No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2008年8月13日 よろにく

最近くにもとの株が急上昇している関係で、他のお店の実力を再確認しなくてはならなくなった。
現時点で、私の中での最高峰の焼肉屋さんは金竜山とよろにくである。
金竜山の実力は確認したばかりなので、前回初めて少し満足感が足りなかったよろにくを訪問した。
お店に到着すると、達人がちゃんといるのでまずは一安心。
この達人、ホールでお客さんのお肉を焼いて回っているので店員さんと勘違いしていたのだが、実はこのよろにくのオーナーである。
焼き面子が揃うまでオーナーと他の焼肉屋さんの話をして待っていたが、この話がまた面白く、収穫が色々あった。
この日は通常のコースとは別の予算に応じたお任せで対応してくれるとのことで、期待が高まる。
途中でサラダやお吸い物も出てきたが、お肉で言えば、まず刺身系から。
ユッケの軍艦巻き、トモサンカク刺し、ハツ刺し、センマイ刺しはどれも旨い。
特にトモサンカク刺しは何度食べても飽きない旨さ。
1枚じゃ物足りないので、4,5枚いっぺんに食べたくてしょうがない。

焼き物のタンは2種類でてきた。
最初は薄切り。
このカットは通常のお店の薄切りとは違って、金竜山のタンのような薄切りで大判な斜めカット。
このタンは旨いが、金竜山のタンのようなジューシーさはちょっと足りず、普通のお店で食べれば満足するレベルなのは間違いないがよろにくというお店を考えるとちょっと物足りない。

次のタンは厚切りのタン元。
このタンの柔らかでありながらサクサクとした歯応え、ジューシーな旨み、共に最高だ。
今年食べたタンの中で間違いなくトップクラスに入る一切れだ。

ハツはいつも通りの旨さ。
やはりジャンボ系のお店のハツは旨い。
とにかく興奮してしまったのが、ハラミだ。
かなり厚切りのハラミだったが、その柔らかな肉繊維と、その繊維から溢れ出てくる旨みは驚愕の一言。
今までよろにくのハラミは、旨いことは旨いのだが特に感動したという事はなかったが、今回は違う。
正直こんな旨いハラミ食べた事がない。
今まで食べたハラミ1,000切れ(2,000切れ?)以上の中で間違いなくNo.1だ。

カイノミをサッと炙る程度で焼き上げると、これまた旨い。

シンシンもしっかりとした赤身の旨みがあるのだが、最近のくにもとと比べると、若干分が悪いか。

まあカイノミもシンシンも、ハラミのあまりの旨さの後で印象がかなり薄いのは仕方ない。
定番のミスジとザブトンは今更言うことはないだろうが、とにかく何回食べても旨いものは旨い。
特にザブトンは、いつにも増して脂の甘みが際立っている。
尋常じゃない蕩け具合に自然と声が漏れる。


まだまだ続くMeat、次はイチボ。
こちらもいつも通り旨い。

今回は見た目の衝撃度No.1はサーロイン。
普段のサーロインも極上品だが、今回のサーロインは更にすごい。
焼肉屋さんのサーロインは旨いのだが、高級な鉄板焼きで食べるサーロインと比べると若干負けてしまう場合が多いが、今回のサーロインは間違いなく最高級。
味の方も見た目通りで、脂の甘みそして赤身の旨みも最高だ。

ここで一通りお任せのお肉は終わってしまったが、お気に入りの巻きは当然注文。
この巻きもやっぱり旨い。
今までのよろにくの巻きの中で比べると、抜きん出る程ではないが、相当旨い。
私はこの巻きの甘さの虜になってしまっている。

〆の素麺を食べて満足感に浸っている時にテーブルに運ばれてきたのが、オーナーのサービスであるお店のまかない。
このまかないはタテバラの丼だった。
モミダレでもみ込まれた生のタテバラがご飯の上に、これでもかと言う程乗せられている。
このタテバラ丼は、満腹だった私の胃袋を容赦なく攻め立てた。
あまりに旨くて、タテバラとご飯を掻きこむのを止められないのだ。
ジャンボのシャバゾウ焼きと並んで、ランチに食べたい肉料理の双璧だろう。

今までよろにくは私の中で最高のお店だったが、今回はその中でも最高の焼きだった。
出されたほとんどが最高級で、特にハラミ、タン元、サーロイン、ザブトンはずば抜けていた。
あれほど満腹だったのに、帰りの電車で、ハラミをお代わりしなかったのを後悔したくらいなのだから。