2009-12-23 やっと普天間問題の構図を理解できました
普天間基地問題でどちらも妥協できない理由
普天間基地の移設問題は、結局鳩山政権は年内に決着させることが出来ず、移設先の検討をするという名目で結論を来年に先延ばししました。しかし、アメリカは相変わらず辺野古への移設を主張しているようです。
しかし、アメリカはなぜ辺野古への移設にこだわっていて、それ以外の選択肢を認めようとしないのでしょうか?また、なぜ辺野古にこだわる理由を説明しようとしないのでしょうか?*1
確かに過去の合意事項を一方的に変更しようとしているのは日本側ですから、アメリカはそこを指摘するだけで正当性は主張できるという立場なのでしょうが、こういう態度は柔軟さに欠けているように思います。ブッシュ政権ならともかく、「チェンジ」を掲げているオバマ政権らしくはないでしょう。*2
そのような疑問をずっと氷解させてくれたのが、この「週刊オブイェクト」の説明でした。
普天間基地移設先は沖縄県内でなければならない理由・・・それは、地政学などといった御大層な代物を持ち出すまでもありません。事は単純に「ヘリコプターの航続距離の関係」だからです。
米海兵隊の大型強襲ヘリコプターCH-53E「スーパースタリオン」は2000kmのフェリー航続距離を持ち、戦闘時にはその半分1000km以下の航続距離となります。戦闘行動半径は500km以下、装備状態にもよりますが300〜500kmぐらいです。
それでは先ず台湾海峡有事を想定してみましょう。この際に日本政府は有事法を発動し、真っ先に下地島空港を接収、在日米軍に引き渡します。そして普天間基地の米海兵隊ヘリコプター部隊は、戦況次第で急ぐ必要がある場合は、強襲揚陸艦の到着を待たずに普天間基地から飛び立ち、台湾の首都・台北に直接ヘリボーン降下し、米軍による直接介入を果たします。そして帰りは下地島空港に降りて、燃料を補給して普天間基地に戻ります。普天間-台北-下地島は約1000kmで、これなら空中給油無しで作戦を行えます。
下地島上空の航空優勢を完全確保できるようなら、出撃基地として利用できるようになり、輸送能力は大幅に上がります。以上、挙げた作戦計画は台湾海峡有事の際の対応手段の一つに過ぎず、有事となれば必ずこのような運用を行うとは限りませんが、そうなる機会があるならば、即座に台北へ直接ヘリボーン降下できる位置に海兵隊の航空基地がある事の重要性が、理解できると思います。朝鮮半島有事だけを考えれば別に佐賀空港でも構いません。ですが台湾海峡有事を考えるならば、沖縄県内になければ即応投入は出来ません。ヘリコプターは巡航速度が遅い為、遠くから飛んでくると時間が掛かる上、パイロットの疲労の限界も考えれば、空中給油を繰り返して休養も与えずに戦場へ投入するのは可能な限り避けたい所です。例えば湾岸戦争でも米本土からサウジアラビアに緊急移動展開したF-15戦闘機パイロットは、移動後の丸1日を休息として与えられています。その時間すら惜しい場合、常時実戦部隊が駐留している前線基地の存在価値が非常に重要になってきます。
(中略)
つまり、普天間基地を国外ないし県外へ移転しろという主張は、台湾を見捨てるという主張に繋がります。何年か前、民主党の長島昭久議員のブログのコメント欄がまだ使えていた頃、長島議員が普天間基地のグアム移設を主張していたので、「沖縄の海兵隊は台湾救援用だが、台湾を見捨てるという主張と受け取って良いか?」と聞いてみたのですが、長島議員はそれから突然黙って反応は無くなってしまいました。・・・まぁ、親台湾派として有名になりつつあった長島議員としたら、「はい見捨てます」とは言えなかったんでしょうけれど・・・というより、もしそんな事を言ったら台湾人の独立派に「長島は台湾を裏切ったようだ」と伝える気でしたけどね。
なぜ普天間基地移設先は沖縄県内でなければならないのか : 週刊オブイェクト
確かに普天間基地の県内移転にこだわる理由が台湾有事に備えるためであるならば、アメリカが県内移転にこだわる理由も、なぜこだわるかはっきり言わない理由も理解できます。対中関係を重視しなければならないオバマ政権としては、「台湾防衛のために普天間基地の機能を沖縄県内に留めなければならないのだ」とははっきり言えないでしょう。そんな発言をするだけで、対中関係を混乱させかねません。
一方、鳩山政権の方も、どうしても普天間基地の県外・国外移設という旗印を捨てられないでいます。さすがに国外移設は難しいとしても、県外移設はなんとか実現したいようです。こちらはなぜなのでしょうか。
高橋洋一氏と竹内薫氏の新刊「鳩山由紀夫の政治を科学する (帰ってきたバカヤロー経済学)」によると、民主党の支持母体は日教組、自治労、パチンコ業界の3つだそうです。*3このうち、日教組の沖縄における組織である「沖縄県教職員組合(沖教組)」と自治労の沖縄県本部は一貫して辺野古への移転に反対してきましたから、支持母体の意向に反する辺野古移転を民主党は認めるわけにはいかないのでしょう。
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このように、アメリカも民主党も妥協できない理由があるとなると、いくら先延ばししたところで合意に達するのは困難でしょう。それどころか、日本が民主党政権であるかぎり、もしくは台湾問題が存在し続ける限り、解決できないということになってしまいます。そうなると結論としては現状維持、つまり普天間基地の存続と言うことになってしまうわけですが、沖縄にとってこれは最悪の展開になってしまいます。また、このままでは日米関係の冷却化も避けられないでしょうし、もし事故でも起こったら一気に緊迫化してしまいます。
どうやら日本の政権交代はとんでもないパンドラの箱を開けてしまったようですね。
*1:考えてみれば、インド洋での給油作戦中止の場合は、ここまでアメリカは頑なではなく、別の選択肢も受け入れていました。
*2:例えば、フィナンシャル・タイムズ紙のこの記事も、そのような違和感を表現したものだと思います。「日米交渉のテーブル上に沖縄が揺らめく(フィナンシャル・タイムズ) - goo ニュース」
*3:この本の内容については、田中秀臣氏のブログ「Economics Lovers Live」に詳しい解説があります。「鳩山政権と予算のソフト化・ハード化:高橋洋一・竹内薫『鳩山由紀夫の政治を科学する』

だからますますもってアメリカとしては沖縄に海兵隊の航空基地が必要なのです。
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2005/10/post_3676.html
仮にアメリカが「県外・国外でも良い」と言っても
我国は引き止めなきゃならない立場なんですがね。
米軍がいなくなるということは(いずれは、そう遠くない将来)
人民解放軍が来るという事です。
海兵隊がグアムに移動するというのは、兵隊の話であって、施設を手放すという選択肢はもともとアメリカにはない。
米空軍の嘉手納は、インド洋のディゴ・ガルシア(実は英国領)の役目を、西太平洋〜インドシナのエリアで担うキーストーンです。
沖縄はアメリカの世界戦略の大前提であって、沖縄無くしてアメリカの軍事覇権は成り立ちません。
台湾防衛拠点というのはひとつのシナリオに過ぎないのです。
最悪日米が決裂したとしても、沖縄基地さえ手元に残れば米国としてはインド洋〜西太平洋の覇権が維持できます。その場合は、沖縄の基地の攻撃範囲に日本列島がプラスされて・・・
はっ!まさか国民新党と社民党は実は米国と裏でつながっていて、親中共・親北朝鮮色強い民主党政権のもとで在日米軍の兵力を維持させるためにこのような騒ぎを!?(陰謀脳)
民主党の沖縄での支持母体に「日教組、自治労、パチンコ業界」が挙げられていますが沖縄の日教組と自治労は社民党及び地域政党である沖縄社会大衆党支持です。日教組や自治労は各県によって支持する政党が異なり現在13の自治労県本部が社民支持です。(例:大分、富山等)
連合沖縄は民主支持ですがこれは旧同盟系労組(旧民社党支持)のグループでしょう。あとは全駐労地本(米軍基地の労働者の組合)も民主支持です。米軍基地反対の組合は沖縄平和運動センターという団体に参画して活動しています。
今回、社民も連立政権に参加していますから結果的に民主が沖縄の自治労や日教組の意向を聞いた形になるのでしょう。
なお、沖縄には米軍基地撤去反対を掲げる自民支持の米軍基地労組である沖駐労(96年に全駐労地本から分裂)が勢力を拡大しているため今後さらに問題は難しくなると思われます。
民主党からすれば、「アメリカに逆らう俺様カコイイ」ができるし、アメリカからすれば、普天間でも十分抑止力を維持できる。
案外これが一番の落とし所だったりして。
台湾の場合は沖縄でなければならない理由になりますが、中国本土の場合は長崎県あたりでも良いのではないかという意見も出てきそうですね。
>vtさん
すぐに人民解放軍が来るとまでは言えないのでしょうが、中国の脅威が強まることは間違いなさそうですね。
>べっちゃんさん
このままじゃ普天間居座りになってしまいそうですね。
もっとも中国にとっては在日米軍が日本の軍拡の歯止めになっているという考え方もありますし、日米関係が悪くなれば外交オプションは増えますので、これはこれで悪くないのかもしれません。w
>ぐらもんさん
なるほど、日教組と自治労は地域によっては社民党や社大党支持なんですね。
そうなると、日教組と自治労にとって、社民党が連立を離脱することは困った事態になるので、民主党や社民党に対して連立を離脱しないよう圧力をかけてくるでしょう。選挙を第一に考える小沢幹事長が三党連立維持を最優先にしているのは、単に参院の議席数だけではなくて、地方の選挙事情も大きな理由なのでしょう。ということは、もし来年の参院選で民主党が単独過半数を獲得しても、よく言われているような連立解消にはならないかもしれませんね。そうなると、参院選後も普天間問題の構図は変わらないのかもしれません。
>よしふさん
ただ、そうなると普天間基地周辺住民の被害はずっと続いてしまうんですよねえ。そもそもこの問題はそこをなんとかしようというのが出発点だったはずなので、それでは問題解決失敗ということになるでしょう。
チラシの裏の域を超えませんが。
解決する気がないとまでは言いませんが、民主党には普天間基地をなくすことよりも大事なことがあるのだろうなあ、と考えてしまいますね。
もっとも、それは民主党に限った話ではないのでしょうが。
中学生の私が言うのもなんですけど、
国民が悲鳴をあげてるのに、アメリカも日本も、どうして何もできないんでしょうか?
昔日本とアメリカが変な条約結んだからなんだったら、
それを見直せないんでしょうか?
いつまでも昔に縛られてたら、今後の日本や世界の国々は絶対前に進めないと思うんです!!
アメリカの意見を聞かなきゃいけないのはわかるけど
どうして日本人ばかりこんなに苦しまなければいけないんでしょうか?中学生が生意気言ってすみませんでした。
その答えは、世界に存在する国家がアメリカと日本、そして両国の友好国だけではないからでしょうね。
東アジアに話を限っても、中国や北朝鮮は日米とは別の思惑を持って軍事行動を行ったり計画したり、軍事力を増強したりしているので、アメリカや日本もそれに対応しなければならなくなり、そのためには沖縄の人たちや軍事基地が存在する地域の人たちに負担を負わせなければならない、ということなんでしょう。
あと、苦しんでいるのは日本人だけではないでしょう。それどころか戦争で死ぬことがほとんどない日本人は、世界的に見て恵まれていると考えることもできます。
例えば隣国の韓国は徴兵制がありますし、先日、韓国の哨戒艦「天安」が北朝鮮に撃沈された事件でも分かるように、自国にいても軍事攻撃を受けて命を落すこともあります。このような環境にいる韓国人と日本人では、どっちが恵まれていると思いますか?
運転中Yナンバーを見かけたら、「ピーーーーーッ!」てクラクションを鳴らすんだ。騒音で迷惑してるっちゅうのを思い知らせてやろうぜ!