3D小説 岡田アユミ

2013-05-02

Scene10 01:50〜 3/4


 ウェブブラウザでインターネットに繋いで、まず表示されたのはメールボックスだった。
 自動的に、最新のメールが現れる――

 次は殺せ。
 切符切りを忘れるな。

 その、簡潔な文章に、背筋が震えた。
 なんだこれ。トレインマンは、誰かから指示を受けているのか? 殺せって、誰を? ――まさか、私を?
 すぐにでも助けてくださいとメールを送るつもりだった。きっと警察のウェブページにはメールアドレスが載っているし、メールの送信元を辿る技術だって持っているはずだ。
 早く、早く。メールを送らないと。
 でも手が震えて、上手く操作できない。視界がモニターに縛りつけられている。

 次は殺せ。
 切符切りを忘れるな。

 その、たった2行のメールは、途方もない力で私を引き寄せる。
 メールには画像ファイルが添付されていた。
 震えながら、そのファイルをクリックする。
 僅かな読み込み時間に想像したのは、モニターに私自身が表示されることだ。トレインマンの標的として、明確に私の姿が。
 でも、その予想は外れた。
 映っていたのは、ガラスケースに入った大きなジオラマだ。
 なぜだか私が生まれ育った町並みを、正確に再現した、ジオラマだった。


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