常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

研究授業の感想

昨日、T県の某小学校での研究授業に参加させていただきました。

小学6年生のクラス(約30名)の授業を視察させていただき、その後参考になった点や気になった点等の意見交換をし、改善策を考える協議会を行い、最後はUG先生の講評をいただくというスケジュールのもと行われました。

    
     sing upするInaho

授業で取り扱った内容は”Can you〜?”の導入部分です。活動はおおまかに3部に分かれており、1つめは黒板に貼られた身近な行動が描かれているイラストを見ながらT-S間のコミュニケーションを通して”Can you~?”の使い方を学ぶというものでした。2つめは人物当てクイズです。ここでは児童ひとりが答えを知り、先生が問いかけて残りの生徒が答えを当てるというものです。映像や小道具も使って授業を行っていました。3つめの活動は今回のメインのであり、非常に工夫されていると感じました。先生による実演、ビデオで撮影した映像です。音楽の先生に授業に来ていただき、楽器や遊び道具を使うことができるのかを児童たちが問いかけ、本当にできるのかできないのかを実演、又はビデオで撮影した映像を見せ確認するというものでした。

ここで授業をされた先生はご自身の授業リズムに生徒を引き込むのがとても上手であり、加えて発問や助言などにも大変感銘を受けました。最も印象に残ったことは、他教科の先生を呼んで実演していただくという手の込んだ工夫がなられていたことです。小学校という特性上できること、と言ってしまうのではなく、高校や中学校の授業においても参考になる点はたくさんあると思いました。

協議会では2つのグループに分かれて意見交換を行い、私も片方に参加させていただきました。同じグループにいらっしゃった先生は高校や中学校の先生もおり、各校種との繋がりも踏まえつつ意見を交換されていました。結果としては、児童が発言するoutputの場を増やすことでさらなる授業改善につながるのではないかということでした。

UG先生の講評では、facilitatorとしての教師について、Can you~?の実用性や丁寧表現としての使い方について、英語学習初期段階における発音や語彙の重要性について、さらに授業でのIRFについての4つを中心にお話をされました。中でもIRFの話では教師のFollow upの重要性を教えていただきました。児童の返答にたいして自信を失わせないようなフォローや褒め言葉も大切ですが、正しい発音に適宜訂正してあげることも、とくに初期段階には重要な役割を担うとのことです。UG先生の講評を他の先生方と共にお聞きして、まだまだ勉強が足りないと実感しました。他の先生方から、理論的仕組を勉強したくてもなかなか時間を得るのが難しいとのお話しも伺ったので、時間がある今のうちにできる限り授業実践における理論もしっかり勉強しておきたいと思った次第です。

小学校の授業を見学させていただくことはめったになく、多くの発見があり、とても勉強になりました。今回もお忙しい中お声をかけていただいたUG先生、そして研修会の先生方、本当にありがとうございました。(Inaho)