貧者のカテドラル

ガウディはこの間にグエイ公園の家を引き払って、サグラダ・ファミリア教会の建築現場小屋の一室に寝起きし始めるのである。時が掌からこぼれ落ちる水のようにたっていった。
身の振リかまわず,孤独な生活だったが,あらゆる種類の美に囲まれて暮らしていた。
ある日、ガウディはミサを終えた教会の出口で、出てくる友人を待っていたとき、人々はその身なりから判断してその手に小銭を握らせた。もっともそれに驚いたのは、若き日のダンディなガウディを知っていた友人の方であった。ガウディは言う、『貧乏と貧しさとを混同してはいけませんよ。貧乏は気品と美へ導きます。富は裕福と粉砕へ導き、それは美ではありえないからです。』こうしてガウディは自ら帽子をとって建設資金を集めるため、街へ出かけるのであった。もっとも彼は『布施を持て求めることを決心しました。だけど自分を無理強いしなければなりませんでしたよ。』と告白している。


偶然プーチ・イ・ボアダに撮られたサグラダ・ファミリアのガウディ