手袋商エステバン・コメージャのためのショー・ケース La vitrina de la guanterí Esteban Comella

所在地:Avinyo, 5

1878年制作
グエイがガウディの才能を発見するきっかけになったのはこの手袋商のために作ったショー・ケースであった。現在レウスに残されているのは名刺の裏に描いたスケッチと当時の新聞に発表された挿画で、ショー・ケース自体のいどころは分かっていない。エステバン・コメージャのお店は現在の旧市街、当時のメインストリートのひとつであったアビニョ通りにあった。これは市役所前広場からラス・ランブラスへ出る、活気のあるフェラン通りと直行するアビニョ通りのそれも交差する場所にあった。このアビニョ通りというのはピカソの“アビニョの娘たち”で知られているこのアビニョであるが、ピカソはこの通りの港に近いところに屯していた娼婦を描いていて、この娘というのは実は娘という訳は適切ではなく”女“なのである。しかし、5番地という場所はお店としてはフェランとの角地でまさに一等地であった。さらに面白いのは角を曲がったフェラン通りと並行の裏道にガウディが卒業して間もなく作った事務所があって、いわばひょっとして近所付き合いがあったかもしれないという事だ。

アクセス:ガウディの最初の事務所から2分。市役所広場から5分。

名刺の裏に書かれたショー・ケースのデザイン

当時の雑誌に載ったパリ万博に展示されたショー・ケース


右側の直行する通りがフェラン通りで、左側がガウディの最初の事務所のあった通り

現在はお土産物などの雑貨を売るショップになっている。