東京大空襲の背景

明日3月10日はご承知の通り東京大空襲から63年目の日となります。

東京大空襲:「米空軍独立狙い」 江東で報告会「背景に関係者の悲願」(Yahoo!ニュースの魚拓
3月2日11時1分配信 毎日新聞


 1945年3月10日の東京大空襲から63年になるのを前に1日、江東区東京大空襲・戦災資料センターで研究報告会があった。荒井信一駿河台大名誉教授(現代国際政治史)は、空襲の1年前の44年4〜5月ごろ、米国で作戦方法が固まったことを明らかにし、「空襲の背景に『米国空軍の独立』という関係者の悲願があった」と指摘した。


 研究報告会のタイトルは「東京大空襲はいつ決定されたか」。荒井名誉教授は、米国で公開された資料や当時の関係者の手紙をもとに、成果を報告した。
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 一方、当時の米空軍は、米軍の中で独立した組織でなく、米軍関係者の手紙には「空軍の組織を正当化(独立)するには、敵(日本)の決定的な敗北に対して決定的な役割を果たさなければならない」と記されていた。荒井名誉教授は「米国の空軍関係者にとって独立は悲願だった。東京大空襲では人道的配慮より、結果を出すことが要求された」と指摘した。

空襲に切迫した必要性があればそれでよいのか? というのはもちろん議論の主題足りうる問題だが、それとは別の問題として、米軍内部の組織的利害が焼夷弾による絨毯爆撃という手法の背後にあったのであれば、その犯罪性がより明確になると言うことはできる。
ちなみに、日中戦争初期の海軍機による渡洋爆撃が山本五十六ら海軍内の航空戦力重視派にとって追い風となったことについては、笠原十九司氏の研究が指摘している。