一冊の翻訳を終えて


月並みですが、翻訳って難しいなって思いました。


これまでは、ビジネス書類の翻訳などをすることが多かったのですが、
今回の翻訳は「本」ということで、色々な違いを発見しました。


あたりまえですが、翻訳というのは原作ありきで、著者の文に忠実でなければなりません。
翻訳している途中に私が盛り上がってきてしまっても、勝手に文章を盛り上げてはいけないと思うのです。


ストーリーが展開していくと抑揚をつけたくなります。
でもその抑揚はあくまで私の解釈によるものなので、私の解釈を押し付けてはいけない、あくまでもフラットに訳さなければと思うわけです。
まあ、そうは言っても多少は私の解釈が入ってしまうのですが。
ただ、書類と違って本を訳す場合、あまりフラットにしてしまうと無機質で物足りなくなってしまうことが、今回本が出来上がってみてわかりました。
今回の反省点1です。


そして、原文に忠実に訳すという大前提と共に大事なのは、
日本語として自然なものにするということ。
よく翻訳本を読むと、
いかにも翻訳しましたという文体のものに出会いますが、
私はそういうのはすごく読みにくいなと思うので自然な日本語表現を重視しています。
これも・・・
今回一冊の翻訳を終えてみて、「言うは易し」を痛感しました。


「原文に忠実に」と「日本語として自然な表現」というのは時に矛盾するのです。
あまりにも日本語的表現にしてしまうと、原文と離れていってしまったりすることがあり、そのバランスが難しかったりします。
1. 日本語として自然な表現であること
2. 幅広い年代層の人にとってわかりやすい文章になるように過度に難しい表現を使わない
3. かといって稚拙な表現になり過ぎないこと
という3点にこだわって、今回の翻訳にあたったつもりでしたが、
本という形になったものを改めて読んでみると、
まだまだ未熟だなと思い知らされました。


でも次回はもっとうまくできる気がします!


それと今回の翻訳は、
シンハラ語→英語→日本語
とダブル翻訳なのも残念でした。
翻訳するとどうしても原文と違ってしまうので、シンハラ語から直接翻訳できればもっと良いものになったのでしょう。


でもね、シンハラ語って、とても読める気がしません。

これシンハラ語の新聞に載ったやつなんですが、見てくださいこの難解な文字。
この記事には私の愛犬ロッタのことも載っているようなんですが、どの文字がロッタなの?というレベルですね。
シンハラ語勉強しようかな?と思ったりもするんですが、この文字を見ると「また今度」って思っちゃうんです。てへ。