新しい流通形態を考えた。これに対して、そもそも商業流通に載せては「同人」ではなくなる、同好の有志の交流の場としての即売会の意義が失われてしまうのではないか、という感想があるかもしれない。それは確かにある。だが、コミケの規模をこれ以上大きくするのも難しいだろうし、むしろ色々な経路があることで、負荷分散になるかもしれない。そこで今回はコミケ以外の同人流通を模索してみよう。

コミケ以外の即売会

ケットコム
COMIC1
うおっまぶしっ!―MUSASHI-GUN道オンリー同人誌即売会


一番有名で規模が大きい同人誌即売会コミックマーケットだが、それ以外に「コミックシティ」など即売会は色々あり、上記の「ケットコム」などで調べられる。「COMIC1」では、コミックレヴォリューションのスタッフたちがイベントを新しく立ち上げようとしている。


また小規模な即売会では、特定のジャンルで開催するオンリーイベントの形を取ることが多い。例えば上記の「MUSASHI-GUN道オンリー同人誌即売会」がそうだ。面白いのは、同日同会場でイベントが寄り集まって開催されることだ。例えば「π/」。これは、「肩掛けカバンをたすき掛けにして強調された胸オンリーイベント」らしい。ニッチなジャンルだが、徹底的に専門特化した方が参加者にも意義が分かりやすいだろう。


マスコミや一般人から見ればオタク=コミケだろうが、マイナーイベントは各地で頻繁に開催されている。参加者や特にサークルは、複数のどのイベントに参加するかを意識してスケジューリングすることになる。しかし、いつでも見れるような場所はないだろうか。

同人漫画喫茶

アキバ初どころか世界初?! 蔵書7000冊の「同人文庫」がアキバに誕生!!(現在はない)


残念なことに現在はもうないが、面白い試みだ。買える場所があまりなくしかも割高な同人誌は、確かにこうしてまとめて読みたい。一冊一冊が薄いので時間が掛からず、客としては割に合う。同人誌がイベントで売れなくなってしまう恐れもあるのだが、新しいサークルを見つけるきっかけにもなるだろう。コミケは時間が限られているので物理的に全部回れない。


こうしてみると「同人図書館」が欲しくなるが、それは更に実現が難しい。少なくとも、成人向けと二次創作は公共の施設には相応しくないだろう。次はオンラインに眼を向けよう。

同人SNS

マンガ読もっ!:新マンガサイトが先行オープン (まんたんウェブ)

同人誌などの販売も可能になるという。


上記はマンガをテーマにしたSNSだが、マンガを販売できるのが興味深い。個人のサイトでも公開や通販はできるが、課金まではできないだろう。同人誌販売店DL同人やアマゾンは商業的だが、この場合作者がブログやコミュニティを作れるので交流ができる。オンラインにすることで年中無休のイベントが実現するというのは興味深い。もっとも、毎日やってはお祭りではなくなってしまうし、開催側はあくまでも「マンガ」全般をテーマにしている。だが、OPENPNEやレンタルSNSがあって開設の敷居が下がった現在、より同人に特化したSNSを作ってもいいだろう(実は同人SNSは既にあるが)。

結論

コミックマーケットロングテール説」を唱える私としては、同人界とWeb2.0には親和性があるのではないかと考える。そこで今回は同人SNSに可能性を見出したわけだが、またどんどん新しい潮流が出てくるのではないかと思う。