常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

shell No.2

常時英心の賜物でしょうか。偶然にも2人が同じ単語に拾い上げていました。こちらは1年後輩のカメ女さんの記事です。
11日にレイズ戦に先発したレッドソックス松坂大輔投手についての記事です。
Red Sox hurler Matsuzaka shelled by Tampa Bay
Daisuke Matsuzaka's 100th major league appearance Monday turned out to be far from memorable, as he was chased in the third inning after being torched for seven earned runs in the Boston Red Sox's 16-5 loss to the Tampa Bay Rays. (JT.Online 04/13/11より) http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/sb20110413a1.html
今回注目したのはshellです。shellといえば「貝」という意味で認識していますが,ここではどのような意味で使われているのでしょうか。
辞書で意味を確認してみたところ,shellには「(敵・町など)を砲撃する,爆撃する」という意味があることが分かりました(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。ここで「砲撃する,爆撃する」とそのまま訳してしまうと意味が通らなくなりますが,本文と照らし合わせていくと,投手として大打撃を受けた,つまり「大量に得点を奪われてしまった」という訳にたどり着きます。私の手許にある紙の辞書には載っていませんでしたが,shellには「(投手に猛打を浴びせる,(投手から)大量得点する」という意味があります(goo辞書)。
松坂投手の今後のプレーに期待したいですね。(ゼミ生 カメ女)

employ

今回は『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』から英語表現を拾います。
Professor Umbridgeはホグワーツの環境を変えるべく魔法省から派遣されてきました規律に厳しい先生です。彼女はすべての授業を見学し,質の伴った授業になっているか検査しています。以下の英文はUmbridgeがSnapeの授業見学で集中力を欠いていたハリーが,Snapeから膨大な宿題を課せられ,Professor Trelawneyの授業をさぼる場面です。
Professor Trelawney was yet again handing out copies of The Dream Oracle. Harry thought he’d surely be much better employed doing Snape’s punishment essay than sitting here trying to find meaning in a lot of made-up dreams.
ここでの注目単語はemployです。employは第一義である「〜を雇う」という意味でまず覚えられますが,実は他にも意味があるのです。ここでは「〈人が〉〈時間・精力など〉を費やす」という意味になります(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。LDOCEによると,この意味のemployはフォーマルで通例受け身の形で使われるそうです。さらに,to spend your time doing a particular thingと定義付けがされています。ハリーにとってはSnapeの宿題は特別のものであることがわかりますね。
小説には,普段あまり出会うことのできない表現がたくさん詰まっているのですね。(persimmon柿生)