常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

gloom-and-doomとlow-key and laid-back

Asahi Weekly(2010年7月4日)のMOVIES(11面)からです。
7月10日から公開される海南友子さん監督の映画『ビューティフル・アイランズ』について書かれていました。以下はその一部です。
Like Al Gore's "An Inconvenient Truth," films and documentaries on the issue of the global climate change usually offer dire and "gloom-and-doom" massages. But filmmaker Tomoko Kana's new documentary, "Beautiful Islands," offers a surprisingly low-key and laid-back glimpse at how climate change is affecting people's lives in the Tuvalu islands in South Pacific, Venice in Italy and Shishmaref in Alaska.
気になった所はgloom-and-doomとlow-key and laid-backです。
ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)によればgloomは「陰気さ,憂鬱,希望のなさ」,doomで「悲運,破滅,死」,またlow-keyで「穏やかな,控えめな,コントラストが弱い」,lay backで「のんびりする,くつろぐ」とありました。どちらも日本語でいう「憂鬱」のように,似た意味の言葉を組み合わせた表現だという事がわかります。ちなみdoomといえばdoomsdayという単語を以前採り上げました。http://d.hatena.ne.jp/A30/20100510/1273463621
この文ではlow-key and laid-backと前文にあるgloom-and-doom(絶望的な)massagesが対照的であり,従来の気候変動を扱ったドキュメンタリーとは違った視点から描いた今回の映画を強調していることが伺えました。
蛇足ですが,keyには「鍵,手掛かり,重要な,主要の」という意味の他に,key (in)onで「(職務など)に没頭している,…に狙いをしぼる」とあり,The baseball team keyed in on their opponent's star player.(その野球チームは敵チームのスター選手を獲得しようと狙っていた)が例文として載っていました。
何気ない文や単語ですが,しっかりと意味を調べて読む事が大事だと思いました。次回はtemple gateさんです。(ゼミ生 カメ女)