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2010-08-27

[]「英霊か犬死にか」ほか

「薔薇、または陽だまりの猫」さん経由で。

  • テレメンタリー2010 「英霊か犬死か〜沖縄から問う靖国裁判〜」

原告-崎原「戦死した母が命(ミコト)、神として靖国に祀られていたとは。死者に対する最大の冒涜だ!」

原告-安谷屋「たった2歳の弟が球(たま)部隊所属で死んだとして英霊にされている。祭神の名簿から削除して欲しいんです」

戦争で国のために命を捧げた軍人軍属246万柱を「神」として祀る靖国神社。そこに沖縄戦で死んだ民間人6万人近くが祀られていることはあまり知られていない。なぜ、軍人でもない沖縄戦の犠牲者、しかもゼロ歳児までが「軍神」や「英霊」となってしまったのか。


無断で祀られた家族の名前を祭神名簿から消してほしいと、沖縄の遺族たちは国と靖国神社を相手取り、裁判を起こした。そこには、国が戦後補償のような形で整備した「援護法」により、援護金をもらう代わりに一般の住民が「準軍属」と扱われるというからくりがあった。


石原昌家教授「援護法こそ、沖縄戦の本質を覆い隠すもの。積極的な戦闘協力だったとして地上戦の惨劇を美化し、国の戦争責任の追及を回避するものだった」

原告の一人、彫刻家の金城実さんは、本土防衛の捨て石作戦といわれる沖縄戦の死者が「英霊」とされ、「犠牲になってくれてありがとう」と解釈されていることと、「抑止力」の名目で民主党政権が再び県内に基地を押し付けようとしながら、「感謝します」と発言した今の構図は同じだという。


命を差し出し、基地を差し出して感謝される沖縄。金城さんはそれが許せない。


戦後65年たっても日米の軍需拠点にされ続けている沖縄の弱さを射抜くためにも、金城さんは戦死した父を「犬死」として、まずは国の付与した栄誉をひきはがすこと。そして戦争の本質を問い、繰り返さないことこそ、戦死した人の死を「犬死」にしない唯一の道だと、靖国裁判に執念を燃やしている。

(http://www.qab.co.jp/eirei/)

QAB琉球朝日放送制作の上記番組が9月上旬に放映されます。テレビ朝日では9月6日(月)26:40-27:10、朝日放送では9月4日(土)25:30〜26:00、その他の地方は番組サイトでご確認下さい。


遺族の意に反する合祀といえば、朝日新聞(大阪本社)朝刊の連載「百年の明日 ニッポンとコリア」の8月26日付「徴用の夫 戦地で逝く」でも紹介されていました。1歳だった時に徴用されたきり帰ってこなかった父の消息を求めて公文書機関に通い、92年に父の戦傷死を知った李煕子さんは97年、旧日本陸軍の軍属名簿で父が靖国神社に合祀されていたことを知ります。遺族に戦傷死の連絡すらしない国家が靖国神社には戦傷死者のリストを渡していたわけです。靖国の役割がなんであるかを物語るエピソードです。

Bill_McCrearyBill_McCreary 2010/08/27 18:16 >遺族に戦傷死の連絡すらしない国家が靖国神社には戦傷死者のリストを渡していたわけです。靖国の役割がなんであるかを物語るエピソードです。

こういうことって知られている話ではありますが、しかしほんとおどろくべきことですね。そこまで国家というのは恥知らずになれるのかと思います。

ApemanApeman 2010/08/27 23:04 Bill_McCreary さん

遺族が関連文書を探し当てることができた、ってことは日本の当局がその気になれば韓国政府を通じてであれできることがあった、ということですからね。「謝罪」がどうとか言う以前の問題だろうと思います。

rawan60rawan60 2010/08/28 01:54 本文の朝日の記事は読んでいませんが、この李煕子さんのエピソードは、「靖国の戦後史」(田中伸尚著 岩波新書 p219-225)でも取り上げられていますね。小泉参拝の2001年に来日して靖国神社へ合祀取り下げを申し入れた李さんは、交渉後に神社側から「お参りしていきますか」といわれ「信じられないというように目を丸くした」と書かれています。

ApemanApeman 2010/08/28 11:39 rawan60 さん

ご紹介ありがとうございます。その本はたぶん未読でした。

>交渉後に神社側から「お参りしていきますか」といわれ「信じられないというように目を丸くした」と書かれています。

さすがに悪意はないと思いたいですが、いかにも鈍感ですよね。非常に象徴的なはなしですね。

マダムCHUUマダムCHUU 2010/08/29 20:46 >原告-崎原「戦死した母が命(ミコト)、神として靖国に祀られていたとは。死者に対する最大の冒涜
>だ!」

これだけじゃ良くわからないけど。国によって神として靖国に祭られなかったならば、それこそ国民であった死者に対する冒涜でしょうに。犬死でしょうに。

>原告-安谷屋「たった2歳の弟が球(たま)部隊所属で死んだとして英霊にされている。祭神の名簿から削除>して欲しいんです」

これだけじゃ良くわからないけど。「靖国神社さん間違ってますよ。うちの弟は2歳でしたよ。英霊なんかじゃありませんよ。名簿から削除してください。」と靖国神社に申し出ればいいだけの話でしょ。

>命を差し出し、基地を差し出して感謝される沖縄。金城さんはそれが許せない。

これだけじゃ良くわからないけど。命を差し出し、基地を差し出せば当然感謝されるでしょうに。国からも国民からも。それを「許せない」なんて、それこそ絶句。

>遺族に戦傷死の連絡すらしない国家が靖国神社には戦傷死者のリストを渡していたわけです。靖国の役割>がなんであるかを物語るエピソードです。

日本政府にも事情があったんでしょうね。朝鮮は南部分が韓国に、北が北朝鮮という他国になっているんですから。
誰に連絡すれば良いのか、どの住所に出せば良いのかもわからんかったんでしょうね。出したけど受取人無し、或いは住所不定で戻って来たかも。
でも靖国に祭られていた。日本国も靖国もその義務を果たしたんですよ。
責められる事ではないでしょうに。

ApemanApeman 2010/08/29 22:30 今日一日だけは裸踊りを許容してあげるから、まあがんばりな。

rawan60rawan60 2010/09/07 00:22 番組見ましたが、あいまいな表現や言説を排し、30分という枠内で、これはかなり良く出来ていたと思います。
現在のキー局でも、沖縄以外のローカル局でも、現状このレベルの番組制作は無理だと思います。

ApemanApeman 2010/09/07 17:53 rawan60さん

見る前は30分という尺を不満に思っていたのですが、非常に密度の高い30分でしたね。

rawan60rawan60 2010/09/07 22:22 >非常に密度の高い30分でしたね。

高かったですね。

「靖国は侵略戦争を賛美しているからダメだけど、国の為に亡くなった人を国の施設で慰霊して欲しいという気持ちはあるでしょうし理解できるから、国立の追悼施設を別途設立すべきだ」

なんていっているリベラルの人は、金城さんの言葉にどう答えるのでしょうね。

hagakuresshagakuress 2010/10/02 10:20 良い内容の番組でした。沖縄の葛藤がリアルに落とし込まれていたと思う。

一知半解一知半解 2010/10/02 19:25 トラックバックがなぜか通りませんでした。
同番組の記事↓をUPしたのでコメント欄にて告知しておきます。
宜しくどうぞ。

◆テレビ朝日放送番組『英霊か犬死か 〜沖縄から問う 靖国裁判〜』にみる「地震ナマズ説」
http://yamamoto8hei.blog37.fc2.com/blog-entry-400.html

ApemanApeman 2010/10/04 22:57 hagakuressさん

>沖縄の葛藤がリアルに落とし込まれていたと思う。

個人的には「落とし込まれ」という表現はこの種のドキュメンタリーを評する際の言葉としてはあまりポジティヴなものとは思えないのですが、どのようなニュアンスで用いておられるのでしょうか?

hagakuresshagakuress 2010/10/05 10:24 >Apemanさん
拙い表現となり適切ではなかったようです。
勘違いかもしれませんが,個人的には
「沖縄の葛藤が リアルに感じられた」っていうだけなんです。
特に金城さんについては迫るものがありました。

ApemanApeman 2010/10/05 11:39 hagakuressさん、お返事ありがとうございます。ご説明は了解いたしました。

まだ辞書に記載されるほど安定して使用されている表現ではないようなので、否定的なニュアンスを感じてしまう私の方が少数派なのかな? とちょっと気になった次第です。

http://ja.wiktionary.org/wiki/おとしこむ
これによれば

・(日本のサラリーマン、官公庁限定の俗語)(何らかの商売上の案件の要素を)応用する。適用する。
〜を現実的に落とし込む(〜という要素を現実的な計画中の要素として再定義する)
・(日本のサラリーマン、官公庁限定の俗語)抽象度を下げる。
〜を〜に落とし込む(より抽象度の高い概念を具体的な事例として記述しなおす)

という二つの用例が示されていますが、hagakuressさんは後者に近い意味あいで用いられたのでしょうか。私はどうやら前者に近い用法から「現実を出来合いの認識枠組みにはめる」といったニュアンスを感じてしまったようです。特に30分と尺の短い番組の場合、「現実を出来合いの認識枠組みにはめる」ことはわかりやすくするために必要な側面もありますけど、過度の単純化との境界線が問題になるな……などと考えまして。

坂本真一坂本真一 2011/03/07 13:25 この番組にも出演しておられた石原昌家教授の
・「援護法」によって捏造された「沖縄戦認識」 : 「靖国思想」が凝縮した「援護法用語の集団自決」
・イデオロギーの問題となった集団自決という言葉の意味 : 「軍民一体意識」の形成をめざす国防族
・米軍政下沖縄における「靖国神社合祀」問題(上) : 「靖国化された沖縄」からの脱却をめざし
がCiNiiで閲覧できます。参考になります。

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