3D小説 岡田アユミ

2013-05-04

Scene27 11:45〜 2/4


 彼はどこか誇らしげに、そのジオラマを眺めていた。
 私たちは2人で、建物を指さして。
 ――オレ、その本屋よく行くよ。立ち読みばっかだけどさ。
 ――あ。あっちの雑貨屋さんで、可愛い消しゴム見つけたんだよ。
 本当はもうお互いが知っていることを、ひとつずつ説明し合った。

 あれから10年経って、私は一人、ジオラマを見下ろしている。
 ガラスケースに入ったジオラマは、薄く埃を被っていた。
 私たちの町のジオラマ。この町が私たちのものだった頃の、ジオラマ。
 懐かしくて胸が熱い。
 私たちの小学校。私たちの通学路。私たちの思い出。
 その真ん中に公園があった。
 いつか、必ず、彼と毎日歩くことになる公園だ。


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