劇場版 機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者

starwind2005-05-28

観てきました。公開初日の初回でした。昨年の東京ファンタで見れなかった想いが此処に炸裂しました。
さて本作品における最大の功績はラストにおけるシャアとアムロの再会シーンであると考えます。
終盤の多くは新作による画に変更されており、この重要な場面も例外ではありませんでした。
しかし新作によるメカ戦の多くがコンテの状態から作り替えられていたのに対して、肝であるこの場面はTV版における今川泰宏氏のコンテ通りに新作で蘇りました。
透過光による処理。そしてハーモニー処理で終わる本編が時代を越えて復活した事実に今はただ感謝する次第です。
さて本編に8割近くが戦闘シーンで構成されているにも関わらず劇場版ターンエー=地球光のような急ぎ足な展開には仕上がっていません。
TV版の14話までの構成という事もあるのでしょうが余分な贅肉をそぎ落とした分、シンプルな構成に作り替えられたと言うべきかもしれません。
更にTV版で突出していたエキセントリックな会話や描写は影を潜めファーストのような真っ当な物語になっていたように思えました。
当時のFILMに漂っていた閉塞感はまるで無し。
とは言うものの「ターンエー」や「キングゲイナー」のような最近の富野作品のように仕上がっているわけではないというのがポイントです。
相変わらず業の深い作りは健在なので宇宙世紀の正当派ガンダムを望んでいた方にはお勧めの一作です。
そういった事もあって個人的には「逆襲のシャア」に近い印象を受けました。言われているほどTV版ゼータガンダムとの差異は感じられなかったというのが当方の評価です。
(追補)
●新作による恩田氏のキャラクターはそれほど違和感は感じず。メカ戦はコンテ作画共にハイレベル。ギャプランアッシマーの動きは見応えあり。
●エイジング処理されながらも旧作と新作部分は噛み合っていない。出来ることなら全て新作で!!(要望)
●音楽は飽くまでTV版を基調にしたもの。新作も重々しい印象である。

●GacktのOP&EDは良い。帰りにCDを買ってきたよ。
●エンディングラストに続編=恋人たちの予告編あり。盛り上がりを見せる。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY 第32話 ステラ

前回に引き続き中村プロの高密度の作画が強い印象を与える。ステラの最後は、キャラデザの平井氏が作画を担当し花を添えた(前作におけるフレイを思い起こさせる)。
さて最大のポイントはデストロイを止めるためにシンでは無くてキラが手を下すという点にある。
シンとキラとの直接対決は、もはや避けられない事態でありそれに向けて一気に突き進んでいくようだ。全ては偶然ではなく定められた対決という描写も作為的で面白い。
それにしてもステラを救うためにシンが選択する行為には相変わらず驚かされる。最終的に何もしないという事がどのような結果を生み出すかをシンには見えていない。
痛みを知っているはずのシンが目先の物にしか意識が向いていないというのは現実から逃げているという裏返しなのだろうか?
脚本家が変われば表現も変わる。コンテも同様である。前回の巧みな見せ方の方が個人的には好みだが圧倒的な作画に頼った本話数も悪くない。
スケジュールの限界を超えたメカ戦の描写には本当に驚かされる。オクレのカオス。そしてネオのウィンダムの描写が本編を通じておまけ程度だったのは残念。
敵軍としてのネオは、まさかこれで見納めになってしまうのだろうか?
更にステラの死を通じて劇的に変わるはずのシンがますます崩壊していきそうで、この点は非常に興味がある。
表側の主人公=キラ・ヤマト。裏側の主人公=シン・アスカ。二人を通じて世界の在り方を視聴者に委ねる作りはリトマス試験紙のようで面白い。
そろそろ本論が始まるわけであるが加速度的に展開が早くなるのは前作SEEDでも同様でありその点は全て作り手の思惑通りといったところであろうか。
http://www.gundam-seed-d.net/