サボリ、じゃないよ。

明日、インターホンと洗浄便座を売り込む予定。価格表、見積書発行等の材料を作るため、部活を切り上げて帰ってきた。今、パソコンに向かってる。

父は「定価なんか書かないで多くもらった方がいい」とか「工事費なんか風任せで適当に・・・」とは言っていたし、これまでに俺がやった現場でも、そういう感じでやった。でもやっぱり、顧客には「納得」してもらった上で「お願いします」と言って、お金を出してもらいたいわけで。

何だかんだ。

父の場合、全く駄目だと思う。何せ、受け持っていた客の所から「他頼んだので結構です」との断りがきたとか。


全く、なぁ。せっかくのビジネスチャンスも、お客様との信頼関係も、全て崩壊した計算。そもそも、やり方があまりに悪い。家電リサイクル法施行以前は、ゴミ捨て場から拾ってきたテレビを直して安く売ってたりしてたが。自分の家で使うくらいならいいけど、そんな代物を客の所に持っていったら、どういうクレームを付けられるか判らないじゃないか。映像回路の故障を直して持っていっても、じきに音声の回路が壊れたりして「ゴミを売りつけるな!」、だ。

お客様に「映像系の点検はいたしましたが、今回は音声系の劣化です」と説明しようが、客に言わせれば、単に「テレビの故障」なわけで。音声系だろうが映像系だろうが、ひとつの「テレビ」。
流石に今となると、このやり方はしていないが。



それに、あまりに振る舞いがヘラヘラしているし、道具類も整理整頓されてないし、何もかもが軽率な感じ。知識もなさそうに思えるし。これ、相手に不信感、不快感を与えるよね。お客と会話している内容も、正直、馬鹿丸出し。以前書いた「馬鹿にされる感じ」の原因ってこの辺じゃないかと思うが。

また、仕事自体、ある意味、あんまりに「親切な電気屋さん」をやっちゃってる。何せ今回断られた客だって、「アンテナの『移設』」である。正直な話、アンテナなんか、移設するような設計で作ってないのが実情。1回設置したら「おしまい」だ。寿命自体、大体10年(耐久型、共聴用を除く)だから、移設、という真似はリスクが大きい。
何せ手間もかかるし、移動中に壊してしまう可能性もあるし、付けて映ってもじきに寿命だ。寿命が来たら、クレームが来るのは電気屋。しかも、新品のアンテナを売らないわけだから当然、儲けも少ない。



こんな真似、俺ならしないよ。新品のアンテナを丁寧に施工させていただく、ということにする。





余談だが、日本の場合、営業車は汚いライトバン、だが、アメリカとなると「汚い車で大切なお客様の所に乗り付けるのは失礼」ということで、ピッカピカに磨いた高級車を営業車に使っている、と、どこかで読んだことがある。それ故に「タコマ」「タイタン」「トライトン」のようなピックアップが発達しているのだろうけど。
日本でも同じような気がする。変な車で行くのは相手に不快感がある筈。その点、俺自身としては、Y10とタウンエースの棲み分けを図って、営業用にこき使うY10、品位を重視する場面、大物、貴重品運搬用のタウンエース、ということにしようと思っていたが。父の場合、営業車はとにかく経済性重視、ということで「スタンダード」とか「デラックス」「DX」という名称のグレード名の車しか乗ってきてないんだが、俺が現場に出て仕事を始めるとなると、やはり、仕事の合間の移動時間や休憩時間を過ごす大切な部屋だからくつろぎが必要、という概念を持って、そこそこな上位グレードを選んじゃったりしそうな気がする。個人所有の営業車なら。

その点、アコードワゴンとか、ハイエースの「スーパーカスタムリミテッド」とかは品位感もあるし、悪くない選択だと思うな。もちろん、相手に不快な印象を与えないよう、整理整頓もきっちり行って。ちなみに以前、父は「ボルボ」を欲しがっていたっけ。



個人的に描いている「職人」の理想像、は、仕事も恋愛(家族、家庭)も趣味も疎かにせず、整理整頓もキッチリとできていて、人当たりが良くて、商品、工事知識が豊富で顧客の目線を決して忘れない、というものだが。少なくとも自分はほど遠いけど。