2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

二重基準

「さるおかた」さんのスレッド128での最初の投稿に、次のような一節があります。 なぜあなたは「無かった」という証言があるにもかかわらず 自分で確かめもしていない「有った」という証言を信じるのですか? これも奇怪至極なはなしで、「さるおかた」さん…

「シベリア抑留なんて知らない」と言い張る否定論者(追記あり)

8月30日に「南京の真実 情報交換掲示板」のスレッド128に投稿したものの、現時点(9月1日午前7時36分)でまだ公開されていない私のコメントです(その後、10時58分に確認したところ公開されていました)。 >シベリア?何ですかそれは? >ホロコースト?そん…

否定論の「性暴力」観

先日、水島聡氏の軍慰安所に関する実に斬新な見解を紹介しました。 それぞれ二時間以上のロングインタビューとなったが、私は意識的に慰安婦の問題を具体的に聞いてみた。南京大虐殺肯定派の人々は、虐殺だけではなく、二万人から八万人の日本軍の強姦を主張…

8月28日付けエントリ用コメントはこちらへどうぞ

8月28日分のコメント欄が容量限界に達したようです。

『グアムと日本人』

先日買った『グアムと日本人』(山口誠、岩波新書)を読了。分野としてはツーリズム・スタディーズと言ってよいのだろう。この手の研究はディテールにこそ意味があると思うのだけれどそこは素人の特権でざっくり大くくりすると、「60年代にハワイをモデルと…

その後の「南京の真実 情報交換掲示板」

今回もまた「さるおかた」さんは物凄いことを言い出しています。また2日ばかり待たないと投稿が公開されないと思うので、こちらに私のコメントをコピペしておきます。実際にはこれをいくつかに分割して投稿しました。 私が前回コメントを投稿したのは 「2007…

『ゆきゆきて、神軍』(追記あり)

奥崎謙三宅が取り壊されたから…というわけでもないだろうが、『ゆきゆきて神軍』(監督:原一男、1987年、日本)のDVDが再発売された。 この映画が最初に話題になった当時にももちろんニューギニア戦線の悲惨さについて一通りのことは知っていたし、例えば人…

『ガイサンシーとその姉妹たち』(上映会)、『ヒロシマナガサキ』、『二重被爆』(TV)

「文献紹介」というタグは妙だけれどもふだん映画については本館で書くことにしているので。 『ガイサンシーとその姉妹たち』 監督:班忠義 2007年、日中? 『ヒロシマナガサキ』 監督:スティーヴン・オカザキ 2007年、アメリカ 『二重被爆』 監督:青木亮 …

朝日新聞、「南京事件、日中双方で議論再燃 今年70周年」

「南京の真実」スタッフブログで、水島聡氏のコメントが朝日新聞に掲載されたことを知りました。8月23日付け朝刊、「南京事件、日中双方で議論再燃 今年70周年」という記事です。 引用されている水島社長のコメントは「取材を重ねるたびに民間人や住民への…

ある極限例

映画「南京の真実」サイトの「情報交換掲示板」において「さるおかた」というやんごとなきハンドルの方から名指しで返答を求められたのですが(スレッドNo.128)、なにぶん「南京大虐殺に関する中国側の主張をおまえは認めるのか、それとも嘘っぱちだと認め…

『グアムと日本人』『アジア・太平洋戦争』『再現 南京戦』

週末の買い物。ここでのblackseptemberさん、Jodorowskyとのやりとりのおかげで目にとまったのがこれ。 山口誠、『グアムと日本人 戦争を埋立てた楽園』、岩波新書 帯には「その島はかつて「大宮島」だった」との惹句。年間100万人にもたっする日本人観光客…

来週の戦争関連番組放送予定

来週はNHKで「A級戦犯は何を語ったのか〜東京裁判・尋問調書より〜」、「パール判事は何を問いかけたのか?東京裁判 知られざる攻防?」などの再放送、BS特集「民衆が語る中国・激動の時代」全4回の再放送(をNHK総合で)がありますが、デジタル放送が受信…

「グアム強制売春」裁判続報

「グアム戦犯裁判において裁かれた性暴力の事例」というエントリで言及した強制売春の事例についてですが、同じ事例と思われる戦犯裁判の記録がすでに1995年の段階で報道されていたことを発見しました。11月30日付け朝日新聞朝刊です。 戦犯裁判の記録に慰安…

『サイゾー』9月号がひどい

第1特集は「新しい日本のタブー」と題されているのだが、そのうちの一つが「「従軍慰安婦」と「南京大虐殺」のミスリード」。担当は大崎量平という人物。だが内容はというと、否定派の主張としてもかなり稚拙で、頼まれ仕事感が漂う。だいたい、どちらの問題…

『人間の暗闇』

ギッタ・セレニー、『人間の暗闇 ナチ絶滅収容所長との対話』、岩波書店 ウィーン生まれ、開戦時にはハンガリー国籍でのちイギリスに移住したジャーナリスト、ギッタ・セレニーがトレブリンカ収容所長だったフランツ・シュタングル*1に対して行なったインタ…

"Composite Report on three Korean Navy Civilians List"という文書は実在するのか?

同じ文書(とおぼしきもの)を根拠に従軍慰安婦の強制連行を否定している3人の論者の記述を比較するとどうにも腑に落ちない点がある、ということでStiffmuscleさんが米国国立公文書館に問いあわせたところ、"We were unable to locate the report among the …

ご意見募集

先日ご報告した通り朝日新聞のデータベース・サービス(asahi.com perfect full コース、月額3,150円+1記事あたり料金*1に加入したわけですが、せっかく加入したんで一ヶ月のあいだに調べる必要のあるものは調べようと思うものの、「ではなにを?」となると…

『靖国戦後秘史』

毎日新聞「靖国」取材班、『靖国戦後秘史 A級戦犯を合祀した男』、毎日新聞社 2006年の8月6日から19日まで毎日新聞朝刊に連載された「靖国〜『戦後』からどこへ」に加筆して単行本にしたもの。第一部が「A級戦犯を合祀した宮司」、第二部が「A級戦犯を合祀し…

映画『南京の真実』スタッフブログより

本館の掲示板でEzowolfさんからご教示いただいたので見てきました。「老兵は死なず 水島 総」 それぞれ二時間以上のロングインタビューとなったが、私は意識的に慰安婦の問題を具体的に聞いてみた。南京大虐殺肯定派の人々は、虐殺だけではなく、二万人から…

ゆうさんによる東中野本批判

ゆうさんがこちらで予告しておられたように、東中野センセイの新刊『再現 南京戦』の批判コンテンツをアップされました。 http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/saigen1.html この強引な論理展開に思わず呆れてしまったのは、私ばかりではないでしょう。 …

「心に刻む集会」での野中広務氏の講演

毎日新聞、8月15日夕刊(大阪)、「終戦記念日:62回目 終わらせない戦後」 (…) ◇「傷跡修復が責務」野中元幹事長、南京虐殺集会で語る 「第21回アジア・太平洋地域の戦争犠牲者に思いを馳せ、心に刻む集会」(同集会実行委員会主催)が15日、大阪市…

92年1月11日の朝日新聞の報道とは…

慰安婦問題に関して右派が繰り返し強調してきたのが、朝日新聞の「誤報」です。例えばこんな感じ。 慰安婦問題の処理を誤った原点は、平成四年一月の朝日新聞の記事に対する宮沢内閣の誤った対応にあった。 この日、朝日新聞は「朝鮮人女性を挺身隊の名で強…

『ガイサンシーとその姉妹たち』上映会

『ガイサンシーとその姉妹たち』の監督、班忠義氏が来日してトーク・イベント(京都)に出席するとのことです。詳しくはこちらをどうぞ。

日本財団主催の講演会、「中国の歴史研究」

今年の1月にあの日本財団が中国から程兆奇(上海社会科学院研究員)、張連紅(南京師範大学享受)の両氏を招いて開催した講演会、「中国の歴史研究」の速記録が公開されているのに(いまさらながら)気づいたので。速記録はこちら(PDF)。

毒ガス関連二題

一昨日のニュースだが。毎日新聞、8月10日、「毒ガス弾:千葉市の不発弾4発、旧日本軍「きい弾」の疑い」。 防衛省は10日、千葉市内の私有地で5〜今月に発見された不発弾4発が、旧日本軍の毒ガス弾「きい弾」だった疑いがあると発表した。きい弾の毒ガ…

「虜囚の記憶を贈る」

『世界』の8月号から連載が始まった野田正彰の「虜囚の記憶を贈る」。8月号と9月号は「中原からさらわれた少年」の前編、後編。14歳のときに河北省から福岡県三井鉱山田川工業所へと拉致され、辛うじて生き延びた李良傑さんからの聞き取り。現在発売中の号に…

戦争特番雑感

先日リスト化したNHKのもの以外にCATVでも第二次世界大戦関連のドキュメンタリーを多数放送しているので、録画はしているもののなかなか見るのが追いつかない。木曜日に放送された「日中戦争〜兵士は戦場でなにを見たのか〜」は昨年地上波で放映されたNHKス…

「自己」批判について

上のエントリに対してbewaadさんからご返答をいただきました。私の意図について一定の理解を示してくださったうえで、次のように仰っています。 しかしそうであればなおのこと、あえて「右派」による便乗の可能性に目をつぶってでも、自己批判をつきつめて欲…

大沼本を「高く評価」したりするのはどのような立場から可能になるのか

というのが、このエントリに対するbewaadさんのご批判を読んで改めて考えたことです。もとのエントリ中で明記しておかなかったのはまずかったけどその後コメント欄で「私個人はといえば、大沼氏に批判されるに値しない者にすぎませんが」と補足しておいたよ…

旧日本軍の戦争犯罪に関する米文書

このエントリに関連して。はてなグループ「従軍慰安婦問題を論じる」内のkmiuraさんのこのエントリ、およびコメント欄にて、今年1月に公開された米機密文書についての興味深い情報が提示されています。 いずれにせよ、アメリカの資料の研究はまだまだこれか…