常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

pound for pound

プロ野球交流戦(interleague action)を迎え,セ・パ両リーグのチームが激闘を繰り広げています。そんな中,埼玉西武ライオンズ中島裕之内野手が満塁弾と2ランで6打点と大活躍しました。このことについて書かれたDY(05/22/11付け)の記事より英語表現を拾います。まずは以下をご覧ください。

Pound for pound
Hiroyuki Nakajima hits a grand slam and a two-run homer as the Saitama Seibu Lions pound the Chunichi Dragons in interleague action.

今回注目するのはpound for poundです。poundは重量の単位や英国・英連邦の通貨単位「ポンド(£)」として知られていますが,pound for poundとなるとどのような意味になるのでしょうか。辞書によると,pound for poundで「等分に」とあります(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)。しかしこれだけではよくわからないので,英辞郎on the Webでも調べてみると,「重量比で言えば,同じように見比べた結果,全体として」とありました。また文中のpoundは動詞として使われています。辞書によると,「(長時間続けて)・・・を猛爆撃[砲撃]する」とありました(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。この試合ではクリーンアップの打線が爆発しており,そのことをpoundで表しています。以上のことから文章全体を訳すと「(西武ライオンズの打線を)同じように見比べた結果,中島裕之内野手の満塁弾と2ランと同時に西武ライオンズ中日ドラゴンズに対する打線を爆発させる」となるのではないでしょうか。

余談ですが,自分の大好きなケーキの1種であるpound cakeは「《もとバター・砂糖・小麦粉各1ポンドで作った》」そうです(『ジーニアス英和辞典』同上)。poundを調べた際偶然出くわしたため,新たな知識を増やせました。このような点でやはり紙辞書はすばらしいと思います。(ゼミ生 Lbow-Shoulder)