コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

日本人は個性にとぼしい、という神話。

たとえば、こういう発言についてどう考えるか。

黒人は知能がひくいので、頭脳労働にむかない。

人種的偏見にみちたたわごとに聞こえるだろう。実際そうだ。
日本人と個性の神話もにたようなものなのだ。この神話の発生と伝播の過程は大体次のようだったろう。
まず、欧米人にはアジア人のみわけがつきにくい。ほら、よくおばあちゃんが「外国の映画はつまらない。外人がみなおなじ顔にみえるから」というでしょう。あれの逆バージョンだ。日本人ならそれを、自分たちが見なれていないだけだとおもうのだが、欧米人(の一部)は自分たちがアジア人より高級だという証拠をつねにもとめているため、日本人に個性がないせいだと考え、さらに失礼にも当の日本人にまで忠告したりする。
他者の発言に謙虚に耳をかたむけるという美風をもつ日本人はそれを真剣にうけとめ、反省してしまう。
さらに、「自分には普通の日本人と違い個性がある」と信じるエセ毛唐の評論家などが尻馬にのり、この、なんの根拠もない妄説がまかりとおってしまうのだ。
あげく、「個性をのばす教育」などという、形容矛盾もはなはだしいものを理想だと称揚する。病気だよ。