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Apes! Not Monkeys! はてな別館

2006-08-28

[]「ごぼうを捕虜に食べさせて有罪になったB級戦犯」は都市伝説?

「ごぼう 戦犯」でググるとたくさん出てくるのが、「連合軍の捕虜にごぼうを食べさせたところ、木の根を食べさせた虐待だとして戦犯として訴追され、有罪になったケースがある」というはなしである。実はこのはなしは、子どもの頃に母親から聞かされたことがあった(母親は「木の根」ではなく「木の皮」と言っていて、ささがきにしたのであれば「皮」の方がぴったりくるような気もするが、まあそれはどうでもいいはなしである)。もし「東京裁判史観」なるものが存在するとすれば、それは「戦争に負けた以上A 級戦犯が裁かれるのはしかたないが、BC級裁判には不当な判決が多かった」という認識を核にしているのではないか、と私は考えているのだが、このエピソードはいわば「不当な戦犯裁判」の象徴として語られているわけである。

だがちょっと考えれば、どうもこのはなしは妙である。まず第一に、ごぼうに関する誤解を解くのがそんなに困難であるとは思えないこと。仮にそのようなことが訴因として挙げられたのであれば、当然被告側も反論したはずである。ごぼうはともかく根菜を食べる食習慣は欧米人にもある。戦犯裁判に関わるだけの教養のある人物が、「国が変われば食材も変わる」ことを理解できないとは到底思えない。「その無理が通るのが復讐裁判たる所以だ」と反論があるかもしれないが、仮に裁判の動機に「復讐」があったところで連合国は「裁判」という手間ひまかかる手段をとることを選択したのである。自分でも無理と思っている判決を押し通してわざわざ裁判の正統性を貶めるようなことをするとは思えない。

またB級戦犯裁判については、判決後に上級機関が裁判内容をチェックする手続きがとられており、このプロセスで減刑されたケースは相当数にのぼる(林博史、『BC級戦犯裁判』、岩波新書)。例えばアメリカ軍が主催したB級戦犯裁判でもっとも規模が大きかったのは横浜裁判であるが、そこでは124の死刑判決が出たのに対して死刑確認は51件で、半数以上が減刑されていることがわかる(さらに、死刑判決についてはマッカーサーの承認も必要とされていた)。それなりに慎重を期して刑を執行しようとしていたことがうかがえる。

第3に、捕虜虐待の典型は殴打等の身体的虐待、過酷な労働の強制、劣悪な生活環境などであろうが、およそ「木の根=ごぼうを食べさせた」ことが唯一の訴因で有罪判決を出すなどということは非常に考えにくい。他にもっと深刻な虐待の事例をとりあげることができたはずだからである。


 さて、自分でもなぜだか説明できないのだが、この件が急に気になりだして調べてみた。ネット上の記述をみてみると、そのほとんど(というよりすべてと言ってもよい)が「〜ということがあったそうだ」という形式をとっていること、はなしの細部に細かな食い違いがあること(アメリカ軍捕虜とするものが多いが、オーストラリア軍捕虜とするものもある)、肝心の戦犯の氏名を初め具体的な情報を欠いているものが多いこと(最も具体的な情報で「陸軍中尉」とか「横浜裁判で」といった具合)など、都市伝説の特徴を備えている。そうしたなかで、興味をひく情報がいくつかあった。 まずは昭和27年、第015回国会参議院法務委員会の議事録である。「戦犯者の釈放及び減刑等」が議題になっているのだが、そこでの政府委員の答弁のなかに次のような一節がある。
(…)裁判のときには相当国情が違い、日本の事情を知らない人が裁判をしたため不当と言えば不当と言える裁判があるのだ。一例としては、俘虜収容所の所員が、終戦真際食糧が非常に不足している。併しこれに対してできるだけいい食物を与えたいというのでごぼうを買つて来て食わした。その当時ごぼうというのは我々はとても食えなかつたのだ。我々はもう大豆を二日も三日も続けて食うというような時代で、ごぼうなんてものはなかなか貴重品であつた。そのごぼうを食わしたところが、それが乾パン代りに木の根を食わして虐待したというので、五年の刑を受けたという、こういう例もあるのだという話をしましたが(…)
政府委員がいうことだからまさか事実無根ということはなかろうと思うが、ネット上では「無期懲役」とされているケースが多いこと(例えばここ)とまずは大きな齟齬がある。またごぼうの一件が数ある訴因の一つだったのか、それとも全てだったのかは不明である。
 次に、固有名詞を含む具体的な情報が存在しているのが、「人力検索はてな」でのこの件に関する質問への回答である。そこには直江津収容所の職員、またそれとは別に村山有氏という人物が特定されており、また東京裁判の弁護団副団長であった清瀬一郎の著書『秘録 東京裁判』(中公文庫)にもその件に関する記述があるとされている。だが、村山氏に関する情報源としてあげられたサイト(現在は閉鎖されているがキャッシュが残っている*1)には「村山も同僚の捕虜に告発され戦犯容疑者としてGHQに逮捕された」という記述があるものの、起訴された、有罪になったという記述はない。アメリカで高等教育を受けたという村山氏がきちんと反論できなかったとは到底思えないのだが…。また清瀬氏が著書に記しているというのは、「裁判手続き」という章のなかの「翻訳問題」という節で次のように書いていることを指している。
ある俘虜収容所では、米人俘虜に雄牛の尾を食わせたということで、問題を起こしたことがある。これは牛蒡をオックス・テイルと翻訳したことより起こったこととわかった。また他の収容所では、毎度スープの内に腐った豆を入れたということで不平が出た。これは豆腐をロツン・ビーンズと翻訳したことに基づくものであることがわかった。牛蒡も豆腐汁も、日本人の感覚ではまずごちそうのうちである。
「オックス・テイル」が問題になったというのはちょっと妙なはなしで、牛テイルはシチューなどに使う食材である(私も好んでつくる)。また仮にこうしたことがあったとしても清瀬氏自身述べるように所詮は「翻訳問題」であり、簡単に申し開きがつくはずのことである(清瀬氏も、その結果有罪判決が下ったとは書いていない)。
 残るは直江津収容所での「虐待」事件であるが、この事件を扱った上坂冬子の『貝になった男 直江津捕虜収容所事件』(文藝春秋)には、収容所長の反論が紹介されており、そのなかになるほど「木の根を食べさせたと訴えているのは牛蒡のことで、これは日本では立派な野菜であり、高価なものなのだ」という一節(引用ではなく上坂氏による要約だが)がある。これから判断するに、元捕虜たちがごぼうを木の根と誤解し、虐待の一例として訴えたという事実それ自体は確かにあったようである。だが、判決でもそれが虐待として認定されたのかどうかは不明であるし、なによりごぼうの一件は数ある訴因の一つに過ぎない。絞首刑になった収容所の職員(収容所長は死刑にはならなかった)は捕虜を殴打したこと、体力の限界を超える労働を強制したこと、劣悪な衛生環境を放置したこと(トイレを歩いた後の靴を舐めさせた、といった虐待も含まれる)などで訴えられている。被告たちも殴打などの事実は否定しておらず、300人のオーストラリア人捕虜のうち、60人ほどが死亡したとされていることを考えれば、ごぼうの一件が万一判決にも採用されていたとしても、数ある虐待の一つとしてとりあげられたにすぎないことがわかる。もちろん、過酷な労働の強制、劣悪な栄養状態・衛生状態に関して収容所の現場職員の責任を問うことがどれだけ正当であるかは、また絞首刑という量刑が妥当であったかについては大いに議論の余地はあるものの、虐待の事実そのものは確かにあったし、他方で「ごぼうを食べさせた」はせいぜい虐待の一例としてあげられたにすぎず(判決でも採用されたかどうかについては判断を保留)、少なくとも「ごぼうを食べさせたからという理由で有罪になった」とは到底言えそうにない。事実無根とまでは言えないまでも、ほとんど都市伝説化していると言って過言ではないと思う。戦犯裁判の不当性を主張するなら、曖昧な根拠で戦犯裁判を非難することも辞めるべきであろう。なお、上坂冬子の『貝になった男』には、基本的な点で戦犯裁判に関する事実誤認があり、「連合国による戦犯裁判を認めない」という彼女の主張の説得力を大いに損なっている。だいたい、ポツダム宣言には戦争犯罪人を裁くという一項が含まれていたのであり、日本はそれを受諾して降伏したのであるから、「勝者による一方的な裁判」というのはそれこそ一方的な誹謗であろう。法的根拠に問題が残る「平和に対する罪」とは異なり、捕虜への虐待は異論の余地のない戦争犯罪だからである。

追記:このエントリの趣旨は「上坂冬子の『貝になった男 直江津捕虜収容所事件』(文藝春秋)にこの話が載っている」というよりもむしろ、『貝になった男 直江津捕虜収容所事件』には「ゴボウを捕虜に食べさせたというだけの理由で戦犯裁判で有罪になった人物がいる」という話が載っていない、というものです。

*1http://64.233.167.104/search?q=cache:IX1dYV-IpksJ:www.ne.jp/asahi/kami/asi-pon/30.html%20戦時下の信州人移民 %20村山有&hl=ja&gl=jp&ct=clnk&cd=1&lr=lang_ja&client

fractionfraction 2006/08/29 20:17 私も母親から聞かされました。ただ母の話では南方諸島での出来事、との
ことだったのでカロリー0の贅沢品を植えるはずはない、と反論したのを思い
出します。ネット時代になって自分でも検索して、ごぼうに関する農業関係の
サイトで直江津事件を知って「なるほど」と思った次第です、まあこれだけが
重罪要因になるとは思いませんでしたが、私としてはそのような話が一応あった、
ということでそれ以上調べませんでした。
 最後に。私よりずっと英語に詳しいApemanさんに言うのもなんですが、
もしかしたらオックステイルとはナニを意味するのではないか、そして肉食
民族でもナニを食べる事は色々憚れるのでは無いか?と妄想致しました。

ApemanApeman 2006/08/29 21:08 やはり戦中世代、およびその直後の世代ではよく語られたエピソードのようですね。食材に対する抗議そのものは各地であったのかもしれません。
oxtailにペニスを指すスラング的な用法が当時あったのかもしれませんが、英和辞典には普通に「牛の尾」とされています。それに、現物を見ればゴボウがペニスと誤解される余地はないでしょうから、現時点では清瀬氏の記述は伝聞に基づく語法ではないか、と想像しています。

黒的九月黒的九月 2006/08/29 21:52 私は漫画版のはだしのゲンで読んだだけですが、BC級戦犯裁判の話では、牛蒡の他にも高価な艾を買ってきて鍼灸治療を施してあげたのに、火傷を負わされる虐待を受けたと訴えられるという描写もありました(これは牛蒡ほどポピュラーではないと思いますが)。 連合国の誰もが鍼灸治療を理解できないというのもちょっと考えられないのですが。

ApemanApeman 2006/08/29 22:33 そのはなし、私も聞いた覚えがありますが、実際にお灸は折檻の手段としても用いられていたわけで(実は私もされたことがあります…)、虐待だと誤解されるのは無理からぬところだと思います。ゴボウの一件と同様、お灸だけが理由で有罪になった戦犯がいるとはちょっと考えにくいですが。おっしゃる通り、きちんと調べれば「少なくとも主観的には治療のつもりであった」ことは欧米人にも理解できたはずですし。もっとも、昭和50年代にジャイアンツに在籍した某アメリカ人選手も、鍼灸治療を強要されたことについて苦情を言っていますから、予備知識もなく調査も行っていない当時の欧米人なら「虐待」と理解しただろうことは推定できます。

mushimorimushimori 2006/08/29 23:14 はじめまして。僕もまんが『はだしのゲン』でごぼうを食べさせて有罪になった戦犯のエピソードが出てきたことを記憶しています。いままでずっと事実だと思っていました。認識を改めます。

ApemanApeman 2006/08/30 11:40 ベースにはなんらかの事実があったと思われるのですが、なにしろ被告の名前や正確な量刑さえ不明なまま流布しているわけで、少なくとも戦犯裁判批判としてフェアでない、ということは言えるかと思います。

otooto 2006/08/30 23:52 うちは新潟日報とってるんですけど、この話読んだことあります。
本になってる上野さんの連載分じゃなくて、それとからめた出版後の記事だったような。うろ覚えですけど。
新聞社に聞けばもう少し詳しいことわかるかも知れませんよ。

ApemanApeman 2006/08/31 00:16
otoさん

>新聞社に聞けばもう少し詳しいことわかるかも知れませんよ。

ご教示、どうもありがとうございます。余力があれば(個人的な思い入れもあるので)追及したい件ですので、参考にさせていただきます。

田中田中 2006/09/01 17:44 ごぼうの話は、たしか「山河燃ゆ」で市川染五郎がゆってました。山崎豊子の原作にその台詞があるのかは不明。

ApemanApeman 2006/09/01 21:32 田中さん

ゾロゾロと事例が出てきますね…。どれほど人口に膾炙したはなしであったか(にもかかわらず、具体的かつ正確な情報に欠けているか)想像がつくというものです。

BarBar 2006/09/01 22:22 たぶん、年代別に「ゴボウ伝説をどこで聞いたか」を調べると面白いんじゃないかと。「アホバカ分布図」みたいに。

とりあえず30以下は
「はだしのゲン」
で決まりでしょうが。

息抜きコンテンツとしてどうでしょう。って、手間のかかること息抜きと称して押しつけるなっ!

ApemanApeman 2006/09/01 22:53 Barさん

新展開がありました。9月1日づけのエントリをどうぞ。

BigHopeClasicBigHopeClasic 2006/09/09 14:26 はじめまして。オックステイルの話に興味を持ちましたが、こうは考えられないでしょうか。
当時の日本人は、牛の尾を食べるということが一般的でなかった。そのため、当時の日本人一般にゲテモノであるという認識があり、西洋人にとってもゲテモノであろうと日本人が勝手に「牛の尾」を食べさせたことが虐待だと思った。
一方、肉食文化が定着している米人にとっては、ox tailと言われて当然牛肉を連想したところ、似ても似つかぬ「木の根」「木の皮」がでてきた。日本軍は捕虜に対して子供騙しのウソをつく悪逆非道の組織だ。

裏付けはないのですが、そうしたコミュニケーションの齟齬があったとすれば、オックステイルを巡る翻訳の問題があったことを理解する一助になるのではないかと思いました。

ApemanApeman 2006/09/09 15:32 こんにちは。もともと清瀬氏のはなしが曖昧で、戦争中に「問題になった」のか戦後に「問題になった」のかもよくわからないんですよね。ゴボウの説明に困った日本人職員が「オックステイル」と言ってしまったのか、アメリカ軍の通訳が漢字表記から誤訳したのか…。

>ox tailと言われて当然牛肉を連想したところ、似ても似つかぬ「木の根」「木の皮」がでてきた。日本軍は捕虜に対して子供騙しのウソをつく悪逆非道の組織だ。

これはあり得るはなしのように思いますね。

こういうのって、裁判資料が電子化されて一般公開されていればあっという間に解決するんですけどねぇ。

わらばーわらばー 2007/01/01 13:18 はじめまして。ある本の感想を書いていて食文化の違いということから「ゴボウで有罪」が本当なのか気になって検索してこちらのサイトを拝見させていただきなるほどと思いました。直接ゴボウの件とは関係ないんですが、私のブログ記事にこちらの記事をリンクさせていただきました。
http://blog.so-net.ne.jp/warabaa/2007-01-01

bat99bat99 2007/01/02 08:59 今頃になってですが、「日本軍の捕虜政策」にゴボウを食べさせたことが木の根を食べさせたこととして起訴状に書かれたという人のインタビューが載っていました。東京俘虜第八分所の浅香敏則所長という方で、引用は私のプログに書いておきました。

bat99bat99 2007/01/02 09:03 修正
東京俘虜第八分所×
東京俘虜収容所第八分所○

ApemanApeman 2007/01/02 09:17 そこは以前に立ち読みした際にちょうど読んだところです。起訴状の原文がどうなっていたかにもよりますが、ゴボウは確かに「根」だし昆布は「海藻」ですから、米軍側も日本人にとっては食材であることを理解したうえで、なおかつ給養が不十分だったと告発された可能性がありますね。
「物資がなかったんだからしかたないじゃないか」で片付けるひともいそうですが、食料に関しては「あるところにはあった」が実情のようです。多数の餓死者を出したインパール作戦の時でさえ、後方にいけばそれこそ腐らせるほどあったそうです(従軍記を調べていたら載ってました)。前線まで運ぶ手だてがないだけで。敗戦時にガメた軍の物資を売って大もうけした人間がいる、というはなしもいろんな回想にでてきますし。つまり分配の問題なんですね。もちろん、収容所長レベルではなくもっと上の人間が本来責任を負うべき問題ではありますが。
ちなみに、ようやく年末に買いました>『日本軍の捕虜政策』。

通りすがり通りすがり 2007/08/25 02:47 でも 今になって誰も事実は本人のみぞ知る なので
ほんとうに 虐待をしておらず、ゴボウ(ごぼうに限らず文化の差異誤認)で虐待扱いされて
刑を処された人もいる「かも」しれないですね
いない「かも」しれないし・・・

どちらにせよ今更『言い切れない』というところで
憶測や空想の話ですね

ApemanApeman 2007/08/25 10:27 「憶測や空想の話ですね」と結論するまでにあなたは一体どれだけの調査を行なったんでしょうか? 少なくとも現在公開されているBC級戦犯裁判の記録をすべて調べない限りそんなことは言えないはずですが?

通りすがり通りすがり 2007/08/25 23:13 でわお尋ねしますが
貴方の主張を 確実にそうだったと言い切れますか?

結局は 自分の目で見たわけでもなんでもないから「憶測」だと言わざるを得ないでしょう?

書いたモノを読みました 人から聞きました
では信憑性はないのではないでしょうか?ということですよ
それなら お化けを友達が見ました でも事実になっちゃうっす・・・^^;

ってか別に非難でも誹謗中傷でもなんでもないんですけどもね・・・
ただ「言い切れない」んじゃないでしょうか? というお話です。

ApemanApeman 2007/08/25 23:59 >貴方の主張を 確実にそうだったと言い切れますか?

ええ。私の「主張」の核心部分はなにごとかを「断定」しておらず、ネット上に見られる「ごぼうを捕虜に食べさせて有罪になったB級戦犯」に関する情報があやふやだ、というものですから。その点に関する限り「確実にそう」だと言えます。

>結局は 自分の目で見たわけでもなんでもないから「憶測」だと言わざるを得ないでしょう?

私はネット上に見られる「ごぼうを捕虜に食べさせて有罪になったB級戦犯」に関する情報については自分の目で見たんですよ。その結果をBC級戦犯裁判に関する専門家の研究と照合すれば、「あやふやな情報だ」という結論は出せます。あなたまさか、私が「ごぼうを捕虜に食べさせたことが戦犯裁判の訴因になった事など金輪際ない」などと主張している、とか勘違いしてませんか?

>ただ「言い切れない」んじゃないでしょうか? というお話です。

私が言い切っている部分と言い切ってない部分をちゃんと区別して読んでください。そもそもエントリタイトルに「?」がついてるんですが、気がつきませんでしたか?

メロンジュースメロンジュース 2009/09/02 22:16 東京俘虜収容所第四分所の片山謙五伍長だったと思います。
 彼は食料調達・支給の責任者でして、病死者60名の食料配給を罪に問われまして禁錮20年(再審で17年)の判決を受けました。
 この事件は昭和17年から18年の冬が大寒波の最中に起きたものです。東京俘虜収容所第四分所は新潟県にある捕虜収容所でして、寒波のためにオーストラリア兵60名が肺炎で亡くなりました。その調書や証言の中で食い物として木の根を食わされたという内容があるのです。実際は、本部から支給される食料では量が足りないため、片山は肉類・小麦・米を苦労して確保しました。奥さんも献身的で、片山家の配給の米を分けたり、農家にお願いして牛蒡を含めた食料の確保を行ったのです。

 尚、この収容所では計8人が死刑となっています。
  柴野忠雄准尉
 捕虜虐待の総指揮として死刑。実際は燃料の確保などに奔走

  青木勇次曹長
 捕虜60名に対する治療を怠ったり皮膚に可燃物を押し付けて虐待した罪で死刑。実際は本部に軍医の追加派遣をお願いしたり、盲腸で死に掛けた捕虜を嫌がる病院を口説いて治療してもらったり、脚気で動けなくなった捕虜をお灸で治療してやったりした。

  柳沢章・関原政次・鈴木吉博・大日向博・牛木栄一・秋山米作軍属
 何れも捕虜に暴行を加えたりした罪で死刑。軍属とは戦場で目を失った人・左手が不自由な人・脚を大怪我して歩行困難な人の再雇用として捕虜収容所のお手伝い業務をさせていたもので、虐待をするだけの運動神経を何れも持っていない。
-------------------------------------------
引用ですまないのですが事の真相じゃないでしょうか?
(なお極東軍事裁判で有罪になったかどうかは私は知りません、当時の記録が公開されていると思いますので検証よろしくです)
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3395418.html

ApemanApeman 2009/09/03 01:34 メロンジュースさん

なぜいまごろ? と思ったらこのエントリが紹介されていたんですね。
ご提示の「教えて!goo」の回答者は、傷痍軍人というだけで「虐待をするだけの運動神経を何れも持っていない」と断じるなど、明らかに暴力のなんたるかを理解していませんね。対等な立場でリングにあがって殴った、というはなしではないわけですよ。

alcalc 2010/10/10 01:07 はじめまして。
捕虜にゴボウを食べさせて有罪判決を受けたというヨタ話が気になり
色々と検索しているうちに、たどり着きました。

この手の話は、事の真偽はともかく
いわば「不当な戦犯裁判」への反発心から
象徴的なエピソードとして語られているのでしょうね。

捕虜虐待は明らかな国際法違反であり、その点については
異論の余地のない戦争犯罪であるとしても
じゃあアメリカは、非戦闘員の居住区域(工場や港などではなく)に
無差別的に焼夷弾をばら撒いたりしたのに
犯罪として裁かれたかというと、そうではないし
結局は敗戦国だけがそうやって、有ることも無いことも裁かれたわけですしね。
そこに不公平を感じるのは日本人の心情としては仕方ないように思います。

ネット上などに転がっている「ゴボウで有罪うんぬん」という話が
根拠不足、あやふやだという点は同感です。
ただ、こういったヨタ話がいまだに語り継がれているくらいに
戦勝国により敗戦国が裁かれるなんてこと自体が不当そのものであり、
また当時の日本人が屈辱に感じていたのはおそらく事実でしょう。

>だいたい、ポツダム宣言には戦争犯罪人を裁くという一項が含まれていたのであり
日本はそれを受諾して降伏したのであるから
「勝者による一方的な裁判」というのはそれこそ一方的な誹謗であろう
…というのはいかがなものかと思いますが。
ポツダム宣言の中に明示されていて日本がそれを呑んだのだから
戦勝国が敗戦国を裁くこと自体は妥当なんでしょうか。
承知で降伏したくせに後になって文句言うのはどうなのという理屈なら分かりますけども
日本人があの裁判を勝者による一方的な裁判だと解釈したとしても
「一方的な誹謗」であると断言は出来ないと思います。

…まあもっとも、ゴボウうんぬんを始めとするヨタ話を根拠に
戦犯裁判を非難することは慎むべきと思いますけどね。
その点に関しましては、まったく同感です。

ApemanApeman 2010/10/10 01:26 alcさん

>この手の話は、事の真偽はともかく
>いわば「不当な戦犯裁判」への反発心から
>象徴的なエピソードとして語られているのでしょうね。

そうでしょうね。もう一つの要因として、裁判のしくみをよく理解していない人間(当事者を含む)が誤解に基づいて強調した、ということもあるのではないかと想像しています。

>戦勝国により敗戦国が裁かれるなんてこと自体が不当そのものであり、

日本だって、戦争中に連合国の将兵を裁いたり、裁きもせずに処刑しているんですよ? 「裁かれるなんてこと自体が不当」というのは成り立たないと思います。

>日本人があの裁判を勝者による一方的な裁判だと解釈したとしても
>「一方的な誹謗」であると断言は出来ないと思います。

少なくとも日本軍が行なった軍律裁判(弁護人がいなかった)や、裁判抜きの処刑よりは「一方的」でなかった、と言えるでしょう。だいたい、BC旧戦犯裁判を非難する人のうち、どれだけの人が日本軍による軍律裁判や、裁判抜きの処刑について知っているでしょうか?

オオタオオタ 2011/03/03 22:49 人の書いたものを読んだ、人から聞いた、
を出発点にした思考には、信憑性がない、ですって。
この方は、生まれたときから、神の視点を持っているのですね。

通りがかりの神様、あなたが知悉するものはすべて、あなたが見たものですね。
牛蒡を捕虜に食べさせたシーンを語ってください。

えっ、俺が見たものを語って、お前が百パーセント信じても、そこには信憑性はない、ですって!?

さすが神様。
では、なぜ、人類は、自分が見たものだけを信じようとしないのでしょうか。

この人間社会は、自分が見たものだけを信じ、他人の見聞を<信憑性なし>と切り捨てた結果、出来上がったものですよね、通りがかりの神様。


どうせ、自分が聞きたくないことに、適当に信憑性なんて言葉をくっつけただけ。わかってますがな。

ApemanApeman 2011/03/04 10:59 オオタさん

これもこの手の話題になると必ず登場するパターンですね。懐疑精神をある特定の方向にだけ発揮して別の方向には発揮しない、その結果極めて恣意的な事実認定を可能にする、というものです。

中島中島 2011/03/24 10:43 >戦争に負けた以上A 級戦犯が裁かれるのはしかたないが

馬鹿じゃねぇの?そもそも戦勝国が敗戦国を裁くことに疑問を持たないのかね?
恥ずかしいヤツ…。

ApemanApeman 2011/03/24 20:31 うん、そうだな。まずは君がブログを作って、第一次世界大戦後に戦勝国として敗戦国ドイツの戦争犯罪人を裁こうとした大日本帝国、また戦争に勝ったわけでもないのに米軍の爆撃機パイロットを戦争犯罪人として処刑した大日本帝国、さらには戦争に勝ったわけでもないのに裁判もせずに米軍の爆撃機パイロットやその他諸々の捕虜を処刑した大日本帝国を糾弾するエントリをがんがん書いてくれたまえ。その実績を確認したら改めて相手をしてあげよう。

はのはの 2011/08/18 06:45 気になるのは「コボウを食べさせて死刑になった」という話しが
議論が進むにつれて「ゴボウを食べさせて有罪判決が出た」という話しにすり替わっていってますね。
「死刑」と「有罪」ではえらい違いなのですが?

まあ、私は少なくとも「コボウを食べさせたのが100%の原因で死刑になった」
というケースはなかったと思います。
あるとすれば「他の罪状との併せ技での死刑」か「懲役刑」だと思います。

*上のレス消してください。

ApemanApeman 2011/08/18 11:22 >議論が進むにつれて「ゴボウを食べさせて有罪判決が出た」という話しにすり替わっていってますね。

? どこですり替わってますか? エントリのタイトル読みましたか? 「「ごぼうを捕虜に食べさせて有罪になったB級戦犯」は都市伝説?」ですよ? このエントリのきっかけになった私の記憶も「連合軍の捕虜にごぼうを食べさせたところ、木の根を食べさせた虐待だとして戦犯として訴追され、有罪になったケースがある」というものだとしています。「ネット上では「無期懲役」とされているケースが多い」とも書いてますね? 昨年、ニセ外人が「ごぼうを食わせて死刑になった日本兵の裁判記録を読んだ」と与太を飛ばしたので批判したことはありますけどね。
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20100122/p1

エアエア 2011/09/23 17:19 大変興味深いのですが、皆さん熱くなり過ぎていると思います

捕虜虐待に関する記述は、基本的に不確かなものばかりです

なにせ大分時間がたってしまった事象です

それをどう解釈するか、また、信用するか否かはその人にしか判断できません

他の人の意見を頭ごなしに否定するのは、決して良いことではありません

情報は妥協することでより確実性を増します

ApemanApeman 2011/09/23 21:40 >情報は妥協することでより確実性を増します

なんじゃこりゃw

tada69tada69 2011/10/21 16:29 あまり議論に関係しないのかも知れませんが、日系アメリカ軍422部隊の回想録を読んでいましたら、次のようなことが書かれていました。

−フランスにもごぼうに似た野菜があり、ただしフランス人は葉のみを食べていた。日系兵が根を食べるでびっくりされた。−

欧米でも根菜を食べる習慣はありますが、ごぼうは葉を食べる野菜で根を食べるものではない、という観念から「虐待」と感じた可能性はあると思います。しかしそれが戦犯裁判における主たる罪状になったとは考えがたいです。

ApemanApeman 2011/10/21 17:22 tada69 さん

ご教示ありがとうございました。ただ、もし「ごぼうは葉を食べる野菜で根を食べるものではない、という観念」でもって理解していたのだとすれば、少なくとも野菜であることは了解していたわけですから、驚いたり不快に思ったりということはあっても「虐待」とは認識しないのではないか? と思うのですが……。
ごぼうに言及した供述書を読むことができればずいぶんと事態の解明に資するのですが、例のニセ外人は結局自分が読んだと称する「裁判記録」を示してくれませんでしたからね……(^^;

tomtom 2011/10/29 01:08 初めてお邪魔いたします。
「西洋人は牛蒡の根を食べない」という風聞自体が憶測の産物なのは
八百屋の店先を見れば判る事で、(そりゃ地域の風習や偏食家の兵士もいるでしょうが)
この説を受け売りしている人は、一度でも「本当にそうかな?」と確かめてみたんでしょうか?

パースニップ、サルシファイ、スコルツォネラ等と称しますが、
其々に英語・仏語等現地の呼び名が有る位ですから、一部民族に特殊な物ではありませんし、
葉しか食べないのなら根だけを八百屋で売っていたりはしません。
中国から移入された日本の牛蒡と品種は違うのでしょうが、
在外邦人が金平牛蒡を作るのに使える程度に味も食感もそっくりな品種もあります。

主に仏・伊・西、辺りの料理で用いられる事が多い様ですが、
欧州移民の子孫である米人或いは豪人が誰一人これらの料理を全く知らないと云う事も
ちょっと考え難いと思うのですが。米国にだってフランス料理屋もあれば、
イタリア料理を我が家の味にしているイタリア系家庭だってありますよね。

サンプルとしては少なすぎますが、短期滞在の米人3人を居酒屋に連れて行った際、
突き出しの金平牛蒡を訝しみもせず食べておりました。3人は仏・伊・西系ではない筈ですが。

ApemanApeman 2011/10/29 10:40 tom さん

>この説を受け売りしている人は、一度でも「本当にそうかな?」と確かめてみたんでしょうか?

やっぱり「戦犯裁判はインチキ」という先入観が当たり前の懐疑心を眠らせてしまっていると思いますね。
しかし裁判を直接体験した弁護人は、非公開の場では日本軍の戦争犯罪の酷さについて率直な発言をしているようです。
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20100914/p2
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20111021/p1

通りすがり通りすがり 2011/11/24 23:56 NHKの古いビデオを見ていたら「ゴボウで死刑になった」という証言があったので調べようと思い、このサイトに来ました。
それは、「和賀郡和賀町」というドキュメンタリーです。
証言者は、自動車修理業の田鎖助男(当時48歳)という人です。
それによると、第一回のCクラスの裁判で、つちや裁判と呼ばれた東京地区の裁判で、きゅうよ(給養か?)係をしていた人がゴボウのきんぴらを(捕虜に)出したところ、木の根を削って出したものを食べて(捕虜が)死んだということで死刑になったと証言しています。
詳細は不明ですが、そのようなことを証言していました。

通りすがり通りすがり 2011/11/25 00:14 参考までに、「和賀郡和賀町」のビデオは、1967年(昭和42年)の放送でNHKの放送センター等で閲覧することができます。

ApemanApeman 2011/11/25 08:37 通りすがりさん

>参考までに、「和賀郡和賀町」のビデオは、1967年(昭和42年)の放送でNHKの放送センター等で閲覧することができます。
ご教示ありがとうございます。
「つちや裁判」というのは「土屋ケース」のことでしょうかね? もしそうだとすると、横浜での最初のBC級戦犯裁判の事例ですから、このブログでのたびたび言及している『法廷の星条旗』他の研究書でもよくとりあげられています。8つの訴因のうち傷害致死、俘虜殴打、俘虜同士で殴打を強要した件の3つで有罪となり、重労働終身刑の判決が下っています。私が判断する限り、その証言者は裁判でなにが争点となったかを誤解しているのだろうと思います。番組を閲覧することができれば改めてご報告いたします。

通りすがり通りすがり 2014/11/21 15:46 説明すれば、反論すればってのは、「理屈が通じる相手のはずだ」という前提があっての話なんだよなぁ。話せばわかる相手だったなら、そもそも戦争にならんでしょ。

ApemanApeman 2014/11/21 19:12 戦争には「なった」んじゃありませんよ。日本が戦争を「始めた」んです。そこのところを押さえておかないと、それこそ「理屈が通じない」よね!

武田武田 2015/01/20 23:44 裁判官のメンツを調べていますか?

まだでしたら、ぜひ調べてみてください。

ApemanApeman 2015/01/21 00:05 あんたが調べれば?

かめかめ 2015/09/24 08:33 判決の理由や刑は知らんけど,昔ニュースでゴボウを出した遺族の方に,米兵の親族? の方が謝罪しに来てたのが映像付きで放送されていたのを見たことがある。
で,和解出来なかったそうな。

それだけです。すみませんしんできます。

ApemanApeman 2015/09/24 15:11 出典不明の情報は不要です。特にこのエントリのコメント欄では。

名無し名無し 2016/05/11 21:33 この問題のキモはゴボウが食い物だと知っていながら難癖つけたことにあるんだよ
だから誤解は永遠にとけないというわけさ
知っていながらやってたんだからね

ApemanApeman 2016/05/11 21:38 ガメ信者必死だなw

sutehunsutehun 2016/05/12 01:10 この問題の肝は「捕虜虐待をしており自らもそれを認めていた戦犯が刑を受けたことについて、捕虜虐待などしていないと難癖をつけてること」にあるんだよ
難癖つけてる連中の捏造はあるけど誤解なんかどこにもない
知っててやってるんだろ

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