No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2011年11月8日 七厘


今回はお任せコースでもなく、悶絶コースでもなく、中原さんと相談しつつ食べたいものを食べたい味付けでお願いしてみた。
幻のタン
"七厘"は予約をしておけば、誰でも極上のタン元を食べる事ができるのだが、実はこれはすごい事なのだ。
生の黒タンの根本など、なかなか仕入れられないし、仕入れられても常連用っていうのが普通だと思う。
今回はいつも以上のすごさ。
太さ、サシの周り具合、ハリ、どれも最高級品そのもの。
そして期待を裏切らない旨さ。
ちなみにタン先やタン筋も邪魔者扱いしないで、しっかりと噛み締めて欲しい。
きっとその旨さに感動するだろう。




サーロイン
最近の赤身ブームはすごく理解できる。
赤身は旨いし、黒毛和牛以外にも旨い牛は色々いるのだろう。
ただ、『A5のサーロインなんて脂っぽくて美味しくない』と思っている方にこそ、このサーロインを食べて欲しい。
30ヶ月以上丁寧に育てられた雌の黒毛和牛の上品な甘みと旨み。
そのしつこさを感じさせないさっぱりとした脂は、きっとあなたの概念を変えてくれると思う。

カイノミ
隠し包丁が深すぎて、ボロボロとした食感になってしまっているのが勿体無い。
肉汁の味わいはしっかりしている。

タテバラ
バラらしいバラ。
脂が強いのに、お肉の味わいも消えていない。

シンシン
しっとりとしていて、鼻に抜ける芳醇な香りにウットリ。
赤身とサシのバランスも素晴らしく、これぞ黒毛和牛の赤身。

トモサンカク
細かなサシが口の中でほわっと広がるのだが、これが全くしつこさを感じさせない。
脂が苦手になってきたが、それでもサシの入ったお肉を少し食べたい、という方には絶対トモサンカク。

ミスジ
モモ系に比べると味の濃さでワンランク劣るが、その独特な食感がミスジならでは。
味の弱めのミスジが多い中、この旨さは頭一つ抜きん出ている。

サーロイン
先ほどのサーロインとは位置がちょっと違う部位。
食感は先ほどのサーロインに及ばないかもしれないが、旨みは決して劣ってない。

シャトーブリアン
大理石を彷彿させるサシの入り方が美しい、しかもデカイ。
1人1塊とは・・・。
黒毛和牛のシャトーブリアンでしか生み出せないと思わせる食感と柔らかく深みのある味わい。
ここ数年は、焼肉屋さんでも見かけることが多くなったこの部位だが、ここまでのレベルのシャトーブリアンにはなかなか出会えない。


しゃぶすき
ランジリをしゃぶしゃぶ風に。
サシもしっかり入っているが、赤身の部分もあるので、中トロのよう。
ネギがお肉の旨みを引き立て、料理としての完成度の高さがうかがえる。




最近訪問頻度が上がっているにもかかわらず、毎回驚かされるそのポテンシャル。
正統派の焼肉で変化球は少なめだが、その直球の切れ味には感服するしかない。
今ブログを書きながら考えているのは、次の訪問日をいつにするか、という事だ。