No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年12月29日 都内某所

今までとにかく牛肉を食べまくってきた。
食べて食べて食べまくっている中で、衝撃を受けるような牛肉に出会うことがある。
1年に1度か2度位かもしれないが、そういった牛肉の情報を徹底的に調べ、蓄積する。
情報がたまるにつれ、面白い事に同じ条件が重なる。
ブラインドで食べながら、そうやって自分の軸を作り、自分の好みに合う生産者が浮き彫りになってきたのだ。
だいたい全国の牛肉を食べ来た。
しかしまだ攻略しきっていないモノがある。
それが特産松阪牛
元々松阪牛全体の中でも3%位しか生産されてないようで、地元での消費が多く東京への出荷も少ない。
値段も非常に高額なため、なかなか口にする機会が少ない。
そんな特産松阪牛を知る為に、2016年末から2017年は特産松阪牛を出来るだけ食べようと思っているのだ。
その手始めとして、今回は同じ生産者で2頭の個体を食べる機会に恵まれた。


○テート
個体識別番号1374828597、月齢43ヶ月、雌、松本さんが肥育した特産松阪牛
血統は芳悠土井、福芳土井、照長土井



○フィレミニヨン
個体識別番号1420107201、月齢48ヶ月、雌、松本さんが肥育した特産松阪牛
血統は照一土井、福芳土井、菊道土井



○サーロイン(フィレミニヨンと同じ個体)
個体識別番号1420107201、月齢48ヶ月、雌、松本さんが肥育した特産松阪牛
血統は照一土井、福芳土井、菊道土井




月齢48ヶ月の雌の純但馬牛という、通常ではお目にかかれないような個体のため、ヒレとサーロインを購入。
更に比較の為に、こちらもあり得ないレベルの月齢43ヶ月という個体のヒレも購入した。
テートもフィレミニヨンもヒレらしい柔らかさだが、肉の旨みという点に関しては月齢からイメージする味わいとはかなり距離がある。
旨いことは旨いのだが、43ヶ月や48ヶ月という言葉に対する期待が高すぎたのかもしれない。
サーロインは脂の重たさがなく、すっきりとした甘みで、肉の味もある。
分厚いステーキで食べるのがベストだろう。
今回思わず注文してしまったのは、月齢48ヶ月に惹かれて。
結局同じ生産者の48ヶ月と43ヶ月の食べ比べをしたが、月齢の長さからイメージしていたものとは少し違った。
生産者の肥育方法によるものもあり、月齢が長ければ長いほど良いというわけではないのだろう。
こういった経験を積むことが、私の牛肉に対する軸をさらにしっかりと作り上げてくれるような気がする。
ちなみにハラミ鍋ってものもしてみました。


(参考)Yakipedia
○特産松阪牛
雌の兵庫県産但馬牛の子牛を松阪で約30ヶ月(900日)以上肥育した松阪牛
要は月齢38ヶ月以上の純但馬血統の雌ということ。
ちなみに、かつては純但馬血統しか松阪牛と名乗ることが出来なかったが、平成14年に定義の変更があり、純但馬血統でなくても松阪牛と名乗れるようになった。
その為、かつての松阪牛の特徴を今でも強く残しているのが特産松阪牛なのだ。