常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

whip up, tailgate party, kick

おいしくかつ,フレッシュな健康食品として嗜みたいと思いカクテル(cocktail)のレシピを探していると,ブラディー・メリー(Bloody Mary)のものを見つけました。今回はそのレシピから英語表現を拾います。
A typical Bloody Mary is a perfect brunch drink. An a-typical Bloody Mary is an even better brunch drink. Next time you're whipping up some afternoon drinks for a special occasion, a Sunday meeting with the in-laws or a Saturday tailgate party, opt for a spicy cocktail that also has nutritional value and kick.
http://www.ehow.com/how_2141097_mix-spicy-bloody-mary.html
強調した文字を,上から確認します。まずは,whipping upです。動詞whip は,LDODEによると第一義が「鞭で誰かを叩くこと」とあります。続く語義に「厚みがでて濃厚になるまでクリームや新鮮な卵を強くかき混ぜること」とありますが,このカクテルでは,卵もクリームもふつうは使われません。whip up で「すばやく何か食べ物を作ること」とありましたので,引用の文脈では,「すばやく簡単に作っているでしょう」(拙訳筆者)という感じでしょうか。whipと聞くと,Bloody Maryの語源である16世紀のイングランド女王メアリー1世(Mary 1 of England, 1516-1558)が行った政治行為になぞらえた,「鞭を打つ」意味でのwhipが連想されます。

つづいてtailgate partyです。tailgateとは,『ウィズダム英和辞典』(初版,三省堂)によると,[《主に米》(車の)後尾ドア]とありました。さらにtailgate partyの説明として「フットボールの試合前などに駐車場で行う野外パーティ」とありました。しかし,以上の意味ではあまりイメージがわかないので,グーグル(http://google.com)で画像検索してみたところ,車の後尾ドアを使ってバーベキューや,軽いパーティをしている様子を確認することができました。このように,どうしてもイメージのつかめない名詞は,画像検索をすると,すぐにわかる場合が多いことを再確認できました

最後のkickについては,すでに記事がありましたので,ご参照ください。

ちなみに,ブラディー・メリーはウォッカの味とトマト・ジュースの爽やかさに絡まった隠し味のコショウの香りが決め手です。コメディ映画『ジョニー・イングリッシュ』(Johnny English,2003)では,主人公がお酒を頼む場面で “A bloody Mary, please not too spicy”という台詞が登場します。わかる人にはわかりますが,これは『007ゴールドフィンガー』(007 Goldfinger, 1964年)の牧場のシーンのパロディです。ちなみ『ゴールドフィンガー』では, “Sour mash, but not too sweet, please”と言っています。『ジョニー・イングリッシュ』では,それまでカッコいいことを言っていたにもかかわらず,カクテルの味の決め手を抜いたもの頼んで笑いをとっています。なお,ブラディー・メリーのおいしい作り方は,記事をご参照ください。(Othello)