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「ファシズムとは、現実のユートピア化である」(久野収)

2009-01-21

[]むなしい演説

オバマの就任演説から。

http://mainichi.jp/select/world/obama/speech/news/20090121k0000m030175000c.html

だれもが知る通り、我々は重大な危機にある。わが国は(イラクやアフガニスタンで)戦争状況にあり、敵は憎悪と暴力のネットワークを持っている。

我々のために、彼らは、ないに等しい荷物をまとめ、海を渡って新しい生活を探した人々だ。


我々のために、彼らは額に汗して働き、西部に住み着き、鞭(むち)打ちに耐え、硬い土地を耕してきた人々だ。


相変わらず、「海を渡って」植民してきた先祖の苦労には思いをはせても(しかも、「鞭打ちに耐え」た人たちの経験がそれに同一化されてしまっているが)、その先祖たちに土地を奪われ虐殺された先住者たちへの言及はなし。


上の二つの言葉(認識)が組み合わさってるんだから、アメリカがイスラエルのやってることを非難できないのは当たり前だ。まったく同じ事をやってきたわけだから。

「憎悪と暴力のネットワーク」を拡大させてるのは、「敵」ではなく、今も収奪と虐殺の思想を根本的にあらためようとしないまま、軍事と経済のシステムを拡大し続けてる自分たちの方なのだ。

そして、奪われた者、殺され続けている者たちに対する排除と忘却にもとづいた、どんな「統合」の呼びかけも、真の「融和」や「和解」の名には値しない。


多くの人々がそれに気づかない限り、アメリカも世界も、その悲惨においては変りようがない。