monster

という漫画を読破した。

この漫画は本当に素晴らしい。

この物語の主旨は次のようなものだと僕は理解した。

「人間は誰しも光と陰の部分を持っている。様々な体験によって将来的にその光の部分を強く持つ人間となるか、陰の部分を強く持つ人間になるかが決まる。しかし、人間は自らを変えることが出来る。陰の多い人間であっても、光を持つ人間に変わることが出来る。だから人間の価値も変わる。人間が他社の価値を勝手に決めつけてはいけない。人間は互いに平等な存在なのだ。」


この漫画の偉大なところは、物語全体を通して、このメッセージを強く強く訴えかけてくることだ。物語が終わる頃には誰もが、その込められたメッセージに気づく。


この漫画で確信しましたが、良い漫画は明らかにほとんどの映画や小説より良いメッセージを発しています。

最近のハリウッド映画を何本も見るよりは、モンスターを通して読むことをおすすめしますね。


Monster (1) (ビッグコミックス)

Monster (1) (ビッグコミックス)

論理力をまだまだ鍛えないとな。

今日2つ良いことを学んだ。1つはまだ自分の中で腑に落ちていないためまだ書かない(ベクトルの話)。

もう1つは、考える際により多面的な尺度で見る事が大切だということ。

以前、楽天が今後衰退していくのではないかという記事を書いたが、この記事では、楽天が日本にばかり集中していて今更海外進出などを考えているようじゃダメだといったことを書いた。

今日、指摘されたのは、逆に楽天が日本にばかり集中しないで最初から海外進出策を取ってみたらどうなったかも考慮に入れるべきだということ。

つまり、楽天は海外進出を考えてなかったがために、日本ばかりに集中していたのではなく、海外進出と日本での事業を同時に進行することのリスクを考えて、日本市場をまず集中的に攻めていたという可能性も考慮に入れるべきということである。


確かにそう考えると、楽天のこれまでに取ってきた戦略は確かに合理的なものなのかもしれない。

それに関して、ここで詳しくは論じないが、今後、これまでに比べより俯瞰的に物事を観察し論じていく必要があると思った。

人に会う事

最近、創造性を発揮する、あるいは本当に有益な情報を知るためには、実際に人と会って話をすることが重要だということを何度か言われた。

なぜそれが重要か考えたところ、意外に単純なことなのかもしれないと思えた。


ネットや本の場合、その性質から言っても自分の知りたい情報ばかりが入ってくる。例えば、僕の場合ネットで仕入れる情報の大部分はIT業界の動向であったり、ガジェットに関する情報ばかりだ。またそれらの情報は日常の些細な出来事や感じ方に関するものよりは、ニュース性のあるものばかりである。

逆に人と会って話す場合は、入ってくる情報は自分の知りたい情報ばかりではない。だから自分の知りたい事を重点的に仕入れることには向いてないかも知れないが、その分これまで考えも及ばなかった情報や考え方を知ることが可能である。

特に新しい発想を出していく場合は、むしろ日常の些細な疑問や不満などの方が重要なことが多い。本などで仕入れる知識ももちろん大事だがそこに全く新しい考え方が入りそれが起爆剤となり新しいものが出来るのだろう。


ダイバーシティという考え方がある。日産自動車などが積極的に取り入れている考え方だ。これは、女性、障害者などこれまで企業が積極的に採用してこなかった人材を増やしていくことで企業としての多様性を出そうという考え方である。

今迄この考え方も、足りなくなりそうな労働力を補うこと、女性や障害者向けのマーケティングや商品開発で有利になるから導入しているものだと考えていたが、どうやらそれだけではなく、全く新しいものを生み出すための起爆剤を作り出そうとしているところも大きいようだ。


僕も、今後積極的に人と会う事を通して、自分にはない発想や情報を取り入れていこうと思う。

MatzさんとDanさんの対談

Rubyの生みの親であるまつもとゆきひろさんとカリスマプログラマー兼ブロガーの小飼弾さんの対談イベントがあったので行ってきました。

それにしても弾さんはブログや格好などと声のギャップに少し驚き、まつもとさんは以前にニコ動で講演みたことがあったから大体どんな人か知ってたけど。

特にメモとか取ってないのですが印象に残ったのは、まつもとさんが
「自分をいかに他の人と差別かするか」が大事と言っていた事(今日これを言うためだけに来たらしい)

どんな仕事でも人と同じことをやっているだけじゃ、代替可能なあまり価値のない人間にしか慣れない。それが嫌なら自分を差別化することが大事だとのこと。また弾さんによると差別化するにしても他の人から見て理解できる指標にしないとダメだとのこと。

なるほどと思った。

楽天もうダメじゃないか疑惑-その3

ウォルマートがHDを完全に販売中止してブルーレイに一本化したらしいね。
21世紀の『ベータマックス VS VHS』抗争もついに終わるときが来たのだろうか。東芝がどうするのか興味津々です。


で、こんなに書くつもりなかったのに3回目になる楽天だめじゃないか疑惑です。

1回目と2回目は楽天が何らかの対策を講じていくだろうということに関して言及していないのでここでします。

楽天だって何らかの対策するでしょ。って話。

楽天が出来そうな対策は以下の4つです。

1.ユーザーが価格と品揃え以外の点で楽天を選ぶ理由を作る
2.楽天市場以外の新サービスを成功させ、楽天市場の失墜をカバーする。
3.企業買収
4.海外市場で楽天市場を成功させる。

1に関して
楽天が価格と品揃え以外の点で出来ることはなんでしょう。僕は以下の3つが主なものだと思います。
1-1.ユーザビリティ向上
1-2.ポイント制などの付加サービスの更なる向上
1-3.製品ラインナップの差別化

1-1に関してですが、ユーザビリティの向上はコンンバージョン率向上(買う確率向上)につながります。当然楽天は今でもこれに取り組んでいます。(評価機能など)
レコメンデーション機能や検索技術の向上にも取り組んでいるようです。ここは今後しばらく期待できそうな分野です。何しろ今の楽天の検索性能はザルですから。

1-2に関して
ポイント制に関しては今でもやっていることです。そして楽天のポイント制度は今でも十分秀逸です。これ以上ポイントをあげたからといって楽天の利益が増えるかというと難しいと思います。(楽天もそこのトレードオフを見極めて今のポイント制を作っているはずです。)
1-3に関して
これはだいつんが言っていた通り、プレミアム価値のある商品を販売するなどが考えられます。しかしこの戦略にも問題があります。前回の日記で書いた通り、楽天は中小企業の寄せ集めに過ぎません。楽天がプレミアム商品を作るなら、これらの中小企業を説得する必要がありますが、実際にそこまでの商品企画能力や予算がある企業がいるのかというと微妙なところです。

また、楽天はこれまであまりに安さを売りにしすぎたため、プレミアム商品を売り出したとしてそのブランド力には怪しいものがあります。

2に関して
ここに関しては無理って単純に言えないですが、かなり厳しい気がします。
少なくとも、今までのIT業界には一つのサービスで大成功しているような企業で、もう一個サービス作ったらまた大成功した、なんてケースほとんどないです。技術偏重の企業ならIBMの例がありますが。マイクロソフトにしたって、売り物はずっと一緒で、オフィスとOSのみです。他にも色々出してますがとても、オフィスやOSの出す利益にはかなわない。
しかしアップルがipodを成功させたように、楽天にも成功の余地があるかもしれません。

どちらにしても、確信を持って取り組めるとは言いがたい領域です。
(アップルにしたってたくさんの商品が失敗し、つぶれる寸前になったりしながらやっといま成功しているのですから)
3.に関して
この戦略は今までも楽天が取ってきたものです。今のところあまり成功してないようですが。

4に関して
三木谷社長曰く、海外には日本の楽天市場と同じビジネスモデルはまだない。だから海外で成功できる余地は十分にある。とのこと。

まあこれに関して疑問に思うのは、日本市場だけで2000億円もの売上げを出せるビジネスモデルがなぜ海外でまだ一個もないのか?

だって、まだ全く利益出てない、ニコニコ動画のサービスでさえ海外で真似されてるんですよ。2000億円規模のビジネスを海外の人が見て、誰も今までやってないのは明らかにおかしい。

国外ではほとんど成功出来るビジネスモデルじゃないから誰もやってないんじゃないかと思ってしまう訳です。

楽天の海外進出は、他の国内企業が海外に出始めたことや、国内企業が国内だけで満足していることに対する批判、国内での事業が頭打ちになったこと。などの事象が重なって慌てて取り組んだものだと見えます。あるいは株価を保つためにしているのかもしれないですが。

とりあえず、ここに関してはあまり期待できないと僕は思ってます。

サイボウズアメリカで全く結果が出ず撤退したように、国内のモデルをそのまま国外で当てはめて成功できるようなケースはかなりまれです。しかもインターネット黎明期ならまだしも今頃になってやるなんて、正直きついだろうとしか思えない。



結論

楽天がやたらweb2.0と言ってる理由がここまで考えてみて分かりました。
1-2,1-3は既に取り組んでいること、楽天が中小企業で構成されていることから難しい。
2の楽天以外の新サービスを産むということも難しい。
3は今までやってきて成功していない。
4は一応取り組み始めたが期待できない。

残されたのは1−1のみ
楽天はおそらく、自分たちの生き残りの鍵が1-1のユーザビリティ向上の部分にあると考えているはずです。

例えばアマゾンのことでやたらロングテールという言葉が騒がれましたが、このロングテールが生まれた一大要因はレコメンデーションにあります。

楽天ユーザビリティを格段に向上させれば、既存ユーザー一人あたりの年間購買額が増えるはずです。また、コアユーザーで無い人をコアユーザーに変えられる可能性もある。

また楽天は、API公開で楽天商品が目に触れる絶対量を増やそうとしています。

このAPI公開とユーザビリティ向上が結びつけば、今の成長をしばらく維持する事が可能なはずです。

楽天もうだめじゃないかと3つ続けて書いてきましたが、まだ2、3年は観察が必要なようです。

もし、ユーザビリティがそれまでにほとんど改善できなければ、やはり楽天はもうダメだと思いますが。

ユーザビリティ向上が先かユーザー離れが先かってことですね。

楽天もうダメじゃないか疑惑-その2

サイボウズ社長の高須賀氏が社長が作った会社LunarrのサービスLunarrを使ってみた。衝撃的なツール!前にCnetでちらっと記事見て素通りしてたらこんな面白いサービスだったとは。

http://about.lunarr.com/

どんなものかは説明が難しいから、興味ある人は使ってみてはいかが☆

で、昨日書いた楽天もうダメじゃないか疑惑をもっと深めることにします。

ヨーロッパ進出がきついだろうという話はデータがやたら多くなりそうだし、分析も面倒なのでスルーしときます笑

で国内に関して

楽天が今後直面しそうな事は以下の2つだと思います。主な理由は競争の激化です。

1.ユーザー離れ
2.店舗の利益率低下

以下ではなぜこれが起こるかを書いていきます。

まず楽天でユーザーが買い物をする理由と考えられるものを2つあげます。
1.安いから
2.品揃えが豊富だから(探すのが簡単、ポイントをためやすい)

他にも理由はあるでしょうが、大きなものはおそらくこの2つでしょう。そしてこの2つの理由が消えつつあると僕は思います。


ECサイトの市場は確かに右肩上がりです。しかし、同様にECサイトの数も増え続けています。最近ではドロップシッピングという新しい形態のECも出てきました。
つまり単純にユーザーの選択肢は増えています。

結果、競争は激化しています。

楽天の店舗のほとんどは中小企業が運営しています。楽天自体は非常に大きいですが、実態は中小企業の寄せ集めなのです。だから商品の仕入れに関してスケールメリットは出しにくく、結局価格競争とはいっても限界があります。

対して、大規模ECサイトを1社で運営している会社はどうでしょう。彼らは、商品を大量に仕入れます。当然スケールメリット仕入れ価格は下がり、価格競争には強いと言えます。
さらに、彼らは楽天に対して手数料などを払う必要もありません。

このような大規模ECサイトとの価格競争に巻き込まれたら、楽天を構成する中小企業に勝ち目はありません。つまり安さだけだと楽天の店舗は負けます。


とはいえ、今既にECサイトはたくさんありますが、それでも楽天は好調です。僕が思うにこの理由は楽天を利用する理由のもう一つ、品揃えの豊富さにあります。

ITリテラシの低い人でも楽天に行けば何でも買う事が出来ます。それも割合安い値段で買えます。しかも日本のユーザーは一度使いだしたサービスをずっと使い続ける傾向にあります。そのため、他のECサイトを探すような検索技術を持たなければその人は楽天を使うでしょう。

しかしITリテラシの比較的高い人はどうでしょう。彼らはきっと楽天以外のサイトも検索するでしょう。例えば、女性なら家具を買うときベルメゾンと比較するかもしれません。スイーツを買うならOisixを見るでしょう。

少しファッションにうるさい人ならzozoを見るかもしれません。

そして、今の10代20代はほぼ皆ITリテラシが高い。彼らはおそらく楽天を多くある選択肢の一つとしてしか見ない。彼らは軽々と自分の目的とする商品の専門サイトを見つけるし、楽天に行けば何でもあるから楽天に行くなんてことはしないでしょう。

デパートに人が行くのは、そこに行けば何でもあることに加え、あちこち長い距離を移動しなくてすむからでしょう。

しかし、ネットでは、ワンクリックで他のサイトに行けます。リアルとは違います。

よって品揃えの豊富だから楽天を選ぶという理由は今後消えます。

これで楽天を選ぶ理由は安さだけになりましたが、上記の通り楽天の価格競争力はそれほど強くありません。

それでどうなるか。


まず、楽天のコアユーザーがあまり増えなくなります。なぜなら今の若者は楽天だけを使うなんてことはしないからです。そして、現在のコアユーザーも減ります。年を取ったり、ITリテラシが上がり他のサイトも使うようになったり理由は色々でしょう。ユーザー数は段々減少傾向になるでしょう。当然、年間の販売量は減ります。

他のサイトとの比較に勝つために、店舗はますます価格を下げるでしょう。下げた価格は店舗を運営する企業の財務を圧迫します。さらにユーザ数減少による販売量減少が、ますます店舗の財務を圧迫します。

そして、
耐えられなくなった企業から撤退が始まります。店舗が減れば、商品数も減りますからユーザーが楽天を選ぶ理由はさらになくなり、ユーザー減少は加速します。ユーザーが減れば店舗の撤退はますます増えます。


このようなスパイラルを通じて楽天は衰退していくと思われます。

長くなった。でも、まだ書いてないことあるからもう一個書くと思う。