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眼科手術開業医の戯言

2012-01-24

親子喧嘩 by B

18:37

先日、ひょんなことから、親父とケンカをしました〜。まぁ、ひょんなことでもないですが。

開業当初はよくやっておりましたが、ここ数年は小康状態を保っておりました。とは言え、肩を組んで仲良くやっている感じでは決してなく、お互いそれぞれ我慢をしながら、表面上だけケンカせずにやっているという感じですねぇ。

喧嘩後しばらく経って、現在は再び、元の小康状態に戻っております。

ケンカの翌日、怒りに打ち震えながら、知り合いの人に相談メールのやり取りをしたので、参考までに供覧します。一部は改変しております。匿名ブログとは言え、家庭内の恥部をさらけ出しており、個人の特定に結び付けば、私はアホ丸出しでございますので、どうぞご了承ください。

これから親の跡を継ぐ予定の先生方、現在継承してやっておられる先生方、今後、息子さんなどに継承しようとされる先生方らの、何らかの参考になると思い恥部を曝け出します。


○○先生

いつも大変お世話になっております!

ちょっと今回はボヤキっぽいメールですが、我慢してお読みくださいまし。

昨日、親父とケンカしました。

事の発端は、僕に黙って、××さんと相談し、医院駐車場の値段を上げようとしたことです。

裏の駐車場は、両親の共同所有という形になっていて、僕が帰ってくる前々から、当院(注:医療法人)から親父にX万円、おふくろにY万円、代金を支払う形になっておりました。

そのX万円が少ないということで不満を持っていたようで、親父が税理士に「上げろ!」とかみついたわけです。(直接僕には言いません。)

僕としては、自分の愚かさで医院を潰れかけの状態にし、息子が帰ってきて、必死に立て直したら、こんどは、色んなことで金をせびる親父が許せません!!自分が医院をやっているときは、その値段でやっていたくせに、なぜ今頃あげるのか??

最近の親父は、△△病院のDrに貸しているマンションの値段を、突然値上げしようとしたり、金の亡者っぷりがエスカレートしております・・。

そのY万円に加えて、当院家賃でZ万円、給与でP万円、更に年金や家賃収入もあり、それらを全て自分の小遣いにしているので、僕が決して、親父をないがしろにしているわけではないですし、充分すぎるほど給与を与えていると自分では考えております。

口論の途中、バカ親父が、

「そんなにいややったら、出ていけ」

とぬかしたので、更にヒートアップしてしまいました。

流行っている眼科を継承したならともかく、ボロボロで閑古鳥が鳴いている状態で、リサーチ上の条件も非常に悪い土地に、長男としての責任感から帰ってきたのに、この言いようでございます。

まぁ、医者としての技量もさることながら、人間的にも全く尊敬できない男であることは昔から承知しておりましたので、今さらさして落胆もしませんが、親子の腐れ縁で、今後も付き合わざるを得ないところに忸怩たる思いはします。

で、今年8月中に退職するとの話でしたが、××さんには「やっぱりあと二年やる」と言ったそうです。理由は書くのもアホらしいので、お会いしたときにでもお話しします。

正直言って、眼科医としての親父は、もはや使い物にならず、誤診、勘違いのオンパレード、さらに昭和60年代で医学的成長が止まっているため処方するお薬も無茶苦茶です。やっと、辞めてもらえると、嬉々としていたのにこれに関しては落胆しております。

籍を置いておくのは別にかまいませんが、週○コマだけの、あの無茶苦茶な外来で月P万円以上の給与を払い続けることは大いに不満あります。当然、患者さんも知っているので、親父外来の時は、閑古鳥が鳴いてますからねぇ。医院にとって、百害あって一利なしです。

外来の出番は、また話し合いますが、少なくとも、理事長職は引退してもらいたいです。前にもぼやいたかも知れませんが、僕宛の郵便物を僕より前に開けてチェックしたりされるのも、非常に嫌な気分になりますので。

実力もなく、僕だけではなく、母姉妹含め、家族からの尊敬の念も全く持たれてない親父に、これ以上偉そうにされたくないので、理事長職に関しては、来期から僕に変更しようと考えております。

当然、親父は抵抗すると思います。

そこで、先生に質問ですが、株式会社などでも役員会議で社長解任などができるように、このような医療法人でも、親父以外の理事が同意すれば、親父の理事長職を解くことは可能なのでしょうか?

勿論、円満解決を目標にやっていきますが、どうしようもない場合に備えて教えてください。

長文失礼しました。バカ親父を父に持つと、苦労しますわ。ホンマに。

いやはや。揉め事を曝け出すのは恥ずかしい限りです。

それに対する、○○先生のお返事です。


B 先生

いつも大変お世話になります。

税理士の○○でございます。

お父様との件、メール拝見しました。

とても難しい問題ですね。胸中お察しします。

でも実はこのような問題は、わりとあるのですよ。

知り合いの会計事務所でも似たようなケースがありました。

さて、回答です。

1.

医療法人において、理事長以外の理事が同意した場合に

理事長を解任することができるかどうか」

について

(回答)

まずは、お手元の定款をご確認ください。

株式会社は、会社法において、その運営について詳しく規定されていますが、

医療法人についてはその運営に関する法律上の根拠が、株式会社に比べてかなり脆弱です。

例えば、厚生労働省のモデル定款には以下のように記載例が上がっています。

 ○○条 理事及び監事は、社員総会において選任する。

  2 理事長及び常務理事は、理事の互選によって定める。

 ○○条 理事長のみが本社団を代表する。

  2 理事長は本社団の業務を総理する。

  3 理事は、本社団の常務を処理し、理事長に事故があるときは、理事長があらかじめ定めた順位に従い、理事がその職務を行う。

理事は、株式会社の取締役に相当します。

また、社員総会は、株式会社の株主総会に相当します。

そして、社員総会で理事が選任されるというのは、これはこれで問題ありません。

ただし、株式会社では、代表取締役の選任も解任も取締役会の権限ですが、

医療法人の場合にはその解任手続きは不透明です。

ここがとても大きな問題なのです。

もちろん、社員総会は理事会のさらに上位機関ですから、解任できることは確実ですが、理事会において解任できるかどうか、解任の要件については予めはっきりと定款に規定しておく必要があります。

つまり、医療法人の定款に解任の要件がどのように規定されているかが今回の

ご質問の答えになります。

・社員総会において、解任することはできる。

・理事会において解任することができるかどうかは、定款の定めによる。

以上が、回答になります。

2.

ではどうすればよいか(ご提案)

以下、壱・弐をご検討ください。

壱:社員総会の招集手続きを確認する

上記の通り、医療法人では理事長には絶大な権限があり、理事長が存在しないと動かないようになっています。

したがって、理事長が誰かと争っていると、その間、医療法人の運営がストップし、

実質的に医療法人の経営が機能しなくなるのです。

株式会社では、代表取締役が株主総会を開かない場合には、会社法に、株主自身が総会を招集できる旨の規定がありますが、

医療法人では、理事長以外の者が社員総会を招集できるのかどうかが極めて不明確です。

まずは、この社員総会の招集手続きについて、定款をご確認ください。

もし、「理事長以外の者でも社員総会を招集することができる」と

定款に明記されていましたら、社員総会はすべての機関の最上位に位置しますから(理事長よりも上)、

議決権を過半数獲得すれば、解任が可能です。

弐:社員総会の議決権を誰が持っているか確認する

繰り返しますが、医療法人では理事会決定よりも社員総会の決定が優先されることになります。

そのため理事会で理事選出を決定したとしても、社員総会で否決されると理事になることはできません。

医療法人を設立する際や、また運営管理をする際、

医療法人の理事と社員はどこが違うのか戸惑われることもあるかと思います。

医療法人の社員は株式会社でいえば株主のような存在で、

社員=出資者となります。

ちなみに医療機関で働いている一般的な意味での職員ではありません。

なお、株式会社と決定的に異なるのは、社員は拠出金の多寡にかかわらず、

一人一票の投票権があります。

これはものすごく大きな違いです。

つまり、「出資金額ではなく、社員の人数で決まる」ということなのです。

社員は、医療法人の重要な事項、

・『理事の選任』『定款変更』『借入限度額の決定』

などを決議する権限があります。

ある意味、理事長を理事職から解任する権限もあることとなります。

よって理事選任も専権事項となります。

そのため社員総会で過半数をドクターの身内や絶対信頼できる者で固めないと実質的に経営ができないことがあり、

実務的には、理事選任よりも社員を選ぶことのほうが重要になります。

社員は必ずしも理事になる必要はありません。

しかし、実務的には身内で固めた社員がそのまま理事になる事が多いのも事実です。

医療法人の日常的な運営管理は理事会で取り決めが行われます。

下記に関連する医療法の該当箇所を記しておきます。

医療法

第四十八条の四 社員は、各一個の議決権を有する。

2 社員総会に出席しない社員は、書面で、又は代理人によって議決をすることができる。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。

3 社団たる医療法人と特定の社員との関係について議決をする場合には、その社員は、議決権を有しない。

ただし、「理事長でないと社員総会を招集できない」となっていましたら問題です。

医療法人がおかしなことになっていても、他の理事はどうすることもできないということもありえるのです。

この場合は、また別の手を考えないとだめでしょうね。

その際は、またご提案させていただきます。

以上、ご参考にしてください。

よろしくお願い致します。

ということでございます。

正直言って、僕の周り(医師系)でも親子(特に父子)の仲が悪い一家は少なくありませんし、医師以外でも良く聞きます。逆にうまく行っているところの話も聞きます。

うまく行っているところは、僕の感触では、

・お父さんが人格者(真面目、温厚篤実、金は出すけど口は出さない)

・医院自体が繁盛店で、患者もお父さん先生を慕っている

・息子もお父さんを慕っている

・親子で共通の趣味を有し、プライベートでも遊ぶ(ゴルフが多い)

・お父さん以外の人(一番多いのがお母さん)が会計を握っている

親子の仲があまり良くないところは、

・お父さんがプライドが高く気難しい(元々の性格もあるが、継承後は自分を立ててくれないことに不満を抱いている、浪費家、バブル時に浮かれて豪遊していた)

継承前は医院経営が厳しかった(息子は立て直しのため、改革≪先代の否定≫から始めなければならないので、どうしても親は面白くない)

・息子が前々からソリが合わないと思っていた

・共通の趣味なし、価値観の相違

・お父さんがいつまでも経営に関わろうとする

といった傾向があると思います。

あと、有意差は出ないかも知れませんが、僕の周りでは傾向として、

「親の学歴≧息子の学歴」の場合は比較的波静かに行っている様子です。

「親の学歴<息子の学歴」の場合は父子ケンカの確率が高いように見受けられます。更にもう一点言えば、学歴(出身校)の違いがあっても、同じ医局に入局した場合、親子仲良くやっている先生は多いです。まぁ、表面上だけそう見えているだけかもしれませんが。

Bにしても、親父の気持ちは少しはわかります。「自分一人で、やっていけてると思うなよ!」と親父も言いたいでしょうし、ケンカの時は言ってきます。実際、親にも感謝している部分はありますよ。ただ、夫婦関係もそうかもしれませんが、日本人は面と向かって「お父さん有難う!」なんて言う国民じゃないですからねぇ。そんな言葉を期待する方が甘いと言えましょう。

「老いては子に従え」との格言がありますが、一度「譲る」と決めたならば、後でグチャグチャ言うのはよろしくないです。跡を継ぐ側からすれば、「やる気満々の親父を押しのけて院長になる」ということはあり得ず、必ず最初は、父側からアクションがありますので。

あと、前にも書いたような気がしますが、緩衝剤として母親(父からすれば妻)の役どころは非常に重要でございます。当家は、母が常にBの味方になってくれているので、決裂は回避されております。まぁ、そこが親父の気に入らない所なのかもしれませんが、放蕩親父の言うとおりにやってたら、医院が傾くに決まっておりますので、仕方ないですね。

またご意見あればコメントください〜。以上です。

ぷよあしぷよあし 2012/01/25 22:12 お久しぶりです。非常に興味深い内容でした。

継承が上手くいかず跡継ぎが出て行ったという話はしばしば聞きます。実の息子の場合もあれば、娘婿の場合もあり。実の娘が出て行ったという話だけはきいたことありません。
同じ悩みを抱えておられる若先生は全国にたくさんおられるのでしょうね。
以前の記事にも書いておられたと思いますが、継承も良いことばかりではないのですねえ。

分析しておられるように、大先生が医療にしろ、経営にしろ昔ながらの自分の方針を貫こうとすると若先生が耐えられなくなるようです。凄くはやっている施設でも同じことのようです。

手術手技の話題だけでなくこういう話題も参考になります。出来る範囲で続編を期待しております。

僻地眼科医僻地眼科医 2012/01/29 02:05 投稿するところなぜか間違えましたので再度w

公立のカス病院の一例

外来が多くなったり、手術件数が多くなり仕事が増える
と婦長、他科の診療部長、場合によっては院長がとんできて
手術件数を減らせ、看護師の仕事を減らせって言われますよ。

それでいて給料が安いので
バカバカしいので開業しますが、開業も開業でいろいろ先生のように悩みがあるのですね。

通りすがりの税理士通りすがりの税理士 2012/01/31 09:01 今回の診療報酬改定で白内障手術の点数が下がるかもしれないという情報を得た為、ネットで調べていたところ、偶然こちらのブログを訪問することになりました。
医療機関のドクター同士の親子の対立はめずらしいことではないです。大なり小なりどこでもあります。
 ところで、顧問をされている税理士の方の認識に誤りがありますので、僭越ですがコメントさせて下さい。この税理士の方は医療法人のことがあまり良く分かっていらっしゃらないようです。もしや、先代の時からの税理士でしょうか?勉強不足で笑ってしまいます。
〇誤っている点
 ・理事長しか社員総会を招集することは出来ない。
  ⇒出来ます。医療法48条の2参照
 ・理事の選任、理事長の解任
  ⇒医療法46条の2第3項に役員の任期は2年と記載があります。
   2年経ったら選任しなkれば済む話です。
 ・医療法人の社員=出資者
  ⇒今でもそう思っている人が多いんですよね。
   社員でなくても出資は出来ます。例えば株式会社が出資する   ことも可能です。
 以上、横から失礼しました。

ドクターZドクターZ 2012/01/31 11:38 初めまして、私の周りでも似たような話を聞いています。これは、実に深刻で、解決が難しいです。こじれにこじれて、子供が出てゆくという悲惨なケースを見ています。医院が古くなっていれば、近所に新規に開院して、自分のクリニックを作るのが最善だと思います。父親の役職を解いても解決しないです。

BB 2012/02/01 20:52 皆様、コメント有難うございました!!手術学会などでバタついており、反応が遅くなり申し訳ございません!!

ぷよあし先生>合点承知いたしました!恥部を曝け出すには勇気がいりますが、有意義と感じて頂ければ望外の喜びです!

僻地先生>まぁ、これは継承開業に特有のトラブルですが、医者に限らず家業を継ぐという一形態においては、太古の昔より繰り返されている人間ドラマでございます・・・。ないものねだりではございますが、新規開業には、この鬱陶しいしがらみがないのは羨ましく思ったりもします。

通りすがりの税理士先生>コメント有難うございました!いやらしくない程度に、サラリと税理士の方に言っておきますね。また何かあれば、教えてください!

Z先生>そうですね。それが出来れば、解決と言えば解決ですね。ただ、やはりそれはどうしても決裂してしまった際の最終手段とし、あくまでも、円満解決にこだわっていきたいと思っております。

この年になっての親子喧嘩というのも後味の悪いもので、ふと、子供のころに親子で楽しくキャッチボールをしていた記憶がよみがえったりすると、「言い過ぎたかなぁ」と何とも言えない切ない気分になりますね。人生思い通りにはいかないものですし、それが人生ともいえますね。何だか、最後は演歌調になってしまいました〜。

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