常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ちぎれた

車中で聞いたラジオのことばから。 長野県下諏訪町で開催されている御柱祭。先日2名の死者をだしたのにも関らず,今日からまた再開されました。建て御柱という儀式の際,ワイヤーが切れ,その事故が起ってしまったのですが,そのラジオ番組でアナウンサーが使った表現が以下のフレーズ;
 「ワイヤーがちぎれた」
この「ちぎれた」どう表現すれば的確に伝わるのでしょうか。私は「引き裂く」という感覚から,tearを考えました。辞書の意味でも「…を引き裂いて〔ある状態に〕する」とありました。『ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)
しかし,こういった状況で「切れる」と表現したい場合,主語がwireなのでbreakを用いるのが普通だと,田邉先生が教えて下さいました。帰りの電車の中で辞書を開いてみると,「〈人などが〉〈物〉を(誤って・故意に)こわす,割る,砕く,折る,ちぎる」とありました。さらに,先生は,ぶち切れたニュアンスである,「何の前触れもなく」の部分を強調するために,breakの前にsuddenlyとかunexpectedlyなどをつけることも教えて下さいました。まさに,なるほどの一言です。この様に表すことで,より生きた英語を相手に伝えることが出来るのだなと実感しました。以下はThe Daily Mainichiの引用です。

2 men die during festival at Nagano shrine

One of the wires was later found to have broken, leading the police to suspect the men fell when that occurred, they said.
(Mainichi Japan) May 9, 2010

http://mdn.mainichi.jp/mdnnews/news/20100509p2g00m0dm023000c.html

 テレビやラジオ,新聞や雑誌,それらを見聞きする時,今まで私の頭の中は完全にオフの状態でした。今回も小さな気付きから学ぶ事が出来ました。(全て田邉先生のお気づかいで)「アンテナをもっともっと張り巡らせていかなくては。」そんな思いに駆られた12日の午後でした。(by gacha)