常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

bite (on) the bullet

突然ですが,「敢然と立ち向かう」という日本語を英語にするならば,みなさんはどんな語句を想像されますか。簡単なものだとbraveやventure,stand up to~などが考えられるかと思いますが,今回は『TOEICテストの「決まり文句」』(PHP文庫)で少し変わった言い回しを見つけたので紹介します。
その表現はbite (on) the bulletです。直訳してしまうと「弾丸を噛む」ですが,なぜこの表現が「敢然と立ち向かう」という意味を持つのでしょうか。『新英和中辞典』(第5版,研究社)を調べると「じっと苦痛をこらえる[我慢する],いやなことに敢然と立ち向かう」という意味と一緒に,「戦場で手術する時;もと弾丸をかんで痛みをこらえたことから」という由来が載っていました。弾丸を噛みしめて痛みと闘う姿を想像すると,ことの苦痛さがまざまざと浮かびあがってきますね。
最後に,この機会にbiteを用いた他の表現もおさえておきましょう。・bite back 「《口語》1〈あくびを〉かみ殺す,抑える 2〈出かかった言葉・涙などを〉(唇を噛んで)やっと抑える」・bite on 「《口語》1…をよく考える 2…に真剣に取り組む」
次回はカメ女さんです。 (ゼミ生 pear