3D小説 岡田アユミ

2013-05-03

Scene21 2/2


 最後にもう1つだけ、思い出を語ろう。
 引っ越しの当日、ようやく黒崎くんからそのことを聞いて、もちろん私は泣いた。それは仕方のないことだ。いくら泣いても恥ずかしくなんてない。
 泣き続ける私に、彼はプレゼントをくれた。
 白と黒、2つのペンダント。白い方はちょっと変わったハート型で、黒い方は牙のような形をしている。その2つを組み合わせると、一回り大きな、綺麗なハートになる。
 黒い方は、黒崎くんのものだ。
 白い方を、私に贈ってくれた。
 でも欲張りな私は、それだけでは足りなかった。
「次に会うまで、交換しよ」
 そう頼んで、白と黒とを、交換してもらった。
 どちらかというと「黒」の方を手元に置いておきたかったし、なによりも私に必要だったのは、再会を誓い合うことだ。
 お互いのペンダントを交換して、黒崎くんは言った。
「いつかさ、毎日ここを、一緒に歩けるようになろう」
 もちろん、私は、全力で頷いた。

 私たちは、私たちの居場所を作るのだ。
 あのハートが綺麗な形を取り戻す時、きっとそれが叶うんだと、今でも信じている。


To be continued


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