Baatarismの溜息通信 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007-07-09 誤解される麻生太郎 このエントリーを含むブックマーク

先月、麻生太郎外相の著書を立て続けに読んだのですが、一番印象的だったのは、どちらの本を読んでも、観念的なナショナリズムの臭いが全くしないことでした。

とてつもない日本 (新潮新書)

とてつもない日本 (新潮新書)

自由と繁栄の弧

自由と繁栄の弧

もちろん、麻生氏も日本に対する誇りは強いのですが、彼の誇りの対象は、観念的・抽象的な日本という国家概念ではなく、過去や現在の日本人が具体的に成し遂げてきた/成し遂げている成果の蓄積であると思います。また、彼の考え方には他民族に対する排他的な思想が全くないのも特筆すべきでしょう。これは最近日本でも強まっている排他的ナショナリズム(反○ナショナリズム)とは全く異なるものです。

しかし、麻生氏を支持する人の中にはナショナリストや排他的ナショナリストも多く、そのような人たちは、麻生氏もナショナリストであると信じています。また、ナショナリズムを批判する左派の中にも、彼がナショナリストであると考えて批判している人は多いです。このように麻生太郎という政治家は、批判者のみならず支持者からも誤解されているのではないかと思います。


だから、もし麻生氏が首相になり、著書の中で語っていたような考え方の政策を行ったなら、これまで彼を支持してきたナショナリストを失望させるものになるのではないかと思います。そうなったとき、そのような支持者は一転して麻生批判を始めるのかもしれませんね。

sunafukin99sunafukin99 2007/07/09 21:10 私も麻生氏の発言や著書をこまめにチェックしてるわけじゃないのですが、というかほとんど知らないのですが、確かにご指摘のような雰囲気は感じるところがあります。その意味では現在の有力閣僚の中では保守本流のDNAを実はもっとも強く受け継いでるのかもしれないです。お祖父さんの吉田茂の面影を感じたりもするのですが。一度著書も読んでみたほうがいいかもしれないですね。

faustfaust 2007/07/09 22:28 >彼の考え方には他民族に対する排他的な思想が全くないのも特筆すべきでしょう。
差別部落に対する発言がありましたけどね、過去に。
野中氏に対して。

BaatarismBaatarism 2007/07/09 22:52 >sunafukin99さん
確かに吉田茂氏の影響は強そうですね。「麻生太郎の原点祖父・吉田茂の流儀」という本も出してるくらいですし。

>faustさん
その発言は麻生氏自身は否定してますね。裁判でもやらないと、本当のところは分からないのかもしれません。

baさんを尊敬する者baさんを尊敬する者 2007/07/10 00:41 実際に本に目を通されるとはさすがはbaatarismさんですね。ご指摘の通り、麻生さんという人は、排外主義的な外交姿勢というものは全く持っておられません。この点は、安倍総理と全く同一のスタンスです。

近年、実際には存在しない、政権内の「極右」勢力に対する批判がありますが、外相・総理といった重要ポストに手がかかる有力政治家の中で、排外主義的なナショナリズムを唱えている人は自民党の中には一人もいないと言って良いでしょう。また、近年の「右傾化」を「大日本帝国の再来を目指している」と指摘される方もおられますが、もちろん、そのご意見はご意見として尊重しますけれども、安倍総理・麻生外相のように、最近の保守政治家は自由・人権・民主主義に完全にコミットしてしまっているため、安倍政権や(仮に来るとして)麻生政権でこれらの(戦後民主主義的な)価値が制約されるということはまず考えられません。

というよりも、時折驚くのが、安倍総理の「価値観外交」(=自由と民主主義を世界に広げていこうという外交姿勢)にしても、麻生外相の「自由と繁栄の弧」にしても、これだけ戦後民主主義的な価値観にどっぷりつかり、その価値を認めている政治家が、一体全体どう評価したら「極右」になるのか、ということは真面目に彼らの主張を書籍で読んだ人は感じざるをえないと思います。

アメリカと組む以上は、人権と民主主義には手をつけられません。例えば、戦前的な慣行から行けば、フィリピンパブで働く女性の人権など見向きもされないところでしょうが、アメリカからの「人身売買、人権侵害である」という批判を受け、日本政府は年間10万人近かったフィリピン人ホステスへのビザの発給を大幅に縮減し、今やフィリピンパブは風前の灯火です。このように、アメリカと組むということはどうやっても、人権と民主主義には価値を置かざるをえません。また、今は、戦前とは比べ物にならないほど、各種国際条約による、人権に関する強烈な縛りがあり、制度的に人権侵害はできない状況にあります。仮に、人権や民主主義に対する制約を「大日本帝国の再興」と言うのなら、アメリカと決別し、国際社会から孤立するという選択肢をとらない限り、いかなる政治家でも大日本帝国の再興は不可能という状況です。実際問題、戦前の経験から、「国家」なるものの価値を徹底的に剥奪し、国家なるものの存在を限りなく押さえ込もうとする傾向のある我が国を除いて考えれば、安倍総理や麻生外相のスタンスというのは、「穏健な保守」というのが限界の評価で、「過激な保守」とか「極右」として評価することは不可能だと思います。

人権や民主主義に対して批判的な傾向のある東アジアの首脳の中で、安倍総理や麻生外相の自由や人権、民主主義に対するマンセーぶりは突出しており、ここまでアメリカの価値観に全面的に賛意を示す政治家を「極右」と評価するのはどうやっても無理だろうと思います。
あと、ネットでごく稀に耳にする、「経済成長を否定する保守」なるものも、与党の有力政治家に限って言えば、そんな主張をしている人は聞いた事がなく、批判のためにする空想上の生き物でしかないと思います。
「思想」批判は、書籍などで確かめない限り、「そんな事言ってる人は一人もいない」のに。いつの間にか架空の存在を作り上げて批判することになりがちです。その意味でも、漠然とではなく、「誰が、どういうことを」言っているのかを把握した上で議論するのが望ましいのだと思います。

そのためには、書籍を読んだりとコストをかけないといけませんが、そうしないと、勝手にその人の思想を作り上げて批判することになりかねないと思います。

kokotarokokotaro 2007/07/10 00:59 この本の直前に麻生和子著「父 吉田茂」を読みました。
まさに麻生太郎の母だと感じることができる本でした。
言い換えれば、この母だからこそ、今の麻生太郎がいるのでは?とも。
男系の系図では、派手な人物はいませんが、女系をたどると近代外交の重要人物の娘さんとかだらけなんですよね。しかも箱入りじゃなく父や夫について行くタイプの。

知れば知るほど興味がわく人物です。

BaatarismBaatarism 2007/07/10 12:29 >baさんを尊敬する者さん
自民党にも排外主義的なナショナリズムを唱えている人はいるのでしょうが、首相、外相、官房長官クラスとなると、そういう人はふるい落とされてしまうようですね。そういう人が大統領になってしまった隣国の混乱ぶりを見ていると、自民党にはそれなりの知恵があるんだなあと思います。

>kokotaroさん
その本はまだ読んでないです。そのうち読んでみたいですね。

大須田勉大須田勉 2007/09/19 16:17 ただ、綺麗な水にしか住めない金魚みたいな政治家いるんですかネ?麻生太郎は地元ではASOグールプの大金持ち、それが国民の苦しい心を理解できる?大須田勉

BaatarismBaatarism 2007/09/19 21:42 >大須田勉さん
別に麻生氏が聖人君子だとは言ってませんよ。良い政治さえ行ってくれれば、家が金持ちだろうが貧乏だろうが、別にどっちもでも良いです。

大須田勉大須田勉 2007/09/20 10:56 たしかに、あなたの言葉はうなずけるし説得力はある。短いコトバで的を得ている。そのとうりだ!と思えた。「良い政治」とは?なんだろう。

BaatarismBaatarism 2007/09/20 12:34 >大須田勉さん
人によって「良い政治」は違うのでしょうが、僕は「生命・自由・財産の保障」を重視する考え方です。もちろんこれらを同時に保障しようとすると、どうしても矛盾が生じてしまうのでしょうが、全体としてこの3つができるだけ保障される政治を「良い政治」だと考えます。

大須田勉大須田勉 2007/09/20 13:59 私はセンター試験=政治経済で受験した。だからその程度で自分的に知っている。まさに、あなたと「良い政治」は完全一致している。というより、あなたは、物事を端的に記載できる人=このHPを持つからには明快です。あとは私が一米粒のようにざわざわ雑音を述べることもなし。政治と宗教議論には、むずかしい。
(注)=大須田勉は宗教とは過去現在無縁です。

あきあき 2007/10/13 06:44 排他的ナショナリズムとは、反中・反朝の事を指しているのでしょうけど、まるでそれがイケナイ事のように書いておられますが、それは違います。勘違いしてはならないのは、反中・反朝の動きは、余りにも行き過ぎな反日活動に対して、謂れの無い中傷や被害を受ける日本国民として当然持つべき反作用の動きなのであって、それを止めたければ、まず、彼らに反日活動をやめさせるべきです。それなのに、中国人・朝鮮人の反日活動は見てみぬ振りをして、日本人が反発したら、いけないことだとレッテルを貼って批判するのは、完全に間違っている行為です。反省した上で訂正すべきだ。

BaatarismBaatarism 2007/10/13 20:37 >あきさん
別に僕は中国人・朝鮮人の反日活動を見て見ぬ振りしようとは思いませんよ。ただ、日本人に彼らのようになって欲しくないだけです。