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一昨日、熊谷守一美術館に行ったら、下記のようなチラシがあったのでもらってみた。
4月11日(日) 「池袋モンパルナス」を1日楽しもう
桂川 寛氏が語る
池袋モンパルナスの戦後
昨年89歳で死去した彫刻家峯孝氏のアトリエを見学した後、池袋モンパルナスの戦後
を知る画家桂川寛氏のお話を伺います。ご期待ください。
----------------スケジュール------------------
13:00 有楽町線「千川駅」改札口集合 ⇒峯孝氏アトリエ見学
⇒14:00 粟島神社(社務所)にて「桂川寛氏を囲む会」 (16:30終了)
■解 説 尾崎眞人
■参加費 2,000円 (簡単なおつまみをご用意しています。当日徴収)
桂川 寛 (かつらがわ・ひろし) 1924〜
札幌市生まれ。昭和12年札幌商業学校入学。
在学中より道展に入選。
昭和23年上京し多摩美術大学に入学(25年中退)。
24年グループ「世紀」に参加、安部公房を知る。
25年第2回読売アンデパンダン展に「開花期」を出品。
27年第1回平和のための美術展に出品。
前衛美術会に入会し、小河内村の文化工作に参加する。
翌年第6回日本アンデパンダン展に「小河内村」を出品。
同年ニッポン展の創立に参加。36年豊島区千川に転居、
隣家は山下菊二。38年日本美術会を退会、翌年前衛美術会
事務局を担当。この他第三世界とわれわれ展などグループ展、
個展多数。戦後美術における論考も多い。
これまで知らずによくそのアトリエの前の道を歩いていたのだが、そこに住んでいたと最近知った彫刻家、峯孝(みねたかし)。彼のアトリエは見たかったので、2000円はちと高いと思ったのだが、参加してみた。
参加人数はいつも10人ぐらいらしいのだが、30人ぐらいはいたような気がする。
峯孝さんのアトリエは記念館として、公開されるという。というかこの日オープン。花輪とか来てた。
狭いながらも、大小さまざまのいろいろな作品がたくさんあって見ごたえがある。
特に手のひらサイズの大量の試作が壁面の棚にぎっしりと置いてあるのがすごい。
最終形のフルスケールのブロンズ作品、フルスケールの石膏にブロンズ風の塗装をしたもの(台座に塗り残しがあるのでわかる。同行の学芸員の方に教えてもらうまでブロンズだと思ってた)、ちょっと小さい試作、頭だけの試作、とっても小さな試作などが混在していて、同じ作品いろんなサイズの試作の跡を見るというほかではあんまりできない鑑賞ができた。
また今度行ってゆっくり見たい。
個人的には熊谷守一美術館よりこっちの方がいろいろあって楽しかった。熊谷守一美術館は周りに何もなかったし、単体だと物足りないので、(私のような近所の者はともかく)ついでに峯さんのところもいっしょに見るとこの辺まで来た甲斐があると思う。
入館料をとったりするといろいろ面倒なので、入場無料という。カンパ制も考慮するとのこと。(当面宣伝もあまりしないそうだ)
開館は日・月の11:00〜16:00とのこと。場所はここ(中央のマークがついてるとこ)。http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=35.43.53.821&el=139.41.35.406&la=1&sc=2&CE.x=415&CE.y=216
時間が余ったら粟島神社の池の亀でもほのぼの眺めるとよい。
朝倉彫塑館みたいに当時の面影を残した風情ある感じではなくて、内装は綺麗に直されていたのが逆に残念。
峯孝をちょっと検索してみた。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~artnorth/sub0304.htm
2003年
4月10−11日(木、金)
訃報です。
11日の朝日新聞によると、彫刻家の峯孝さんが亡くなりました。89歳でした。
峯さんは、京都生まれ、東京在住。自由美術協会・彫刻部の長老です。
北海道とのつながりで言えば、一昨年11月に、さいとうギャラリー(中央区南1西3、ラ・ガレリア5階)で個展をひらきました。
しかし、なんといってもなじみが深いのは、1956年に大通公園3丁目に設置された彫刻「牧童」でしょう。
これは、北海道の牛乳生産量が100万石を突破したことを記念して、北海道酪農協会がたてたものだそうです(原子修著「北海道野外彫刻ガイド」)。正面の碑文には
「乳と蜜の流れる郷に」
とあります。
古きよき北国のロマンを感じさせる、質朴な作風だと思います。
また、南区の真駒内中央公園には「エドウィン・ダン像」があります。
ダンは、当時の北海道開拓使が雇った米国人で、真駒内に種畜場をひらくなど、北海道の酪農の父と称すべき存在です。この像のそばには、エドウィン・ダンの記念館があります。
やはり、原子修著「北海道野外彫刻ガイド」によると、峯さんは3年の月日をかけてダンの人間性や道内の酪農などについて調べ、64年に完成をみたのだそうです。
このほか、道内には
「奉仕の道」(札幌市中央区大通公園6丁目)
「町村敬貴」(同豊平区月寒東3の11、月寒グリーンドーム)
「牛の像」(同)
「あけぼのの像」(稚内市 宗谷岬公園)
「間宮林蔵」(同)
「春」(稚内市総合文化センター内)
「出」(同市稚内公園)
「牧童」(留萌管内幌延町役場前)
「太田寛一氏像」(十勝管内士幌町、総合研修施設)
があるそうです(札幌彫刻美術館編集「北海道の野外彫刻マップ」による)。
また、「六花亭」の包み紙などで根強い人気のある農民画家、故・坂本直行とも交友がありました。
ご冥福をお祈りします。
ああ、没後一周年だからこの日をオープンに選んだのか。いま知った。
ていうか一周忌でもあるわけだな。花輪、ある意味微妙。
当時は気づかなかったが、札幌にいたとき、峯の作品は私の視界に入ったこと何回かあるようだ。今度帰省したとき見に行ってみよう。
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「桂川寛氏が語る 池袋モンパルナスの戦後」は登場する作家の固有名詞をぜんぜん知らないのでよくわからなかった。
出てきた作家で知ってるのって、岡本太郎、靉光、リー・ウーファンだけ。
休憩後、ビールとかつまみとか出てきたので、酒飲みには2000円というのは妥当な値段である。むしろ安い。しかし私は酒は飲まないので茶を飲みながら枝豆食っていた。
参加メンバーは左翼系の人が多いようで、ベルリンの壁崩壊以降、前衛芸術は体制へのカウンターとして作るべきか否かとかそんなような話もしてた。酒が入ったこともあってみなさんけっこう熱く語っておられた。
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丸木美術館の職員の方とともに、地元のおじさんに近所の池袋モンパルナスのアトリエ跡(なくなっているところもあれば、住居になっているところもある)や、モンパルナス最後の桜の木を案内していただいた。
私が普段散歩したり椎名町駅周辺に行く際に歩いていた脇に、けっこうアトリエ跡があったりしたのだなあ。桜は花が咲いているところを見たかったが来年だな。