2009-11-14 いくら騒ごうとも財務省の掌の上?
「事業仕分け」の裏側は?
11/11から行政刷新会議による「事業仕分け」が始まりました。誰でも自由にその様子を見物できることから、マスコミ報道ばかりでなく、twitterによるリアルタイムの中継(いわゆる「tsudaる」)も行われ、世間の評判を集めています。僕も昨日twitterを見ていたところ、科学技術分野の事業が軒並み切られていく様子を嘆く発言が多く「つぶやかれて」いました。
ただ、「事業仕分け」も全ての事業を対象にしているわけではありません。事業仕分けによる予算削減の目標が3兆円ということですが、来年度の予算総額は90兆円を超えるとも言われていますから、3兆円はわずか30分の1に過ぎません。従って、「事業仕分け」で取り上げられるのは、全事業のほんの一部と言うことになります。それでは、誰が「事業仕分け」の対象となる事業を選別したのでしょうか?
また、1日に何十件もの事業を仕分けするわけですし、1件にかけられる時間はわずか1時間ですから、どうしてもあらかじめ論点を整理したり、問題点を指摘しておく必要があります。「事業仕分け」の結果はそのような作業に大きく左右されると考えられますが、その作業を行っているのは誰なのでしょうか?
そのような作業を行っている「裏方」が誰なのか、伺うことが出来る記事を見つけました。*1
旧大蔵省出身の加藤秀樹行政刷新会議事務局長は9日、都内の日本記者クラブで講演し、仕分け対象の447項目について「国の事業の1割にも満たない。材料がすべて出ているとは思えない。来年度以降、第2弾、第3弾をやる」と息巻いた。加藤氏のもと仕分け対象の選定は財務省主導で進んだ。
財務省主計局は10月中旬、財政健全化を目指して総額5・3兆円の候補リストを刷新会議に報告、事業別にランク付けするサービスまでしてみせた。民主党支持の有力団体、日本教職員組合(日教組)は、「義務教育費国庫負担金」の国の負担率アップを求めていたが、対象事業として俎上(そじょう)に載り、「削減を目指す財務省の意見の方が通った」(党中堅)とされている。
ページが見つかりません - MSN産経ニュース
十一日に始まった行政刷新会議による「事業仕分け」は、対象となった事業の多くが「廃止」や「予算縮減」と結論づけられ、予算圧縮を進めたい鳩山内閣にとって上々の滑り出しとなった。しかし、この日、議論をリードしたのは財務省主計局。脱官僚を掲げるものの、時間的、人的な制約から主計局に頼らざるを得ない鳩山内閣と、予算圧縮を強力に進めたい主計局の思惑が一致した形となっている。 (清水俊介)
事業仕分けはまず、要求側の省庁が事業の必要性を説明。その後、財務省の主計官が査定担当として、削減の必要性を説明し、議論が始まる。
「(厚生労働省の健康増進対策費は)国がする必要があるのか」
「(農林水産省の田園整備事業の)新規施設整備は不要ではないか」
主計官の説明は、膨張した予算の概算要求をとにかく削り込みたい行政刷新会議側にとって、心強い言葉のオンパレードだった。
この日の作業には、仕分け対象事業の目的や予算額が記載された「施策・事業シート」とは別に、主計局が作成した「論点等説明シート」も配布された。
ある主計官は「通常の査定にあたり、要求官庁に対して投げかける疑問点などをまとめた」と打ち明ける。このような論点ペーパーを同省が公表することは珍しく、効果は絶大だった。
仕分け人らから投げかけられる質問の多くは“主計官による視点”。論点ペーパーに挙げられた個別の施設名や数字を参考にして質問する仕分け人が多く、議論をリードしたのは実質的に論点ペーパーとも言えた。
財務省幹部は「こちら側が紙を出したから、議論がスムーズに進んだ」と振り返る。事業仕分けに参加した主計官は「ここで出た決定は当然、重い」と、財務省にとって、刷新会議の“お墨付き”を得たことに満足そうだった。
東京新聞:ページが見つかりませんでした(TOKYO Web)
これらの記事にあるように、「事業仕分け」の候補リストを作ったのは財務省主計局でした、そして議論も財務省主計局が作成した「論点等説明シート」に沿って進み、結果が出ているようです。そしてその結果は、財務省にとって刷新会議の「お墨付き」となるようです。
つまり「事業仕分け」を裏側で仕切っているのは財務省主計局ということになります。このような話を知ってしまうと、大々的に報道されている「事業仕分け」も、所詮財務省の掌の上かと思って、白けてしまいますね。
もちろん個々の事業については、予算削減や事業廃止となるのが納得できるものも、疑問が残るものもあるでしょう。しかし、いずれにせよ、誰がどのような意図でこの「事業仕分け」を行ったのか、知っておいた方が良いと思います。
こういう実態を見ていると、民主党が主張していた「脱官僚」は、単なるポーズでしかなかったと判断するしかないでしょうねえ。
*1:東京新聞の記事は、元々上野泰也氏の記事で知った話です。(「火種」を打ち消そうとする「キャッチャー」 藤井財務相発言)
- 201 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=c9113ed44cd419a8abf321af5421a967
- 198 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=3eebace824bb60a10f13c841c2c64478
- 174 http://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/
- 118 http://www.google.com/search?hl=ja&lr=lang_ja&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=baatarism&num=50
- 115 http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4SUNA_jaJP292JP306&q=普天間基地移転候補
- 98 http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/
- 88 http://search.yahoo.co.jp/search?p=高橋洋一 冤罪&rs=2&tid=top_ga1&ei=UTF-8&fr=top_ga1
- 72 http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/Baatarism/20091114/1258188283
- 60 http://b.hatena.ne.jp/hotentry/economics
- 55 http://awasete.com/show.phtml?u=http://sikkojikken.at.webry.info/

ノーベル賞受賞者が怒るのも無理は無い。
民主党の蓮舫のような科学技術に無知で、日本の将来に無関心な人物が仕分け人では、致し方ないこと。
毎年2.5兆円の税金を使う高速道路無料化は、無駄な予算であるから、事業仕分けによって廃止してもらいたい。
http://grape.mtk.nao.ac.jp/~makino/articles/future_sc/face.html
これを好意的に解釈するなら、今は財務省主導でやらせておいて、機が熟したら、最後に残った財務省を切り崩す――なんて、西南戦争みたいな戦略と、考えることもできるのですが……。楽観的すぎますね。(笑)
戦略かどうかは別にしても、現時点で考えられるベストな展開は、そんなところではないかと思っています。
彼らは政権交代がまた発生すればすぐそっちにつくだろうし、そういう意味では誠実に役人としての仕事をしているだけだしょう。
役人が仕事をすること=悪っていう前提でここまできた民主党が舌をかみ始めているのは確かだとは思いますけどね。
そもそも、国家を動かすための膨大な仕事を処理しているのは結局の所官僚達な訳です。
「脱官僚」と叫ぶからには、彼らを御して尚かつ依存しないだけの能力が求められますが残念ながら口だけの彼らにそれはない。
結局、口では相変わらず威勢の良い事叫んでも管理人さんの言うような有様になる訳でして。
おざーさんからすれば、有権者の支持を得る為の選挙用フレーズでしかないんでしょうがねぇ。真に受けている長妻や原口辺りがピエロ役ってところでしょうか?
概算要求にしても昨年度は2番目に多い額を要求しておきながら今年度は非公表にしてますし
他にも郵政のトップに大蔵OBを任命したり・・・
こんなんでは財務省主導の政権といっても差し支えないと思います('A`)
確かに高速道路無料化と比べれば、次世代スーパーコンピューターなどの方が有用な使い道でしょうね。
>hogeさん
今後どんな方式が主流になるかは国家では判断出来ないでしょうね。特定の「次世代産業」を育てようとする産業政策がほとんど失敗するのと同じ理由なのでしょう。ただ、科学技術関連予算の場合は、産業政策よりも賭けの側面が強くても良いでしょうから、ある程度は「外れ」があっても許容されるべきだと思います。
>SMAP/Vさん
財務省主導だという認識が広まっていくのは良いことでしょうね。
ただ、民主党に財務省を切り崩す力があるのかという問題がありますが。
>ppgさん
財務省が自ら表に出て、責任を持って事業仕分けをするのなら良いのですが、今回は行政刷新会議の裏に隠れてこそこそやっているように思うんですよ。そこが気に入らないんですよね。
>taka234さん
官僚を排除して国政を行うのは不可能ですからねえ。だから彼らのやり方を熟知した上でうまく使いこなさなければならないのですが、今の民主党にはその能力があるようには思えないんですよねえ。
>現在契約社員さん
確かに事業仕分けをするのなら、財務省自体の事業も問題にしないといけないですよね。僕の知る限り、どの報道もそこは突っ込んでないですねえ。もしそういう記事があったら教えて欲しいです。
それでこの後に大臣が閣議で復活折衝をするのでしょうか。民主党の言う政治主導って、官僚が描いたシナリオ通りに大臣が演技をすることを指していたのでしょうか。
官僚のシナリオ通りに演じる大臣と、その内閣に質問すらできず、内閣の言うがままに賛成ボタンを押す与党。なんかむしろ官僚による立法府の支配が強化されているような気がしてならないです。
しかし財務省の悲願は増税のはずですから、どこかで増税の主張する政権を成立させるのではないかと思います。事業仕分けが成功したとしても民主党がマニュフェスト項目を諦めない限り、来年度の新規国債発行額は50兆円を超えるわけで、どこかで財務省は消費税の税率をアップさせるか、マニュフェスト項目を諦めるかの二者択一を迫るのではないでしょうか。
にしてもここまで民主党が財務省べったりになるとは思いませんでした。何か弱味が・・・あっ!国税か!脛に傷がある人が多いようですからね、今の与党の首脳には。
このまま財務省べったりだと、どこかで消費税増税の話は出てくるでしょうねえ。それまでに景気が回復していれば良いのですが、今の様子じゃそれは期待薄ですねえ。
こんな状況を見ていると、族議員という批判はあったとしても、自民党の政治決定システムはそれなりに財務省を押さえて、様々な事業に予算が回るようにしていたんだなあと思います。
藤末健三:Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E6%9C%AB%E5%81%A5%E4%B8%89
なお、余談ですが池田氏によると日経は「リフレ政策は奇策なので全社あげて反対」との事。リフレが受け入れられないのはこういうのが素地にあるのではないでしょうか?
池田信夫twitter
http://twitter.com/ikedanob/status/5707386452
だから障害が消えていけば中国人一人当たりの平均購買力が2〜3倍になるのと同時に、日本人のそれは半分から3分の1へ進むと思うんですね。民間が先行して消費者物価や公務員がそれに続かざる得なくなると思うんですよ。
流石に労務コストとかが5割り増しとか2倍程度なら、発注ならともかく拠点移転とかはカントリーリスクや民度を勘案すれば大きなメリットにならないでしょうけど、仮に我が国もカントリーリスクや民度が逆転したり同じ程度に混沌となれば、純粋に多国籍企業の合理的判断で労働市場の移転が起こるでしょう。
日本が陥ってる状況は先進国病・英国病の亜種だと思うんですね。彼らは国威プレゼンス等を守るために安い移民労働力を国内へ招き入れ、或いは彼らの文化文明的な同化を期待し幾ばくかの成功は得たんですが、ワールドクラスアッパーの地位保全が守られた一方で大衆レベルの生活文化は自己同一性を失ったんじゃないかと思うんですね。
で、日本のエスタブはというとそういうのを見たり感じたりしてるから迷うてる訳ですよ。彼らにしたら日本的情緒や文化に依存してその地位に居る訳ですから、その下部構造を破壊してしまったら欧米ルールや中華ルールで地位保全せんとならん。そんな自信はほとんど無い訳です。
そう考えていくと、ともかく碌な対策はなくて頼りになるのは蓄えた既存財産であり、その目減りや供出は嫌がる訳です。
環境・先端技術等は後進国に無償供与させられたりパクられたり、或いは国際ルール作りは日本パッシングされそうで、そういう事で国力を維持増進出来ると前もって含慮して航行を続けられない訳です。
こういう心情から見れば、貯蓄だけが頼りなのにリフレ策はその貯蓄さえ無くして日本が10年後には裸で放り出されかねないと言う事になるんでしょ。
次世代スパコンについては、藤末氏や池田氏以外にも、現行方式でよいのか疑問視する声もあったように思います。ただ、「方式を見直せ」と「事業中止」では全然違うとは思いますが。
>トさん
そのような話は、ここのように関係ない記事のコメント欄で行うのではなく、ご自分のブログで行ってはどうでしょうか?
ここはあくまでも事業仕分けについての記事ですから。
・・・というような認識を持っているのは少数派なんですかね?
お金の出入りを管理するのも、お金の使い道を考えるのも、どちらも政府の仕事なので、政府は一方に偏らずにバランスを取る必要があるでしょうね。だから財務省ばかり重んじる鳩山政権の今の姿勢は疑問です。
個別の仕分け内容の正当性は、自分の様な無学の人間が語るには材料が無さ過ぎるので何とも言えないですけど、鳩山首相の最初の仕事が「金融サミットで『日本の高い科学技術力を持ってすれば環境対策の高過ぎる目標も不可能ではない』と言う発言」だった事を考えると、嫌味の様に科学技術力を削る仕分けを連発している事が興味深いなという個人的印象です。
http://d.hatena.ne.jp/nyanko-wonderful/20091115/p1
「日本の科学技術レベルを数字で見てみる」
研究開発費の問題よりも人材育成の点に日本は問題を抱えているようです。民主党の大きな流れは教育費の拡充ですから、その点では支持しています。まあ、毛利館長のような技術系のスターが続出しないと技術系に進む誘因は生まれませんが。
高速道路無料化は限りなく交通需要マネージメント化して欲しいですね。名前は残していてもいいけどw
事業仕分けは結果よければよしという事で。
確か今週号のAERAに、仕分け対象となった財務省の事業は8つだけという数字があったと思います。これが本当なら、他の省庁に比べて少ないですね。
鳩山総理が科学技術はお金をかけなくても育つと考えているなら、発言と行動に矛盾はないのですが。w
>まぐさん
子供手当や高校無償化で家庭の教育費負担は軽くなりますが、国が教育そのものにどれだけお金をかけるかはまた別の問題ですね。人材育成ではそちらを拡充できるかが問題なのでしょう。
こういう議論ができるのなら財務省が主体になっていても構わないと思いますね。
問題はマスコミがセンセーショナルな部分ばかり取り上げるので
間違った記事を鵜呑みにしている人が多すぎることじゃないでしょうか。
↓これですね。
http://www.cao.go.jp/sasshin/kaigi/honkaigi/d2/pdf/s2.pdf
他の省庁の事業がわりと抽象的に見える中で「管理システム」とか具体的な名前が出ているのが目立ちますかね。
まあそれより問題は、これだと財務省が他の全ての省庁の事業内容を決定する上に予算編成までも行う超権力集団になっちゃうんじゃないの?っていう事ですかね。
http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20091118
ただし、各省庁側にいるはずの族議員がいなくて、財務省側に族議員が居る(それが仕分け人)と思えば分かりやすいかも。
これまでの各省庁の審議会の中にも真面目に議論されたものは多かったと思うのですが、結局審議会では省庁の意向に沿った結論が出ることが多かったです。だから省庁は議論を活発にさせながら、自分たちの思った方向に議論を誘導するノウハウを持っているのだと思います。
>c-madさん
財務省の8つのうち、4つは海外関係ですね。となると、財務省の国内関係の事業は4つだけですね。
確かにこのままだと財務省の権力がさらに強くなってしまいますね。どっかで歯止めをかけた方が良いとは思うのですが、今のままじゃ政治が頼りになりませんからねえ。
>steepさん、Geo80kさん
これだけのことをたった数ヶ月で準備するのは無理ですから、何らかの下地になるものはあったのでしょうね。ということは財務省主計局がこれまでやってきたことをアレンジしたと考えた方が良いでしょう。