office ARIGATO

2018-07-14

あん

| 16:22

朝7時起床。


福岡県八女市の町づくりのキーパーソンであるKさんが、

朝7時にうちの草刈りに来られるということだったので、

寝ぼけ眼をこすって必死に起きたが、案の定いらっしゃらない。

(Kさんは、うちの町家を管理する団体の方でもあり、管理責任を

お持ちなのだ)


そりゃそうだ、出会った頃は還暦に差し掛かったばかりだったKさんも

もう60代後半である。その年齢でバリバリ動き回っておられるので、

これくらいは想定内である。

朝食のカレーを妻と食べながら、のんびり待つ。

9時、Kさん到着。Kさん、私、妻の3人で猛然と草を刈る。

小一時間で終了。3人でやるとやっぱり早いなあ。


仕事へ行く妻を見送り、自宅で新作映画への英語字幕貼り付け作業

手直し。翻訳の改善点を見つけてしまったので、修正していく。

昼過ぎ、ムネオ君からメールがあり、

近所のえほん屋ありが10匹。-books&coffee-へ。

洋邦ロック事情について小一時間ムネオ君と歓談する。

途中、Kさんもカレーを食べに来店され、ご挨拶。


夕方、おりなす八女へ。

かつては狭い町にいくつもあったそうだが、現在、

八女市には映画館がないため、映画を楽しむ八女・筑後の会さんが

公共のホールで定期的に映画上映会を開催されている。

この日は河瀬直美監督「あん」であった。


序盤、樹木希林さんがじっくり餡を作る辺りまでは

(映画に)乗れたのだが、良かったのはそこまで。

俳優陣の力でなんとなく観終えることはできたものの、

内実は非常にチープなメロドラマであった。ハンセン病

モチーフとして使われているが、別にハンセン病でなくても

よかったように思う。ということは、ハンセン病に失礼ということ。

千太郎永瀬正敏)が感傷的でよく泣くのにも辟易した。


帰宅し、英語字幕の修正を進める。

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2018-07-13

タダはダメ

| 13:12

起床時間、朝食、失念。


お昼頃、新作映画への英語字幕貼り付け作業がひとまず一段落。

お一人目、お二人目の翻訳者、からの俺チェック&貼り付け、

からの、明日朝に最終チェックのため第四の男に貼り付けた映像を

送付する。少ない予算、あるいはボランティアで関わっていただき、

各位には感謝しかない。おかげで開かれたものになったと思う。


午後、そのための仕込みをパソコンであれこれと。


午後6時、八女市福島地区の町づくり情報交換会に出席させていただく。

会場は八女サヘホ。こちらも、町の人々によりリノベーションされた

町家である。


第一部の現状報告会は、ムービーのカメラで撮影させていただく。

また困難な課題に挑もうとされている。

その折々を映像として記録することで、のちのち何かのお役に立てれば

嬉しいし、単純に興味がある、というのもある。

何より、八女福島の伝建地区に移住させていただいた原点を

今、見つめ直したい、というのもある。


会終了後、スナックのご相伴に預かる。

八女市は、かつて林業が栄え、林業従事者の方々が呑みに来ていたため、

面積に対する飲み屋さんの密度が日本一だと聞いたことがある。

(確かに、暮らしていてその実感はある)


「この人、映画監督さんばい」と、無名の俺なんぞを紹介してくれる

ものだから、店の女の子達も合わせて、

「すごーい、今度DVD持ってきて」だって。

「ははは、今度ね」と澄ましていたけれど、ちょっと待て、と。

「今日のお代タダにして」と頼んだら、してくれるかね?

「今度ね」なんて合わせてしまったけど、少なくない予算や人の想いが

乗っているし、こちらも仕事でやっているので、

やっぱ、ちょっとそれは厳しいよ。


伊藤 有紀

(写真は町づくり情報交換会のもの)

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2018-07-12

お籠もり

| 21:43

午前8時起床。

朝から近所の祇園神社祇園祭

妻は僕より先に神社へ向かい、ご近所さん達と準備。

僕も9時半頃に神社到着。


お供物を用意し、10時半、宮司さんをお迎えし祝詞奏上。

約30分ほどで終了。

宮司さんに玉串料をお渡ししたり、お供物の鯛を魚屋に持って行って

氏子の戸数分切り身にしてもらったりと、なんやかんや動く。

猛暑である。


昼、筑後市コメダ珈琲店にて、新作映画への

英語字幕貼り付け作業を進める。

アレックス・ファーガソン自伝」読了。

イギリスの名門フットボールクラブ元監督の自伝だが、

いろんな分野にも通じると感じた。頑固親父は好きだ。


を閉めた妻を迎え、一緒に、再び祇園神社へ。

午後7時、祇園さんへの「お籠もり」開始。

神殿を開け放ち、灯りをつけ、飲み物を用意し、

氏子各戸から一人ずつが出席、神様のそばでくつろぐのだ。


他の方々は慣れたもので、自然体でくつろいでいらっしゃるが、

こちらは物珍しい状況が楽しくて仕方ない。

うちの班は二班なのだが、お籠もりの間中絶え間なく

町内の一班・三班の方々が参拝にいらっしゃった。

(当然個人差あるだろうが)皆さんそれぞれ

「自分の町の自分事」と感じていらっしゃるのだな。

そこに、町を流れる時間の重みを感じた。


午後9時、お籠もり終了。

手際よく後片付け。鯛の切り身やお供物の残りを

みんなで分けて、解散

お神酒で酔ってしまい、自宅到着後すぐに就寝。


伊藤 有紀

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2018-07-11

ブラックボックス

| 13:15

午前9時起床。


朝食は、パンと、トマトとキュウリのサラダと冷汁

前夜のW杯ベルギーVSフランス戦を朝方まで見ていたため

寝不足で、二度寝。昼頃起き、シャワー。


フランスのエムバペ、間違いなく才能あるのだろうが、

10代で百億以上の金を手にし、フィールド上ではあのしたたかさである。

マンチェスターユナイテッドの監督だったアレックス・ファーガソン

ならなんと言うだろうか。実力も知名度もある先達が、厳しくも

あたたかく諌めてやらないと、あたら若い才能を早枯れさせる

ことになりはしないか。


午後、ドトールでYさんと会談

地域での映画製作についてや、映画のよもやま談義をする。


Yさんと話していて感じたことは、

「地域での映画製作を、プロ側だけのブラックボックス

入れてはいけないのでは…」ということである。

都市部の映画製作会社が主体となり、地方ロケで作られる作品なら

別に構わないだろう。地方は基本、ロケ地として協力するだけだから。


しかし、「地域発」「地域と連携して」「地域の人々の想いから」

と謳っている作品が、内実は従来通りのやり方では、それは

地域の人々に対して、また観客に対して、ある種の裏切りのような

気がしなくもない。

「この映画は皆さんの町の皆さんの映画です。ついてはいくら

かかります。みんなで集めましょう」

必死に予算を集めて、撮影間近になるとプロがやってきて、

「あとはプロに任せて。皆さんは予算の足りない分を集めてください」

では、やはりちょっと寂しい。


確かに、映画製作は専門的な経験・技術・知識集合体で、

各分野に習熟したプロがギリギリのところで現場を進めている。

内容のことは、プロを信頼するのが一番であるということに異論はない。

せっかく作る映画のクオリティは絶対に下げたくはない。


ただ、そのプロが雇えているのは地域側が必死に集めた予算であり、

地域側が雇い主とも言える。この場合、映画製作をプロだけの

ブラックボックスに入れてしまうのは、やはり違う気がする。


最初にプロ側が予算を決め込んで、予算ありきで地域で製作する

のではなく、地域の人々と予算策定から密にやりとりし、

そうして決まった予算規模と乖離しない内容・クオリティを見定め、

製作に入るのが良いかもしれない。

映画製作をブラックボックスに入れることでクオリティを担保する

のではなく、とことん話し合って、理解を深め合いながら、

一本の作品を作る。この予算規模ならここまでやれる、

などと話し合いながら。


夕食は妻と桐乃家。

僕はカツ丼セット(カツ丼とミニうどん)。妻はキツネうどん

カツを2切れ妻にあげる。


その後、一人コメダへ。ノートPCを持ち込み、新作映画への

英語字幕貼り付け作業を進める。


伊藤 有紀

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2018-07-10

我が家に神が来た。

| 12:26

過日のこと。

家で寝間着のまま仕事をしていたら、ピンポンとチャイムが。

出てみると、ご近所の男衆お二人が立っていた。


「今しがた、伊藤さんが神様のクジで次の座元に選ばれたんで、

祇園さん(近所の祇園神社)までちょっと出てこれます?」

「…は?」

「座(ざ)っちゅうて、昔から町の中で回しとるんですわ」

「…わ、わかりました、ともかく、ちょっと着替えていいですか?」

男衆について祇園さんに行くと、いつもは閉じられている神殿

開放されていて、中には正装の宮司さんはじめ、ご年配の町の重鎮たち。

神前には立派なお供物の数々、殿中には雅楽がうっすらと流れている。

「…」「ささ、どうぞ」と促されるまま宮司さんの前へ。

榊を渡され、ご神前に供えて二礼二拍手一礼。展開が早すぎ、

夢の中にいるような心持ちである。


無精髭、寝間着に毛の生えたような格好でキョトンと座ってると、

御幣の付いた竹(写真参照)が差し出された。

この竹に神様が宿り、座元は一年後、次の座元に回すまで、

自宅にてこれを大切に預かるのが役目だという。

祇園さんの御祭神素戔嗚尊。僕の地元の三重県にある

伊勢神宮の御祭神天照大神で、素戔嗚尊天照大神の弟にあたるそうだ。

ご縁を感じたことを告白しておく)


帰宅し、とりあえず我が家の簡易神棚に神様を設置。

ほけーっと神様を眺めていたら、家の前でバチ!バチ!と

何かを叩く音がする。ドキドキしながら薄く玄関を開けると、

町の重鎮や男衆の皆さん、その奥さん子どもさんらが、腰に縄を巻いて、

竹の棒で家の前の地面をバチ!バチ!と叩いておられた。


皆さん「ああ、先ほどはどうも」

私「ど、どうも。あの、これは…」

皆さん「ははは、これはまた別の儀式で、縁起もんです。それでは」


と、去って行かれた。

不謹慎かもしれないが、なんだか楽しかった。

八女に暮らして7年目になるが、本当に奥の深い町だと思う。

そんなわけで、我が家に神が来た。


伊藤 有紀

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