No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年6月17日 にくの匠 三芳

最高の職人は 最高の素材を求める。
素材の刺激が職人をさらに育て、職人の思いが素材をさらに良くする。
兵庫の川岸さんが肥育した神戸ビーフの中でもピンのピンだけが最高の職人のもとに届く。
稀代の職人、"三芳"の伊藤さんの手にはこの日もとんでもない素材が集まっていた。

タン、ハラミ(屠畜2日後)
川岸さん肥育の純但馬血統、照忠土井-福芳土井-第2安鶴土井
個体識別番号1375139661、神戸ビーフ、月齢36カ月、雌
ヒレ、サーロイン、イチボ、ミスジ、トウガラシ
川岸さん肥育の純但馬血統、丸宮土井-福芳土井-照長土井
個体識別番号1375144771、神戸ビーフ、月齢32カ月、雌
ヒレ
勢戸さん肥育の純但馬血統、照忠土井-福俊土井-照長土井
個体識別番号1375136455、神戸ビーフ、月齢33カ月、雌
サーロイン
勢戸さん肥育の純但馬血統、丸宮土井-福芳土井-照長土井
個体識別番号1375149844、神戸ビーフ、月齢33カ月、雌

牛肉のスープ
舌の上に広がる旨みが素晴らしく、ジュンサイの食感が活きている。
満足度 4

タンの昆布締め
"三芳"の定番だが、毎回食べずにはいられないメニュー。
ねっとりとした旨みが舌に絡みつく。
満足度 5



イチボのたたき
表面の軽い火入れで身が程よく締まる。
その中から凝縮した旨みが溢れ出す。
川岸さんの神戸ビーフらしいインパクト。
満足度 5

ミスジとアワビのお椀
ちゅるっとしたミスジの食感がアワビの贅沢さに華を添える。
満足度 5+

加茂茄子の牛脂揚げ
パッと見は肉が見えないのだが、実はちゃんと肉料理になっている。
滑らかで香りの良いサーロインの脂で揚げられた賀茂茄子は、コクの風味が強い。
満足度 5

サーロインご飯
川岸さんのサーロインの上には、その日のうちに築地から届く最高の雲丹がたっぷりと添えられている。
口の中をねっとりとした雲丹の甘みが覆い尽くすが、そこからサーロインの存在感がぐいぐい顔を出す。
満足度 5+


トウガラシの土佐酢ジュレかけ
トウガラシが他の食材と絶妙なバランスを生み出している。
滑らかで滋味深い。
満足度 5

タン焼き
2日前に屠畜された川岸さんの神戸ビーフ、しかも月齢36か月の長期肥育の個体。
弾力と雑味が一切ない純度の高さが凄い。
満足度 5++



ガリの素揚げ
タンと同じ個体のサガリ
ぐっと締まったサガリには非日常的な味わいが隠されている。
満足度 5

ハラミ焼き
こちらも月齢36か月の個体。
サシが感じられるが、それが驚くほどピュアでキレイな旨みを教えてくれる。
満足度 5

テール
噛み応えがあるが、それが嫌な感じでない。
噛めば噛む程新しいテールの旨さを知る。
満足度 4

サーロインと早松のしゃぶしゃぶ
牛肉の王様であるサーロインの旨さを100%発揮してくれる。
食感、香り、旨み、全てが完璧。
満足度 5+

ステーキ食べ比べ
川岸さんのヒレとサーロイン、勢戸さんのヒレとサーロインを同時に食べ比べる。
肉繊維の繊細さ、鼻腔をくすぐる芳醇な香り、奥歯で押し込む度に脳まで刺激が届くような旨さ。
それぞれの生産者、それぞれの部位の違いが如実に伝わる。
シンプルでありながら複雑で深みのある旨みは最高峰の中でも更に最高峰だろう。
満足度 5++
(川岸さんのヒレ



(川岸さんのサーロイン)



(勢戸のヒレ



(勢戸のサーロイン)



一切の誇張なく、伊藤さんは今牛肉を扱わせたら日本一の職人だろう。
最高の素材と共に、"三芳"が何処までいくのか近くで見続けていきたい。