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Apes! Not Monkeys! はてな別館

2018-05-21

[]「ヒトラーは“ジャンキー”?」

  • NHK BS1 BS世界のドキュメンタリー 2018年4月24日(火)午前0時00分〜 「ヒトラーは“ジャンキー”?」

ヒトラーの主治医モレルの日誌には、ナチス総統が薬物を常用し麻薬の依存症に陥っていく過程が記録されていた! ナチス・ドイツの“暴走”は、麻薬によって加速したのか?

ドイツで2016年に出版され、世界的な注目を集めた「第三帝国“薬中”の真実」。番組は、著者ノーマン・オーラーの調査を元に、ヒトラーが薬漬けになっていく過程とドイツの興亡を、新たな視点で描いていく。第二次世界大戦開戦の頃のメタンフェタミン。米国の参戦後、不眠症を訴えたヒトラーが手を出したオイコダル(オキシコドン)という鎮痛・麻薬作用がある“劇薬”・・・日誌には、ヘロインやモルヒネの文字も!

(http://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/index.html?pid=180424)

本当に見たかったのは翌日、翌々日に前後編で放送された「ダス・ライヒ 〜ヒトラー “死の部隊”〜」の方で、いわばついでに録画したもの。

ヒトラーの薬物使用が彼の決定に与えた影響について懐疑的な歴史家の一人として登場するのがリチャード・エヴァンス。

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そう、アーヴィング対リップシュタットの裁判で、被告リップシュタット側の証人になった歴史家だ。そうした見解に対するオーラーの反応がいかにも典型的。「自分の縄張り」を荒らされたくないからだろうと解釈したうえ、「重要な歴史を専門家だけに任せておいていいのでしょうか」と言っちゃう、という………。このセリフを口にする人間の主張はとりあえず眉に唾つけて聴いたほうがいい。

なお「ダス・ライヒ 〜ヒトラー “死の部隊”〜」2018年5月31日(木)午後5時から再放送。「ヒトラーは“ジャンキー”?」の再放送は2018年5月29日(火)午後5時からです。

2018-03-17

[]「100分de名著 松本清張スペシャル 第3回 歴史の裏側を暴き出す  〜「昭和史発掘」〜」

昭和初期の時代の変わり目を新資料を元に複合的に叙述していくノンフィクション作品「昭和史再発掘」。とりわけ「二・二六事件」を読み解くことが、昭和史の謎を解明する大きな鍵を握っていると清張はいう。それは単なるテロ事件ではなく、構造的不況、貧富の格差の拡大、対外関係の行き詰まりといった危機的状況を、昭和維新と呼ばれる革命によって乗り越え、天皇と国民を改めて一体化させようという大規模なクーデター計画だった。その失敗後、軍部は「二・二六」再発をちらつかせながら、政・財・言論界を脅迫し戦時体制へと国民をひきずっていく。いわば、「二・二六」は、その後の国家体制を変えていく大きなターニングポイントだった。第三回は、「二・二六事件」を清張の視点から読み解き、日本が戦争に突き進んだ昭和という時代を浮き彫りにする。

最初の2回はなかなか面白かったので、次回も楽しみです。

2017-12-27

[]『日本軍兵士』

同じ著者による『日本の軍隊――兵士たちの近代史』(岩波新書)や著者の指導教官だった故・藤原彰の『餓死した英霊たち』(青木書店)の延長線上に位置づけることのできる研究だと思うが、前記二書を含め人並み以上にはアジア・太平洋戦争に関する研究書や従軍記などを読んできたつもりの私でも初めて聞くような話題がいくつも出てくる。もはやこうした経験を自らの口で語ることのできる元兵士がほとんどいなくなったいま、「戦争の現実」を知るうえで必読の文献ではないだろうか。

2017-10-02

[]書評『日本軍の治安戦』

笠原十九司さんの『日中戦争全史』上下巻が増刷を重ねているそうで、主要メディアがほとんど「日中戦争勃発八十年」という事実にライトを当てないなか、数少ない良い知らせだと思います。

さて、立ち回り先の図書館に所蔵されていないためなかなか参照する機会のない軍事史学会の学会誌『軍事史学』の2013年9月号に『日本軍の治安戦――日中戦争の実相』(岩波書店)の書評が掲載されているのを知ったので、複写を取り寄せてみました。掲載されてから4年も経ってますが、書評自体も刊行から3年たってのものですので、まあご容赦を。

『軍事史学』の寄稿者は保守派が中心で、評者の河野仁氏も防衛大学校の教員ということで、いわゆる「三光作戦」をとりあげた本書をどのように評するか……というところに関心があったのですが、予想(というか予断)よりずっとフェアな書評でした。何点か懐疑的・ないし否定的なコメントも見受けられますが、歴史修正主義者によくある難癖のようなものではなく、賛否はともかくとしてたしかにそう評する余地はあろう、と私にも思えるものでした。とりわけ、結び近くで次のように書かれているのが印象的でした。

(……)最も困難な課題である人的被害者数の正確な推定については、非常に悲観的にならざるを得ない。しかしながら、『不都合な真実」についての「否認」からは何も生まれてこないのも事実であろう。(……)

ウェブ上で公表されている経歴によれば、評者は防衛大や自衛隊、防衛相出身者ではなく、一般の大学院で研究者としての教育を受けたうえで防衛大に赴任したようです。また、山西省に駐屯していた第37師団の関係者とともに現地を訪れた際に、「部隊史や回想録にはまず書き残されることはないであろうような「加害体験」について、重い口を開く人もいた」という体験もしたとも記しています。

2017-09-12

[]「なぜアメリカ人はヒロシマに?

〜高まる核の脅威の中で〜」

  • NNNドキュメント'17 2017年9月10日(日) 24:55〜 「なぜアメリカ人はヒロシマに?〜高まる核の脅威の中で〜」

アメリカ・トランプ大統領誕生。北朝鮮の核開発。原爆投下から72年...。核の脅威はかつてないほど高まっている。世界で初めて原爆が投下された広島。その広島を訪ねる外国人で一番多いのは核投下国アメリカからの観光客。そして平和公園・原爆資料館を訪ねる。なぜアメリカ人は広島を訪ねるのか?広島を訪ねたアメリカ人夫婦に密着した。夫婦が見たヒロシマとは・・・。またアメリカで世論調査を実施。原爆投下を正しいと答えた人は47%だった。核の脅威が高まる中、被爆地ヒロシマの役割とは何なのだろうか。

http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-64.html

この番組で広島に来たアメリカ人を見て「自分の国に誇りを失っている」とか「洗脳されている」などと考える日本人はほとんどいないでしょう。だったら「自虐史観」などというプロパガンダの空疎さも直ちにわかりそうなものですが。

9月17日にBS日テレで再放送されます。