機動戦士ガンダムOO第5話感想「限界離脱領域」

 今回のテーマは「人間の生存を許さない宇宙の清浄さ(=神そのもの、或いは自然の厳しさ)」に対して、沙慈君達中心の前半では「宇宙の怖さ」を描写し、アレルヤ君達中心の後半では「目の前にいる人を救いたい」という、ソレスタルビーイングの理念と逆の願いの描写。(冒頭でマリナさんも言及してたりしますけど)

MS IN ACTION!! ガンダムエクシア

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宇宙の怖さを知る子供達

 この作品で描かれる「宇宙の美しさ」というのは、地球上の喧噪が見えない為に、世界を単純に捉えられる事や、「人間の生存を許さない宇宙」だから、そういた喧噪が無くて、それらが嘘のように澄み渡っていて非常に綺麗に見えるのです。

「その気持ち、わかります。地球はゴタゴタしていますから。」

「ねえ沙慈、見て見て!」
「綺麗ね。」
「うん。ホントに。」
「映像で見たのと全然違う。」
「うん。」

 でも、「人間の生存を許さない」から、何かがほんの少し狂ってしまえば、今回の事件のように、人間の命なんて簡単に塵に変わってしまう。一度地球を出てしまえば、重力さえも凶器に変わってしまうのです。

「やっぱり、重力があるって最高。」
「そうだね。」

 この数分後に「最高」な重力の所為であんな事になるとは、その時の僕達は思いもしなかったのだ。(バカ)

目の前にいる人を救いたい

 沙慈君達が擬似的にソレスタルビーイングに近い視点を経験する描写のように、宇宙から見た地球は綺麗で世界は単純に見えるんだけど、その視点からは「一人一人の人間」は見えないワケです。特にティエリアさんの視点はこれに偏っていて、「一人一人の人間」よりも「人類の未来」を優先させています。

「適正に欠ける者をガンダムに乗せるべきじゃない。」

 それに対してスメラギさんは「あなたはどうなの?」と苦言を呈するワケです。
 ティエリアさんの視点はソレスタルビーイング原理主義とでも言いましょうか、なんとも極端なんですが、その視点から行くと、今回のアレルヤ君やスメラギさんがソレスタルビーイングのプランを台無しにしてしまうような行動をとったのは、「一人一人の人間」を見ている点でソレスタルビーイングの方針から大きく反れてしまうのです。
 それでも何故アレルヤ君が救助に向かったかと言えば、その理由は冒頭でマリナさんが言っています。

「一つだけきいてもいいかしら?何故この役目を引き受けたの?」
「決まっています。私にしか出来ないからよ。」

 アレルヤさんもセルゲイさんも、あの場所でサジ君達を助ける事が出来るのは自分達しかいなくて、「目の前にいる人を救いたい」と思ったから動いたのです。
 これから、刹那君がマリナさんを守りたいと思う事になる事は容易に想像できると思いますが、その時に刹那君を悩ませるであろう事が正にこれ。「一人一人の人間」か?「人類の未来」か?さて、刹那君はどっちを選ぶのかな?(ニヤニヤ)

ソーマさん

 今回を見てて思ったのはソーマさんは多分萌えキャラなんだと言う事。

 まずは前半、ソーマさんの背景が語られるのですよ。

「志願はしていません。私は超兵計画の為に生み出されたデザインベイビーです。」

 また、全速力で走っているのに息一つ切らしてなかったり、高スペックのMSを顔色一つ変えずに操縦したりと、まさしく超人ぶりを見せてくれるのですが、その一方で彼女はナノマシンなどの肉体処置を加えられる為だけに生まれてきた存在で、人権なんて概念すら消えた人でなし共の中で育ってきたのです。

 それが、後半でアレルヤ君と√☆っぽい何かで感応してしまったソーマさんの慌てっぷりのギャップに切り替わる瞬間が堪りません。(バカ)

「くそ、どこのどいつだ!勝手に俺ん中に入ってくるのは!」
「貴方は、誰!?」
「てめえ、殺すぞ!」
「いやー!!イヤー!!イヤー!!イヤー!!イヤー!!イヤー!!イヤー!!イヤー!!」

 こんなガラの悪そうな兄ちゃんと直接頭が繋がってしまっては、花も恥じらう女の子としては当然の反応なのではないでしょうか。だからってライフル乱射するのは無しの方向で。

 ガンダムでここまで狙った萌えキャラを出すというのはすごい挑戦だと思うんです。来週以降も少尉が子供らしい所を見せてくれるのが楽しみです。(外道)

「しかし、彼女はまだ乙女だ。」

 いやあ、全くその通りですねぇ。(腐れ外道)

セルゲイさん

 ソーマさんがガンダムOOの清涼剤なら、セルゲイさんはいぶし銀。

「しかし、彼女はまだ乙女だ。」

「私にも、恩を感じる気持ちぐらいはある。」

 決してお堅い軍人さんではなく、ソーマさんをこんな風にしてしまった周りの大人達に怒りを感じたり、「人命」の為にガンダムを曝したアレルヤ君を敢えて逃がしたりと、恰好良すぎる描写が続きます。

「見捨てるしかないのか、200人以上もの人間を!
空は、何故にこうも無慈悲なのだ!」

 でも、これがセルゲイさんの立ち位置で、「地に足を付ける(=現実主義者)」のセルゲイさんは、ソレスタルビーイングガンダム一つで殲滅して済まそうとする所を逃げずに立ち向かっているキャラ。恰好良過ぎです。
 でも、この先きっと、ガンダムマイスター達は、セルゲイさんの人柄は知っていても戦わなきゃいけない状況になるんだろうね。

アレルヤ

「好きなんですよ。上から地球を見るのが。」
「その気持ち、わかります。地球はゴタゴタしていますから。
ソレスタルビーイングなんて組織も出てきますし。」
「ホント、嫌だよね。」

 アレルヤ君の「好きだ」という言葉に対して添乗員さんは、そういったのが煩わしくて「分かります」と言ったんだと思うんですが、アレルヤ君の場合は、恐らく超人機関でも人として扱って貰えなくて、更に「人間の生存を許さない宇宙の清浄さ」で「地獄」を見て、それでもなお「好きだ」と言ったアレルヤ君の本心は分かっていない感じ。

「俺達は、死ぬのか!?」
「いやだ!死にたくない!」
「俺を殺せ、アレルヤ!」

 親友を食べたのか、酸素を一人分にして助かったのかは分かりませんが、アレルヤ君の見たのは正に「地獄」だったのです。

「貴方には分からないさ、宇宙を漂流する者の気持ちなんて。」

 「地獄」を見たからこそ、「一人一人の人間」の気持ちが分かってしまう。この辺は刹那君と共通しそうな所ですね。
 そしてラスト、

ソレスタルビーイングに失敗は許されない。
それに、ガンダムマイスターは一人じゃない!!」

 ストラトス兄貴ー!!地上からの狙撃とか有り得ないとか、GN粒子何でもアリとかそういう細かい事忘れる位恰好良い「仲間パワー」で救出成功。
 今回の刹那君は筋トレと露払いの描写だけだったのが寂しそうでした。(ドクロ)

 あと、アレルヤ君が二重人格だったのはびっくりしまた。

 アレルヤさんは顔半分を髪で隠していますが、これを「何か隠している」という事のメタファーとして捉えていいのかなぁ?

http://d.hatena.ne.jp/AlfLaylawaLayla/20071020/1192883171

 一応髪のメタファーは正解だったけど、アレルヤ君いいヤツじゃん!という感じで、「実は悪いヤツ」とか思っててごめんなさい。

次回予告

 機動戦士ガンダムOO第6話「セブンソード

DAYBREAK’S BELL

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HG 1/144 GN-002 ガンダムデュナメス (機動戦士ガンダム00)

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FG 1/144 GN-001 ガンダムエクシア (機動戦士ガンダム00)

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FG 1/144 GN-005 ガンダムヴァーチェ (機動戦士ガンダム00)

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ガンダムコレクション00 (BOX)

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1/400 プトレマイオス 【初回版】

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HCM-Pro 45 ガンダムデュナメス (機動戦士ガンダム00)

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