常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

実を結ぶ

昨日(7/1),高校時代の仲の良かった友人から「(就職活動で)内定をもらえた」というメールが届きました。本人も大学3年の頭から準備していた事もあり,努力が実を結んだと喜んでいる様でした。今回気になった日本語が「実を結ぶ」です。英語ではどの様に表現できるのでしょうか。
調べてみるとbear / [ produce] fruitという表現を発見しました(『スーパー・アンカー和英辞典』第2版,学習研究社)。bearと聞くと,名詞の意味で「熊」や動詞で「〜に耐える」などの意味が思いつくのではないでしょうか。しかし,この語には他にも「〈花・実〉をつける[生じる]」という意味があり,上記の英語表現でのbearはこの意味がハマります(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。また,fruitも一般的な「果物」という意味以外に,「[しばしばthe〜(s)]成果」という意味を持ち合わせています(『ジーニアス英和辞典』同上)。「成果が生じる」つまりは「(結果が)実を結ぶ」ということになる訳です。さらに,堅い文語表現にはcome to fruitionというものもあります(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。また,dreams came trueもありますが,ここで触れる必要もないでしょう。
英単語は1単語1意味ではなく,1単語多意味の場合が多く,その中には,今回の様に意外な意味が含まれている事があります。ことばの意味の面白さを感じながら勉強をし,いつかMy efforts bore fruit.と言える日が来るよう,今を頑張りたいと思います。(ゼミ生 gacha)

Persimmon柿生講座#1「rabbit」

日本がベスト16で敗退してしまい,少し落ち込んでいるpersimmon柿生です。THE DAILY YOMIURI(7/1/10付け)の20面は日本対パラグアイ戦を大々的に採り上げています。今回はその記事から表現を拾っていきます。
日本がW杯でベスト16に進出したのはこれで2回目。前回は2002年日韓W杯のときで,相手はトルコ。初めての決勝トーナメント進出ということもあり,何もしてよいかわからないまま終わった印象を受けました。そのことについて記事では以下のように表現しています。
As Japan went into the nation’s biggest-ever match against a Turkish side there for the beating, Trousier’s team froze like rabbits in the headlights and the cohost’s World Cup ended in damp, dreary frustration.
なぜrabbits(太字)が使われているのでしょうか。
早速『ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)を引いてみると,ウサギには「臆病さを連想させる」とありました。日本語の「うさぎ」にはそのようなニュアンスはあまり感じられませんが,文化も変われば,ものの印象も変わります。実際timid rabbitでインターネット検索してみると数多くのサイトにヒットしました。
また,breed like rabbit「ウサギのようにたくさん子供を産む」という表現からもわかるようにrabbitには「多産」というイメージがあります。そして「多産」はsexualなイメージを持つので,アメリカの成人向け娯楽雑誌PLAY BOYのロゴにもなっています。
このように,英語では動物が何かを象徴しているということは少なくありません。みなさんも是非調べてみてください。(ゼミ生persimmon柿生)

三日葬

夏より冬が好きなLbow-Shoulderです。
先日韓流スターである,パク・ヨンハ(Park Yong Ha)さんが亡くなりました。「冬のソナタ」を3回見た自分にとっては衝撃のニュースでした。allkpop. comではパクさんの葬儀について触れられていました。それが以下の記事です。
Spokepersons from the hospital and police station have confirmed that no suicide note was left behind. The police have registered it as being an unnatural death and that a variety of reasons (listed above) probably led Park Yong Ha to choose suicide. Upon his family request, no autopsy will be performed and a traditional Buddhist funeral will be held for Park Yong Ha on July 2nd at 8am.
http://www.allkpop.com/2010/06/what-drove-park-yong-ha-to-commit-suicide
この記事によるとパクさんの葬儀はa traditional Buddhist funeralの形式で行われるそうです。a traditional Buddhist funeralを日本文の記事では「三日葬」という意味でよく見かけます。「三日葬」は亡くなってから三日で埋葬するというスタイル(ちなみに,韓国人のほとんどが土葬だそうです)。三日葬については以下のasahi.comで詳しく述べられていをるのでそちらを参照してください。
http://www.asahi.com/travel/seoul/TKY200512080241.html
7月1日はコンサートのために来日するはずだったのですが,なぜこのような事態になってしまったのでしょうか。ショックが隠しきれません(コンサートに行くつもりだったわけではありませんが)。ご冥福をお祈りします。(ゼミ生 Lbow-Shoulder)

Persimmon柿生講座#2「バーをたたく」

日本対パラグアイについて第2弾です。
今回,日本は負けてしまいましたが非常にいい試合であったとメディアから高い評価を受けています。高い守備力は言うまでもなく,実は攻撃の面においても一定の評価を受けています。その中心選手が本田,大久保,松井の3選手です。その一人の松井選手のパラグアイ戦での活躍がTHE DAILY YOMIURI(7/1/10付け)に書かれています。以下の英文をご覧ください。
In the first half, Daisuke Matsui rattled the bar from outside the penalty area, while…
ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)によれば,rattleは「ガタガタ音を立てる」という意味です。しかし,上記の英文において「バーがガタガタ音を立てる」とは一体どういうことでしょうか。
試合をご覧になっていた方ならもうお分かりかと思いますが,前半の序盤,松井は相手陣地内で拾ったボールをダイレクトでシュートを放ちました。そのシュートは惜しくもバーに阻まれましたが,得点を予感させる印象的なシーンでした。これをサッカー風にいうと「松井のシュートがバーをたたいた」となります。
日本が負け,うろたえた(rattled)方もいるかと思いますが,日本の今後の活躍を期待しましょう。(ゼミ生persimmon柿生)

LL外国語教育研究会の感想

6月29日火曜日,専修大学生田キャンパスにてLL外国語教育研究会主催の講演会が開催されました。
       
講演会は大変面白く,みなさんにもそのflavorをshareしたいと思い,以下,要約を試みます。演目と発表者は以下の通りです。
演目:“Why is /nait/ spelled ‘night’?”:A lesson on the difference between English pronunciation and spelling(「英語の発音と綴り字はどうして異なるのか」)
演者:Prof. Stanley Whitley (Department of Romance Languages, Wake Forest University)
http://d.hatena.ne.jp/A30/20100628/1277718110
噂を聞きつけ会場内は学生で満員(full house,SRO; standing room only)になりました。なぜ英語は綴り字と発音の間に開きがあるのかという英語学習者であればだれでも一度は思う素朴な質問をWhitley先生は専門用語をできるだけ避けわかりやすく説明してくださいました。
Whitley先生は「我々は1400年代のスペルを未だに使い続けている」と強調されていました。それ以前は音声と文字は連動していて,スペリングと発音の乖離はなかったそうですが,1455年グーテンベルク(Gutenberg)によって発明された活版印刷(printing press)技術によりある変化が生じました。活版印刷のおかけで識字率が向上しましたが,その一方で文字の定着化も急速に進みました。なぜかというと,文字を紙の上に記すためどうしても画一的な標準語が必要だったからです。結果として,それまで曖昧だった綴り字や文法が正確に定義される(be nailed down)ようになりました。Whitley先生がおっしゃるにはこの動きこそが発音と綴りの開きの原拠だそうです。1500年を境に英語はMiddle EnglishからModern Englishへと移行しましたが,その際大母音推移(The Great Vowel Shift)という母音の発音の変化が起こりました。また語の短縮(contraction)や“r”を発音しないR-droppingなども音声に大きな変化をもたらしました。しかし,綴り字の方は活版印刷の発明時にすでに細かく定義されてしまっていたため,音声に伴って変化することはありませんでした。このことからわかるように,音声は現在も日々変化しているが,綴りは未だに1400年代の頃のシステムに取り残されたままになっているのです。Whitley先生はこのような言語特有の恣意性(arbitrariness)が英語の発音を難しくしているともおっしゃっていました。
英国の劇作家George Bernard Shawなど様々な人物が混乱を避けようと綴り字の簡略化を図りましたが,その度根強い抵抗に屈し結局成功しませんでした。歴史上の事実からも,これからもスペリングが簡単になることはないようです。スペリングを簡単にする解決法はありませんでしたが,英語母語話者でさえ英語の綴りを“a crazy writing system”と称していたのが印象的でした。英語の綴りが苦手で単語が覚えられないと思っている人がいたら,多少それは英語のせいかもしれません。短い講演でしたが,有意義な時間を過ごすことができました。(ゼミ生 camel)

'See something, say something' drive begins in NYC

USA TODAYから,New York City(NYC)で進められているテロ撲滅キャンペーンに関する記事です。
'See something, say something' drive begins in NYC
NEW YORK (AP) — Homeland Security Secretary Janet Napolitano liked the New York transit system's slogan so much she launched her own "see something, say something" campaign on Thursday.
Napolitano announced the vigilance campaign in Penn Station, the nation's busiest train station. The campaign is part of a national information-sharing partnership with Amtrak.
The slogan was inspired by the Metropolitan Transportation Authority's admonition to traditionally mind-your-own-business New Yorkers. Since 2002, posters encouraging, "If you see something, say something" have become a daily sight for New York subway riders.
See something, say something は記事の中にもあるようにIf you see something, say something の意味です。日本でいう「不審物等を見かけた際はお近くの駅係員にお知らせください。」というやつです(それよりも口語的だとはおもいますが)。これは2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件や2005年ロンドンの同時爆破テロを受け,地下鉄などの駅で警戒が強まり,この標語のポスターが貼られるようになりました。
また,driveには「(…のための)(組織的)運動(campaign);(慈善などのための)募金運動⦅for ..., to do⦆」という意味があります(院生 小山本)。
http://www.usatoday.com/news/nation/2010-07-01-see-something-say-something_N.htm

Fed-exed

テニス男子シングルス準々決勝で,第1シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer)選手が,第12シードのトマーシュ・ベルディハ(Tomas Berdych)に敗れました。本日のDY(7/2)の1面に記事の見出しは
Fed-exed
まず,FedはRoger Federerのことです。ではexedは?辞書で調べてみると,exは前置詞で「…なし, …落ち(で, の)」という意味がありました(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。「ex interest [int. ]利落ち」のように使います(『プログレッシブ英和中辞典』同上)。ここでの意味は「Roger Federerが姿を消した」というあたりでしょうか。
ただ,気になる点が1つ。exに-edが付いていることです。exに動詞用法があると思い,複数の辞書にあたりましたが,動詞用法は見つけられません。ではどうして-edが付いているのか。
おそらくこれはFedExという単語を意識した言葉遊びです。FedExFedEx Corporationの国際宅配便の商標に由来するもので,その会社を指すのと同時に動詞で「⦅時にfedexFedExで送る」という意味があります。よって「トーナメントから荷物ごと運び出された」というニュアンスも含んでいるのではないでしょうか。(院生 小山本)

平成23年度私学適性検査について

平成23年度東京都私学適性検査の受験申し込みが間近に迫ってきました。受験予定の人は申込書に必要事項を記入して下記の場所まで提出をしなくてはなりません。提出期間が3日間しかないので細心の注意が必要です。以下は簡単な試験の概要です。
(1)要項

(2)提出書類
平成23年度私学教員適性検査受検申込書」・「受検票兼領収書」・「受検票(協会控)兼受検料納付書」に必要事項を記入してください。
※写真(たて4cm × よこ3cm )を3枚ご用意ください。
なお、申込書は「受検申込書の記入要領」をよく読んで正確に記入してください。書類に不備があった場合、受理できません。

(3)受検料
20,000円(消費税を含む)

(4)申込書の提出
○提出期間 
7月5日(月)・6日(火)・7日(水)の3日間
○提出時間  
午前10時〜12時
午後1時〜 4時
※時間厳守でお願いいたします。
尚、記入場所はございませんので、申込書は必ず事前に記入し、写真を貼った状態でお持ちください。
○提出場所: アルカディア市ヶ谷(私学会館本館) 6階「霧島」
JR(総武線)および地下鉄(有楽町線南北線・都営新宿線)「市ヶ谷駅」下車 徒歩2分

○提出方法: 提出書類に受検料を添え、原則として本人が直接持参の上
(書類に不備がなければ代理人でもよい)、申し込んでください。
郵送による提出は一切出来ません。
(一旦納入された受検料は理由の如何を問わずお返しいたしません)

7.検査の結果
(1)検査結果については9月中旬ごろ、全受検者に郵送をもって通知します。

(2)本検査は、採用試験ではありませんから、合格・不合格の判定は行なわず「専門教科・科目」・「教職教養」の各々について「ABCD」4段階の評定が でます。この評定が検査結果となります。尚、国語につきまして、現代文・古文。漢文の分野評定を記します。

(3)評定を記載した「受検者名簿」を作成し、都内の私立中学高等学校校長あてに配布します。各学校ではこれを採用の資料とします。なお、他県私立・国・ 公立の中学・高等学校に名簿を供覧することもあります。
http://www.tokyoshigaku.com/topics/etc/?F=Detail&sno=21
来週末には公立学校の採用試験が控えています。受験者は慌ただしくなりますが,焦りすぎず確実に一つ一つ「今」やらなければならない事をこなしていきましょう。(ゼミ生 camel)

Shoulder君

授業ネタが多いb.m.です。今回も授業中に出てきたshoulderについて書かせていただきます。
7月1日の 木曜3限のロンコープ先生によるAdvanced Oral Communicationでのこと。この日は知らない単語やイディオムを前後の文脈から推測しようというものでした。
先生が私達の知らない単語やイディオムの入った短い文を読み,3,4人のグループでその単語の意味を考えます。
その文の中で,shoulder the blameが出てきました。shoulderが動詞であることはわかりますが,名詞の「肩」をうまく動詞に変えることができませんでした。
ジーニアス英和辞典』(第3版,大修館書店)を引くと,shoulderの動詞に「<責任・負担など>を引き受ける,双肩に担う」という意味があります。例文としてshoulder a task without delay「すぐに仕事を引き受ける」とありました。
さらに「英辞郎 on the WEB」で調べてみると,shoulder the blameは「責任[非難]を(全部)引き受ける」とあります。ほかにもshoulderについてのイディオムで,shoulder to shoulder「協力して」,give A the cold shoulder「(人)に冷たい[よそよそしい]態度を取る」とありました。
現在,ゼミ3年生の連絡係をshoulderしているLbow君。いろいろなことをしながらも常時英心を忘れない姿勢には本当に頭が下がります。ただ,忙しいからといって急にcold shoulderにはならないで下さいね。というわけで明日の担当はLbow-Shoulder君です。 (ゼミ生 b.m.04:43)

Persimmon柿生講座#3「汗かき役」

日本対パラグアイ戦について第3弾です。
サッカーでは試合の流れを変えたい時などに,新しい選手を投入することが一般的なこととして考えられています。今回のパラグアイ戦でも,岡田監督は均衡した試合の流れを変えるために岡崎選手と中村憲剛選手をピッチへ投入しました。岡崎選手は攻撃にも守備にもよく走る「汗かき役」で有名です。突然ですが,「汗かき役」を英語で言うと何というでしょうか。その時の様子を表したTHE DAILY YOMIURI(7/1/10付け)の記事内にその答えは隠されていました。以下の英文をご覧ください。
As the clock ticked down, Okada threw on Shimizu S-Pulse livewire Shinji Okazaki and gave Kawasaki…
ここで興味深いのがlivewireという単語です。『ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)では,「電流の流れている電線,活動家,精力家;気前の良い人」という意味になっています,LDOCEでは,someone who is very active and has a lot of energyと定義付けされています。確かに何事にも一生懸命な岡崎選手のプレースタイルを上手く描写していますね。
以上からlivewireは「汗かき役」と訳すことが出来ます。ちなみに汗かき役とは,チームのために常にピッチを走り回り,汗をかいて勝利に貢献するというところから来た意味です。
英語学習においても,livewireになる事はとても大事なことです。みなさん,一緒に目標達成のために汗をかくほど勉強しましょう。(ゼミ生persimmon柿生)

Persimmon柿生講座#4「alpha male」

2010年6月30日,新しいドイツの首相が誕生しました。選出されたのは,ニューザクセン州首相のクリスティアン・ウルフ氏(51歳)です。彼は,指導力に問題があるのではないかと言われてきたメルケル前首相から今のドイツを引き継いだ形となりました。ウルフ氏は2008年にも当時首相であったメルケル氏の後任として注目されていましたが,その時は自分から辞退しています。このことについてTHE DAILY YOMIURI(7/2/10付け)では以下のように記述をしています。
“I was delighted I was elected in the third and last round” said Wulff, who was once seen as a potential successor to Merkel but ruled himself out of that join in 2008 by saying he was not enough of an “alpha male.”
今回注目するのが,alpha maleです。『ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)によると,「(動物の群れの)第一位のオス,アルファ雄《おどけて人にも用いる》」とあります。さらにLDOCEでは,the man who has the most power and influence and the highest social position in a particular group-used humorouslyと定義されています。また,読売新聞(7/2)では「私には権力へのあくなき意志がかけている」としていました。つまり,alpha maleは「権力欲」を想起させるnegativeな表現だということがわかります。(ゼミ生persimmon柿生)

梅雨の時期は雨が多くて嫌な時期です。天気のせいで気分が乗らなかったりする人も多いはずです(私はその一人ですが…)。さて,日本語には雨に関する表現はとても多くあります。生活と密接に関わる単語というのは必然的に多くなるのでしょう。そこで今の時期に関わる雨の表現を『スーパーアンカー和英辞典』(第2版,学研)よりいくつか取り上げてみます。
大雨 heavy rain
豪雨 torrential rain
通り雨 (passing) shower
どしゃぶり downpour, drencher
長雨 long rain
にわか雨 shower
雷雨 thunderstorm
霧雨 drizzle
そもそも日本語でも違いがわかりにくいものまでありますね。通り雨とにわか雨の違いがよくわからなかったので(むろん英語では同じ言い方をしてしまうこともあるようですが),気象庁のホームページを参照してみました。尚,通り雨の別名は「しぐれ」だそうです。
にわか雨
降水が地域的に散発する一過性の雨。
備考:「にわか雨」のなかには「一時的に降る雨」という意味が含まれているので,冬期の日本海側において,対流雲が次々と通り,晴れとしゅう雨(雪)が繰り返すような現象に対しては「にわか雨(雪)」は用いない。
しぐれ
大陸からの寒気が日本海東シナ海の海面で暖められて発生した対流雲が次々に通るために晴れや曇りが繰り返し,断続的に雨や雪の降る状態。「通り雨」として用いられる場合もある。
備考:主に晩秋から初冬にかけて,北陸から山陰地方や九州の西岸などで使われる。関東地方では後者の意味で用いられる。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kousui.html
英語では厳密にわけなくとも,日本語では厳密に分けて使っているのです。文化と言葉は切って切れない関係であることの一例とも言えるでしょう。(院生 montagne)

実地の体験は響きを伴う

先週の話で恐縮だが,「朝日新聞夕刊」(06/25/10)にあった作家 山本一力氏の「時字随想」は良かった。情報化社会のおかげで「わけ知り」は増えた。しかし,実際に足を運んで,地べたを這うように集めた本物の体験違う。それは「響き」を持つという。けだし名言である。最近,自分自身も忙しさから安易にWebに頼ることが多くなった。地べたを這わねば。英語もそうだった。(UG)

PKの謎

先日,研究室で田邉先生が「決着をつけるためにするPK戦はpenalty(罰則)ではないのになぜPKと呼ぶのだろう」という発問をされました。サッカーネタと言えばPersimmonくんですが,さすがのサッカー小憎もわからないようで,頭を抱えてしまいました。
インターネットで調べてみたところでは,試合中の反則に対するものはpenalty kickあるいはpenalty shootoutというのに対し,試合を決めるためのものは(一般的にはpenalty kick/shootout と言われていますが)正確にはkicks from the penalty markといい,penalty kickとは区別されるそうです。
Kicks from the penalty mark (commonly referred to as a penalty shootout) are sometimes used to decide the 'winner' of a tied match of association football (soccer). They should not be confused with penalty kicks, which are similar, but part of normal play during a match and governed by different rules.
http://www.wordiq.com/definition/Kicks_from_the_penalty_mark

また,DY(7/1)には以下のような見出しがあり,ここではPK戦をpenaltiesと可算名詞の複数形で表しています。
Japan suffers heartbreaking loss to Paraguay on penalties after scoreless clash
kicks from the penalty markのpenaltyが強調されるようになったのか,penalty kick/shootoutからか,その理由は定かではありませんがpenalty自体がPKを表す名詞になったようです。(院生 小山本)

Persimmon柿生講座#5「Cadillac」

今回は久しぶりにTIME(6/27/10付け)で見つけた英語表現をご紹介します。
アメリカでは,ポーカーはとても人気のあるカードゲームの一つです。よって多くのアメリカ国民は昔からポーカーに親しんでいます。今回のTIMEの記事ではPhil Hellmuth Jr.氏が取り上げられています。彼は世界でも指折りのギャンブラーとして知られており,昔は,Cadillac of pokerと言われていたようです。
では,このCadillacの意味は何でしょうか?『ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)によると,「キャデラック〈米国高級乗用車〉」の商標であると記載されています。キャデラックはアメリカの自動車メーカーゼネラルモーターズが展開している高級車ブランドです。
しかし,Cadillac of pokerが「ポーカーの車」では意味が通じません。実はCadillacにはもう一つ「最高級品」という意味があります。よって「ポーカーの達人」という意味になります。
私たちもCadillac of English learnersになれるように頑張りましょう。(ゼミ生persimmon柿生)

Persimmon柿生講座#6「hip image」

TIME(6/27/10付け)のポーカーの記事から第2弾です。私たち日本人は,ポーカーと聞くどのようなイメージを持ちますか?ポーカーにあまりなじみがないのでピンとこないかもしれませんが, TIMEではそのイメージについて言及しています。以下の英文を見てください。
That’s not hyperbole. Poker has a new, hip image, thanks to loads of TV times and bona fide celebrity players, and…
ポーカーにはnew, hipというイメージがあると書かれています。ここでのhipは以前camel先輩が採り上げてくれましたが,「物知りの,情報通の,流行を追う;かっこいい,最新流行の」(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)という意味です。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20100625/1277427057
他にもhipには「薔薇の赤く熟した実」や「ヒップ〈応援・喝采の掛け声〉」という意味もあります。(『ジーニアス英和辞典』同上)
英語を学んでいるといろいろな発見があります。今回の機会を利用して,体の部位についての英語を一つ一つ調べるのもいいですね。(ゼミ生persimmon柿生)

Persimmon柿生講座#7「once in a blue moon」

TIME(6/27/10付け)のポーカーの記事について第3弾です。
何事においても勝負の世界というのは,プレイヤーがあの手この手を使って何とか勝利をものにしようとします。その時に大事なるのが勝負勘でしょう。しかし,最近のポーカーは勝負勘に頼るだけでなく,データに基づいて次の一手を考えるという手法が一般的になってきているようです。
そのことについてTIMEが次のように書いています。下の英文をごらんください。
They rely on online software, which tracks every move and provides instance feedback on how a player is likely to response to a raise. The data show that betting big on once-in-a-blue-moon odds will work…
ここでおやっと思ったのが,once-in-a-blue-moonという表現です。一体どういう意味でしょうか。『ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)によると,blue moonで「長い間」という意味になるとあります。さらに辞書に目をやると,once-in-a-blue-moonで「ときたま;めったに…しない」という意味になる記載されていました。
以下は「英辞郎on the WEB」からの引用です。
「【語源説-1】空中のちりのため,まれに月が青く見えることから◆【語源説-2】blue moonは同じ月のうちに二度満月がある時の二度目の満月のことで,それはめったにないことから◆【用法】ちょっと古い表現で,あまり使われない。この表現は,I "rarely" see my first wife.(僕は“めったに”一番目の妻に会わない)というような人間関係ではなく,出来事に関して使われる。例えば,「ディズニーランドにはどのくらい行きますか?」と尋ねられて,めったにディズニーランドに行かないのであれば,"Oh, once in a blue moon." という答え方ができる。」
http://eow.alc.co.jp/once+in+a+blue+moon/UTF-8/?ref=wl
このように辞書からインターネットと知のネットワークを広げていく事は楽しみでもあり,喜びでもありますね。(ゼミ生persimmon柿生)

身の毛がよだつ

暑い日々が続きますね。そろそろ,どこかのテレビ番組が身の毛もよだつような恐い話を取り上げそうで苦手な私はびくびくしています。
さて,この「身の毛がよだつ」とは英語ではなんと言うのでしょうか。
私の予想はcreepyでしたが,『ジーニアス和英辞典』(第2版,大修館書店)で調べてみたところ,「身の毛もよだつ話」で「a blood(-)curdling (hair-raising)tale」,His hair stood on end.(彼は身の毛がよだった)とありました。
curdleには「凝乳になる(にする),(血が)凝結する(させる)」,「(恐怖で)凍る(凍らせる)」という意味があり,例文にはThe sight made my blood curdle.(=The sight curdled my blood) (その光景を見て血の凍る思いがした)とありました(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。
また,「(恐怖などで)ぞっとする」という表現は
thrill with horrorやmake him flesh(skin) creepの他にfreeze O's blood(=make O's blood freezeなどと表す事が出来ます。
ちなみに心霊写真はpsychic photographです。次回はtemple gateさんお願いします。(ゼミ生 カメ女)