足るを知らない
[想い]に入れるほどたいした内容じゃないんで「雑記」で。
じゃあ[想い]がたいした内容かって言うと、そうでもないな。
ヴィクトリノックスって言うナイフがある*1。
赤いハンドルに赤い十字がついたコンパクトな本体の中に、ナイフはもちろんドライバーやら栓抜きやらの機能が付いた、いわゆる十徳ナイフの類だ。
僕も一本持っているのだけれど、これが結構便利。アウトドアとかに持っていくととても重宝する。まあどんな風に役に立つのかはメーカーのHPでも見てもらうとして。
僕が好きなのはこれの最高級モデル(持ってないけど)。
ナイフ含めて実に33機能のその本体は、当然重くて厚くて、すなわちゴツい。
すると、当然疑問が出る。
「そんなにハンドルが厚いと、単純にナイフを使うのにも逆に使いづらいのでは?」
「コンパクトに持ち歩けるのがウリのはずなのに、こんなに重くてどうするの?」
―いやいや、それがいいのだ。
これでもかこれでもかと機能を詰め込み、本来の目的を見失って「あれ、やりすぎちゃいました!」感が漂うそのボディーは、まさに人間の業(ごう)そのもの*2。
多機能にするという目的を追求したが故に、もう片方の目的である携帯性を失ってしまったその姿。
詩的に言うなら、かけっこで誰よりも早く丘のてっぺんに駆け上がり、胸を張って振り返った時に初めて花を踏み荒らしていた事に気付き、ゆっくりとうつむく姿。
美しすぎる。
どうしてオタク的性向を持つ人間というのは、こんなにもバカで純粋なのだろう。
突っ走って突っ走って、やり込んでやり込んで、やっと何かを無くした事に気付く。
ああ、愛おしいなあ。
以前の日記でも似たような事書いたけど、天才ってのはよっぽどのオタクじゃないとなれないと思う。分野によっては実社会で役に立たないんで、オタク=天才じゃないんで注意だけどな。
- 余談
よくナイフ一本でここまでひねり出せるなあ、と我ながら感心&バカみたい。