常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Black Friday&doorbuster

今日は英語のネイティブスピーカーとの会話から英語の落ち穂を拾います。
アメリカでは11月の第4週目はThanksgiving Dayとされ,家族そろって七面鳥を食べるのが風習となっています。感謝祭からクリスマスまで約ひと月は the holiday seasonとも呼ばれ,クリスマスプレゼントの購入に向けて人々は少しずつ財布の紐を緩め始めます。各デパートではThanksgiving Dayをクリスマス・セールの前哨戦と位置づけ、客足を引き込むために金曜日から特別セールを行います。金曜日のセールによる収支が常に大きな黒字になることから感謝祭の次の日を「ブラック・フライデー(Black Friday)」と呼ぶそうです。ブラック・フライデー当日,各デパートは朝の5時に開店し,早朝のみ有効である限定割引などを行うとのことです。
さらに彼はこのような割引のことをdoorbusterと呼ぶと言っていました。New Oxford American Dictionaryでその意味を調べると,“ (in retailing) a special discount price available for a limited period, typically during special early-opening hours.”という風に定義されていました。元旦に大勢の客が福袋を求めてデパートに流れ込むような光景がこのBlack Fridayの日に起きていると推測できます。
手許にある辞書でBlack Fridayを引いてみると「不吉の金曜日《キリストの処刑の曜日》;魔の金曜日《不幸なできごとのあった金曜日》」という意味しかありませんでした(『リーダース英和辞典』第2版,研究社)。また,複数の辞書でdoorbusterも調べてみましたが,ほとんどの学習英和辞書の見出しにはこの単語は出ていませんでした。どうやらこれらの語はネイティブの間では流通していますが,学習辞書にはまだ反映されていない言葉のようです。これからも貪欲にこのような言葉を探していきたいと思います。(ゼミ生 camel)