いまや世界的な大所帯バンド、
渋さ知らズの1999年から2000年にかけてのドキュメンタリー・フィルム。
リーダー兼ダンドリストの不破大輔に密着同行する形で撮られている。
このフィルムは既に京都のクラブ、
メトロで「メトロ大学」なるイベントで観たのだが、
DVD化されたので再鑑賞。
やっぱり面白かったです。
ただ、そのとき観たフィルムとこのDVDは、
若干内容が違っているように思うけど、
そんなことはないかな?
DVD化でカットされているシーンがあるように思う。
渋さ知らズの音楽の形容・ジャンル分けには誰もが困ると思う。
一応浸透してるのは、
「サン・ラのようなフリー・ジャズのビッグバンド」という形容だろうけど、
内実に一番近いのは「サーカス」とか「芸能」だと思う。
サーカスが嫌いな人はあまりいないだろうから、
まだ渋さ知らズを体験していない人は是非足を運んでみるといい。
ただ、ぼくも渋さを体験したのは1度だけで、
京都市の市役所前広場でイベントがあったときだった。
真冬だというのにすごい熱気で、
終わった時には汗で服がびしょ濡れだったことをおぼえている。
思うに、彼らの音楽の面白さは1度体験するとよくわかる。
逆に言えば、1度体験してみないと、
録音を聴いてもいまひとつ何が面白いのかよくわからないかもしれない。
偉そうな言い方になるけど、これは結構本質を突いているんじゃないかな。
テーマはシンプルなメロディのユニゾンがほとんどだし、
ソロはリードミス続出、
ハイノート・フラジオ連発のいわゆる「勢い系」のソロ。
録音だけ聴くと、あまり惹かれないかもしれない。
ただ、このフィルムの中で、
参加メンバーが渋さ知らズの音楽について述べた言葉は的確だ。
普段自分がやっている音楽はジャズとかその周辺なんだけど、
そういった音楽で達するテンションよりも
渋さ知らズの音楽はもっと高いテンションから始まり、
しかもそれが下がることなくさらに上がりつづけていく…。
不思議なのは、なぜそんなテンションが維持できてしまうのかということ。
音楽的に面白くなければ飽きてしまうはずで、
それを1曲10分も20分も続けて緊張感を維持させるのには、
なんらかのマジックがあるに違いない。
ダンサーのいかがわしく安っぽい踊り、
ダンドリスト不破大輔のシンプルにして強固なディレクション…
そんなビジュアル的な要素も大いに関係してくるのだろう。
ユニゾンの不思議、というのもじっくり考えてみたいテーマだ。
モーニング娘も、パフィーも、ジャニーズも、
ユニゾンのマジックを最大限に利用してるもんね。
それにしても不破大輔の求心力はスゴイ。
フィルムの中でも語られるけど、半ば宗教じみてます。
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