3D小説 岡田アユミ

2013-05-04

Scene23 10:30〜 3/5


 よく眠れた、わけがない。
 全身が気だるい。まったく疲れが抜けた気がしなかった。
 私は女性警官についてリビングに出た。
 テーブルの上には朝食が並んでいる。
 トーストに、スクランブルエッグ。ほうれん草とトマトに少しだけシーチキンが混じったサラダ。
「卵のアレルギーなんかないわよね」
「大丈夫です」
 食品にアレルギーはない。好き嫌いもほとんどない。
 だが、食欲もなかった。
「テーブルについて」
 カップにコーヒーを注ぎながら、彼女は言った。
「気づいてないかもしれないけれど、貴女はお腹を空かせているはずよ。人は緊張して、疲れると、カロリーを消費するものなの」

 彼女と向かい合って、手を合わせて、「いただきます」と言う。
 何もかもに現実味がなかった。いただきます、という言葉にも。
 でも、トーストを一口かじると、腹の底からリアルな空腹感が湧き出てきた。


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