Linear Phase EQ

"Linear Phase EQ"は、マスタリングでよく使われる
EQなのですが、ミキシングにおいてもサウンド的に
よい結果を得られていると言われています。


この、"Linear Phase EQ"に相対するものが
、"Minimum Phase EQ"
なのですが、アナログEQ、Digital EQの殆どは、、
"Minimum Phase EQ"です。
"Linear Phase EQ"と書いていない限りは、
”Minimum Phase EQ”なのです。


EQでCut/Boostすると、特定の周波数に対し、
signal delayが起きてしまいます。"Q"が大きければ
大きいほど、そのズレが大きくなります。
その結果、音楽的にタイミングのズレ、波形の形の
変化を生じさせます。


マスタリングだと、既に2 mixになってしまっているので、
より、その変化が聴覚上わかりやすく聴こえます。
この"ズレ”を修正させたEQを"Linear Phase EQ"と言い、
それを最初に作ったのが、Weiss EQの制作者、
Daniel Weiss氏。Weiss EQは、マスタリングのスタジオ
で標準的に使われていると言っていいほど、あちこちの
スタジオで使われています。


聴覚上では、minimum phase EQは、その時間差の
影響で、”人工的なズレ"に聴こえると言われています。
対し、linear phase EQは、時間差がないため、EQ前と
後の変化が自然だと言われています。


"Linear Phase EQ”の弱点ですが、plug inだと、
CPUにより負担をかけるので、より"latency”が出るため、
Mixに使う時は、"latency Compensation”で、ズレを
修正する必要があります。


しかし、全てにおいて"linear phase EQ"が良い結果を有むとは
限らず、EQのクセにより、特定の楽器が前後して聴こえる
ことで、バランスによい結果をもたらすこともあるので、
どっちを使えばいいのかはやはり
「時と場合による」のではないかと思います。