Hatena::ブログ(Diary)

close your eyes... RSSフィード

2011-12-03

コンテンツ文化史学会2011年大会「オタク・ファン・マニア」

抜粋で。


コンテンツ文化史学会 会長挨拶

吉田正高氏(東北芸術工科大学

コンテンツ文化史学会発足の経緯。


趣旨説明

司会 七邊信重氏 (東京工業大学

コンテンツ研究の現在。

一日目「東方Project」、二日目「オタクである覚悟」。

創作者と二次創作者が同席しての発表は今までなかったかと思う。申し込みは3日ぐらいで終了し、ニコニコ生放送で配信している。

東方Projectの歴史、イベント、二次創作

参考文献:久樹輝幸『東方コミュニティ白書』(2010年)

1996〜98年:旧作シリーズ
2002年:C62 東方紅魔郷渡辺製作所が紹介
2004年:第1回博麗神社例大祭東方永夜抄、第2回東方最萌トーナメント
2005年:第1回東方紅楼夢東方文花帖
2006年:Flowering Night 2006
2007年:ニコニコ動画β、pixiv

ニコニコ動画の独自カテゴリ:東方
pixiv人気タグ:1位東方、4位ヘタリア、8位VOCALOID、9位初音ミク

東方同人誌即売会:2007年18回、2008年15回、2009年44回、2010年80回、2011年91回。


発表

DNA氏(D.N.A. Softwares)

同人ソフトウェアサークル「D.N.A. Softwares」、メンバーは常駐4人、グラフィックとサウンド担当は不在。オリジナル1本、東方二次11本、その他5本。

呑んべぇ会や黄昏酒場のお話も。

東方には、2ch(ゲームサロン板)、IRCなどのコミュニティ。個々のキャラクターにファンがいて、キャラクター数も多く話が作り易い。

東方幻想麻雀

東方は、二次創作に成人向け禁止の規定はない、商業にはある。


有馬啓太郎氏(日本ワルワル同盟)

早苗と竹本泉

東方は、二次創作を作り易い隙のような部分が多い作品だった。キャラクターの絵の妙。

キャラクター数も多く、お話の量も、世界の持っている情報も多い。

イメージの固定化がされていない。新作が投入され続けている、入って来る人達の入り口になる、二次創作が続く、人気が維持され続けている。


島村純平氏(東方紅楼夢

イベント主催。東方紅楼夢の経緯。

東方を描くに当たって、キャラクターの相関関係が最低限。能力や性格、外見に考える余地がある。受け入れる土壌が広い。

東方を見るに当たって、話の膨らませ方、キャラのからませ方、服装などのアレンジ。共通の世界観で色々な切り口。

イベントでの交流。場や時間を提供する。イベントを最大限に使い楽しんでいただきたい。

同好の志同士でそれが土台で話せる。


小此木哲朗氏(一迅社

弊社刊行物。

2次版権物の関連書籍を作ること。作品には(プレイするなど)触れる、何がOKで何がNGか見極める。2次だと思って作らない、1次や1.5次を目指す。2次では志が低い、ファンの方にとって喜んでもらえるのは1次商品の続きもしくは1次的な何かと考えている。1次著作者からどれだけ協力を引き出すか。本は生活必需品ではないので買いたいと思わせるにはどう考えなければならないのか。作家も読者も向いている。作者の下僕で読者の奴隷。

会社のPCでの神霊廟、総プレイ回数1419、プレイ時間22:39:53、クリア回数(霊夢)2。

一迅社はスタジオDNA一賽舎が前身。きっかけは、2004年に、スタジオDNAの時に「MELTY BLOOD」(渡辺製作所)関連書籍の成功から、「ひぐらしのなく頃に」の書籍 *1 を上梓。2005年、正式に初打ち合わせ(むしろこの頃は飲まずに打ち合わせしていたのに…)し、「東方文花帖」を上梓。2007年1月、「東方儚月抄」企画立案開始、(恐らくこの頃から飲まないと打ち合わせができなくなり、現在に至る)。

企画を立てる際に必要なこと。通常2次版権の場合、1次版権作品の規模の見極め、作品の理解。東方Project関連書籍の場合、編集としてはZUNさんをメーカーである以上に作家として捉えている。「企画提案→折衝→揉み合い→企画成立」。ディスカッションを通じて企画がまとまってくる。

東方Projectは基本的にZUNさんがすべてを統括・制作しているところが面白みのポイント。必要最小限の物や社会通念上不味いことがあれば軌道修正をお願いしますが、基本的に内容については極力口を出さないようにしている。東方をプレイして気持ち良いと思うのは、音楽、プログラムやいろいろ密接にリンクしている、一人で全てを統括して制作している作っているというところがある、そういうところから外れてしまった書籍を作ってしまったらファンにとって面白い物ではなくなってしまうので、最小限のことしか言わない。

商業から見た東方Project

文化史的に見た東方Projectという流行。ネットの普及とオタクになることのハードルの低さ。学校、家庭、地域社会といった地縁的な社会以外にもネットに接続すればすぐ仲間が見つかる。「覚悟の無い」オタクの誕生と増加。

ネットコミュニティの成長とニコニコ動画東方Projectが流行する第2〜第3段階ぐらいの契機だと思われる。コメントに小中学生が多いこともそれを裏付け? 商業に対するカウンターとしての東方Project? 自分達に身近な、自分達が育てたコンテンツという意識。中二的な充実感と近いところにあるのでは。緩いとか隙があるとか、すごく計算されているんですけれども。


ディスカッション

抜粋。

ZUN氏:みんなの方が良く分かってるなと、僕の方が東方のこと良く分かってないなと。

ZUN氏:二次創作し易い形と、割とそれには理由がありまして、二次創作がし易い為に作るというよりは続編も作り易いように作るというのがあるんですね。ひとつで完成させないで、他のキャラクターとちょっとこういう繋がりもあるのかなという感じにすると続編も僕も作り易い。続編が作り易いということはイコール二次創作が作り易いということなんだなってこれで再確認したかな。僕もよく作っていることは二次創作だって言っていますけれど、二次創作作り易いって言うのは当然だと思います。

ZUN氏:二次版権の書籍だと言っていましたけれど、商業書籍も一次だと思ってやっている。僕が出した紅魔郷コミカライズとかをしている訳じゃない。アレはアレでオリジナルの設定でオリジナルのキャラクターでやろうと、今まで出たキャラクターでも書籍でしか出てこないような霊夢のキャラクターがあったりする、だからあれは一次創作だと思ってる。漫画以外の書籍でも、アレも二次創作し易い、僕が続編が作り易いように、その為に作っているのが大きいと思う。

ZUN氏:東方が受けれられた理由にアンチ商法というような、商業じゃないから受け入れられたというのは、それは非常にあると思うんですよ。今でも僕が商業化するのに少し抵抗があるのはそこで、なかなか容易にテレビアニメ化とかしないのも、やっぱりそれをすることによって、ちょっとたぶん東方と違うんじゃないかって感覚になる人がいるだろうということで、逆にやり難くなる。それは僕の方の制限が入ってきちゃっているということかもしれないですけれど、それも一応周りに合わせて、やっぱりアンチ商業っぽい、実際そうでもないんですけれど、まずは商業商業しているんですけれど、そういう側面を出していくのが大切かなと思いました。


有馬氏:コミカライズしていない理由で、(略)実際やっていない理由というのはどういうところでしょうか。

ZUN氏:一言に言うと僕が創作している理由が、自分が作って楽しいということなので、既に出した物を形を変えて出すというのが面倒くさいんですよ。それを例えば自分がやってもつまらないですし、じゃぁ他の人にお任せしますとやったら自分の物じゃないですから、そしたら自分で新しい物を、コミカライズだったらコミカライズでオリジナルの設定でやりましょうと、の方が続編も作り易いですしね、自分も、やっぱそういう理由で楽しく先に繋がる様な形でやりたい、そういう理由でやってます。だからその、安易にねこのゲーム人気でたから、このゲームそのままコミカライズしますとかは避けたい、とかは最初から思っていました。


小此木氏:(文と椛の仲が悪いという設定について)伏せた状態で、答えは場に出ているんだけれど、みんなの答えが出揃って、くるってひっくり返すそのタイミングがすばらしいと思います。


有馬氏:さっき聞き損ねてしまったことなんですけれど、竹本泉さんは今もおいかけられているのでしょうか。

ZUN氏:だから飲み会で、これ飲み会じゃない飲み会じゃない。


質問者:どういった企画だったら、こう納得されるのかなと、そういう基準みたいなのってどこかありますか。

小此木氏:まぁ基準は、今ほんとZUNさんがタイミング良く言ったんですけど、ZUNさんが面白いとおもうかどうかが全てだと思いますね。

ZUN氏:だいたい小此木さんから持って来た企画が面白くないから。

小此木氏:はーい、そうですねーそうですねー。

ZUN氏:しょうがないから作り直す。

小此木氏:はーい、そういうことにしましょーね。

ZUN氏:小此木さんが持ってくる企画、普通の企画なんだもん。

小此木氏:いやいやいや、普通じゃないのを持っていっても、それはそれで困るじゃないですか。

ZUN氏:まぁ困りますけど。

小此木氏:まぁ要するにそのスクラップフィールドの土台みたいなですね、要するにそのカウンターなんですよね、こっちが持ってきた企画そのものがまず、つまりこれがないからこうしようかとか、じゃあどうして行こうと、今もまさにそんな感じにねやっていますね。

質問者:ZUNさんはどうして小此木さんとお仕事をされている、どういうところが良いなぁと思って仕事をされている。

ZUN氏:良いって、僕の方から選べませんからね、編集の会社を選んだ訳じゃないので。

小此木氏:チェンジって言って頂ければ、明日から。

ZUN氏:お酒が飲めない人は困ります。

小此木氏:まぁ大体飲めるんじゃないですか。

(と、突如、二軒目ラジオの雰囲気に)


小此木氏曰く、忙しい時に6時に打ち合わせして「おはようございます」で飲んで食べて血糖値を上げて頑張ってもらう必要があるらしい。


以下、雑に要約。

質問者(池田氏):ニコニコ動画とか原作に触れないで二次創作作品だけを楽しんで更に二次創作作品を楽しむ人というのがいるがどう思われているのか。

ZUN氏:癖のあるゲームでSTGをみんながやれるとは思っていない。何割か原作を買ってくれるというのであれば嬉しい。ゲームをプレイしてから楽しむ物とは思っていない。

質問者(藤本氏):商業作品でも商業的な二次創作じゃないか、それで東方を知ってもらえればそれでいいんじゃないかという物との線引きは。作るのが楽しいということで、これぐらいの手応えだからここで留まりたいとか基準があれば。

ZUN氏:商業は二次創作と見做されないと思う部分が怖いというのがある。自分が作ったというのがぶれてしまう。売る時に手応えを感じる、それ以降は忘れてしまう。マスターアップした時に満足感を感じる、できなかった部分は次回作に回そうと。

質問者(近藤氏):東方拡散した背景にインターネットは避けられないと思うがその認識は。コミケ東方関係が微減、市場が縮小して行くのか出版としてはどう思うか。

小此木氏:ニコニコ動画がきっかけとしてブレイクしたかというと否定はしないが、若年層の東方Projectのファンのサイクルを作ることに大きく寄与している。商業作品としての書籍の売り上げとしてみると、文花帖の本を刷った時点で「MELTY BLOOD」とほぼ同じ部数刷っておりました。「ひぐらし」も同じぐらい、「ひぐらし」の方が多かった。求聞史紀で文花帖の1.5倍ぐらいに増えていたのですけれど、商業としてもう十分に大きかったと思います。それ以上に大きくなっていくきっかけにニコニコ動画も寄与したと思いますけども、毎年出るとか、関係性に隙間があるといったことも必ずしも無視できるものはないですし、どれが欠けてもいけなかっただろうし、それこそ偶然の産物的なところもあった思います。ニコニコ動画は大きな要因のひとつであったと思います。

小此木氏:サークル数で計るという方もいらっしゃると思います。ZUNさんが終わるといった時に終わる物だと思います。先ほどの話に東方の前は葉鍵が常識的なタームだったよねという物があったと思いますが、そこと東方の盛り上がりに関連性があるのではないかと思います。美少女ゲーム取って代わったのはライトノベルだったというのが私の考えで、ライトノベルアニメに取って代わられようとしている、そういう商業のカウンター的なものになっているのではないか。


DNA氏:コミケットでスペースが減った件なんですけど、個人的にはタイガー&バニーのジャンルが膨れてその分スペース食ってるだけじゃないのというのがあって、今回一回で、増えた減ったを語るのは非常に不味いなと。

ZUN氏:申し込んだ人が全員当選って訳じゃないですからね。

DNA氏:他のジャンルとの兼ね合いで常にコミケットのスペースは、一定の食い合っている状態なので、どっか一箇所だけ増えたらそこだけたくさん落選という訳にはいかないのは間違いないので、数回見てこうグラフ並べて見ないとなんとも言えないかなぁというのが個人的な印象であります。今回微減といっても他のジャンルがどれだけ膨れたかも見てみないとなんとも言えないかなぁ。


ZUN氏:今は安定期、増えた状態。少子化もありますので、新しいサークルは減ってくる、コンテンツ、ゲームとか全てにも言えますけど、ネックになる。今はマックス、丁度良い状態なんじゃないかなと後は、熟成されて行くだけじゃないですかね。

小此木氏:コミュニティの形成が加速されているのではないか。「まどか☆マギカ」もそうですし、アニメオリジナル作品に力が入れられている。


質問者:幻想郷に電気はあるのか。

ZUN氏:電気、あるんじゃないですかね。現代と変わらないと思っていいです。


「一緒に飲んだから分かるんですけれど、(懇親会の飲みで)ZUNさんについて行こうなんて思わないことですよ」

*1ひぐらしのなく頃に -特別編- 雛見沢村連続怪死事件私的捜査ファイル(仮)

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Agano/20111203/p2