常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

coquettish

 女性誌などで「コケティッシュ」(coquettish /kəˈkɛtɪʃ/)という言葉を目にしたことはありませんか。私は、ニュアンスを取り違えて理解していました。今回は反省も兼ねて、調べてみました。
ジーニアス英和辞典』(第五版,大修館)を引いたところ、「なまめかしい,男に媚びるような」と書かれております。動詞ではcoquetで、「こびを見せる,いちゃつく」、「気まぐれに手を出す」などの意味を持ちます。名詞はcoquetryです。女性が男性にアピールする様子を指すことが多いようです。
 Oxford Dictionary of English (2th) には、 “flirtatious behavior”という名詞の定義がありました。(ちなみにflirtatiousは、「いちゃいちゃしている」などの意味があります。)語源はフランス語で、 wantonという意味にあたるcoquetからきているようです。 wanton自体は、「みだらな」や「浮気女」などの意味を持ちます。さらにwantonのwanは「…でない」、tonは「導かれた,教育された」にあたります。
 したがって「コケティッシュ」は、元をたどるとあまり良くない意味合いがあるようです。つまり紙面で、「男媚メイク!」と大きくいっているようなものです。カタカナ英語には要注意だなと再確認しました。(Gomez)