常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ご指名質問 it is the same sad story that we're seeing in high streets all over the country

田邉先生からのご指名質問にお答えいたします。質問の内容は以下のものでした。
it is the same sad story that we're seeing in high streets all over the country.とは?”
http://d.hatena.ne.jp/A30/20110827/1314407030

まずこの文を訳してみると,「それは現在,我々が(英国)国内全土のhigh streetsで直面している話と同様の悲しい話である。」となります。記事を読めば,上記の英文のit(それ)は,映画の舞台となった“古書店が廃業の危機にあること”を指していると分かりますが,先生はきっとhigh streetsの意味を問われたのだと思います。
アメリカではmain streetとも言うべき「本通り」、「一番の目抜き通り」のことをイギリス国内ではhigh street(s)と呼びます。一番の繁華街をつらぬくこうした通りでは、日本のシャッター商店街のごとく、多くの小売店が廃業したり,多くのチェーン店が店舗数を大幅に削減したり,またその危機に直面している現状を表しています。他の記事にも目を通してみると,原因として不景気で消費者の支出量や購買意欲が低下し,売上げが伸びていないことが挙げられていました(http://www.bbc.co.uk/news/business-13941983)。
質問の英文は,映画で注目をあびた古本屋が廃業危機にある現状と最近のイギリスの実状を照らし合わせていると思います。(gacha)