フロム・ヘル

待ちわびたフロム・ヘルの邦訳入手!
ここのところ、ウォッチメンのコミックがバカ売れしたらしく、アラン・ムーアの未訳出ものがぞろぞろと出ているんですが、そのなかでも最も目玉と言える作品。
いわゆる“切り裂き魔ジャック”を題材にしたグラフィック・ノヴェル(まぁ簡単に言えば、大人向けの、ディティールにこだわった長編のアメコミ版の劇画みたいなものだと思っていただければ)でありまして、全編白黒でセックス&バイオレンス@19世紀の貧民街という感じなので、否が応でもフィルム・ノワールな重く冷たい感覚で淡々と進んでいきます。この漫画、すでにだいぶ前にジョニー・デップ主演で映画化されているやつです(こちらは観てないけど、まったくダメというはなしも聞きます)。

とりあえず読み進めてるんですが、これがまたね、かなりカロリーが高めでありまして。いま読んでいる感想だと、2周目に読んだときにはじめて全体が見えてくるのではないかとという感じです。ってアラン・ムーアの場合は、軽めの作品(最近出たトップ10とかエクストラオーディナリージェントルメンとか)以外は、ウォッチメンしかり異常なディティールの密度のものばかりなので、作風と言えば作風ですが(あ、でもなんだかんだ言って、さっき軽めと書いた作品も小ネタの密度ったらないですが)。
ともかく読み問いていくのに、かなりの脳を使いつつ、詩的言語を解読してくことが重要なので結構大変かもなぁ。と、もちろん、ウォッチメンの海賊物語のように、断片的に広がるそういった部分を切り捨てて読み進めることもできるのですが、やっぱりせっかくあるならね。


どうでも良いけど、早いとこアラン・ムーアの原作によるジョーカーものを含む短編集『キリング・ジョーク』も再発が早くでて欲しいものです。

ちなみになにか僕にプレゼントを考えてる人はどうにかして『キリング・ジョーク』をさらりと僕にくれれば良いと思います。

そういえば「アラン・ムーアはどれから読めば良いですか?」と聞かれたんですが、ウォッチメンはもちろんですが、実は「Vフォー・バンデッタ」とかもかなりナイスなので、ぜひとも見つけて読んでみることをおすすめします。蛮勇引力みたいですよね、あの漫画。

さて、今日は冗談もなしに、まじめに淡々と書いてみることに挑戦しました。しかも、作品紹介もレヴューもまともにやらずに。ハイ、試合放棄です。放棄した試合の方が、最近は多いものですから。

フロム・ヘル 上

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フロム・ヘル 下

フロム・ヘル 下

トップ10 (AMERICA’S BEST COMICS)

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