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2010-06-05 いきなり菅政権には警戒しなければいけませんね

菅政権のトンデモな二人

00:50 | 菅政権のトンデモな二人を含むブックマーク

 新首相に就任する菅直人財務相は4日、内閣・民主党役員人事に着手した。

 官房長官・副総理仙谷由人国家戦略相、党幹事長に枝野幸男行政刷新相を起用する方向だ。菅氏の後任の財務相には野田佳彦財務副大臣を昇格させ、仙谷氏の後任の国家戦略相には荒井聰首相補佐官を充てる。罷免された社民党の福島党首が務めていた消費者相には、蓮舫参院議員を起用する考えだ。


民主党幹事長に枝野氏、官房長官に仙谷氏 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 民主党幹事長に枝野氏、官房長官に仙谷氏 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 民主党幹事長に枝野氏、官房長官に仙谷氏 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) このエントリーをはてなブックマークに追加


すでに報道されている通り、鳩山総理と小沢幹事長が辞任した後、菅直人氏が民主党代表に選出され、菅政権が発足することになりました。菅次期総理は官房長官に仙谷由人氏、民主党幹事長に枝野幸男を起用する方針のようです。

しかし、政府と党の要のポストに付くことになったこの二人、経済政策については非常に不安が大きい人物です。


まず枝野氏についてですが、実は彼は以前に利上げで景気回復をめざすという、経済学的にはありえない政策を主張したことがあります。なぜありえないかについては、田中秀臣さんの記事で詳しく解説されています。


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しかも中央銀行による単なる利上げではなく、貸出金利は上げずに預金金利だけ上げるべきだという主張でした。これは政府が金利を直接規制する方法で、金利自由化が進んだ1980年代以前の政策に逆戻りする政策だと言えるでしょう。

この件については以前にこのブログでも取り上げたことがあるのですが、このような政策を実施した場合、銀行は収益の悪化を防ぐために融資や預金を抑制するか、さもなければ逆にリスクの高い融資や投資を活発化させて利益を増やそうとするかのどちらかになるという結論になりました。もし前者になればマネーストック(マネーサプライ)が急減して不況がよりひどくなりますし、後者になればマネーゲームが加熱した挙句、不良債権が大量に生まれるでしょう。いずれにせよ、こんな方法で景気が回復するはずはありません。


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次に仙谷氏ですが、最近はこんな発言をしています。

 [東京 13日 ロイター] 仙谷由人国家戦略担当相は13日の閣議後の会見で、デフレ克服のための財政出動に関連して、数十兆円規模の需給ギャップを解消することによるデフレ脱却論は、経済にとってマイナスの影響が大きいとの認識を示した。

 また、6月にまとめる中期財政フレームで消費税を含む抜本税制改革の扱いについて「中期の問題として、何らか触れざるを得ない」と述べた。ただ、具体的な消費税の引き上げ幅について「そこまで出るかどうか」とも語り、定性的な文言で盛り込む考えを示唆した。

 デフレ解消と財政出動の考え方について、仙谷担当相は「非常に単純な経済学では、現在20兆円の需給ギャップがあるとすると、需給バランスさせるという議論になる可能性があるが、今はそういう時代ではないとの基本認識をもっている」と指摘。中期財政フレームなどで財政規律を検討する一方で、需給ギャップ解消論による手法では「マイナスの影響が大きい」と述べた。


需給ギャップ解消による脱デフレはマイナス=仙谷国家戦略相 | ビジネスニュース | Reuters 需給ギャップ解消による脱デフレはマイナス=仙谷国家戦略相 | ビジネスニュース | Reuters 需給ギャップ解消による脱デフレはマイナス=仙谷国家戦略相 | ビジネスニュース | Reuters このエントリーをはてなブックマークに追加


需給ギャップ解消による脱デフレはマイナスという認識ですが、それだと財政政策も金融政策も否定されることになってしまいます。世界中のほとんどの国では需給ギャップが大きくなって不況になれば、金融政策や財政政策を実施するのですが、この当たり前の政策を否定するとは驚きです。


この発言については、高橋洋一氏が激しく批判しています。需給ギャップを放置すると言うことは、デフレや不況や失業を放置することですから、批判されるのも当たり前でしょう。

 実際に、仙谷由人国家戦略相は13日、数十兆円規模の需給ギャップを積極政策で埋めると経済にとってマイナスの影響が大きいとの認識を示し、中期財政フレームでは逆に増税を盛り込むと発言した。

 これは、普通の経済学ではまったく考えられない「非常識」だ。知り合いの外国人はたった一言「クレイジー」。どこの国でも、需給ギャップ(需要と供給の差)があると失業やデフレが悪化するので、財政・金融政策を積極的に活用して早く需給ギャップを埋め、安定成長経路に乗せようとする。これは最近の金融危機後で世界各国で行われた政策をみてもすぐわかる。

 仙谷国家戦略相のいうように、需給ギャップを放置したまま増税になると、需給ギャップは拡大し失業はさらに増える。需給ギャップが拡大するのでデフレは深刻化し、円高になってスパイラルに入る。さらに税収は減少し、最後は国家の破綻になるだろう。

 仙谷国家戦略相もしくは財務省は日本初となるノーベル経済学賞の受賞に値する新経済理論を見つけたのだろうか。そうでなければ、これは、アインシュタイン相対性理論の誤りを見つけたと同じ、俗に言う「トンデモ」話である。こんな話を閣僚がすると、日本がマーケットで「おもちゃ」にされるだけだ。


【激震2010 民主党政権下の日本】需給ギャップ放置し増税目指す仙谷氏の「トンデモ」新経済理論 - 政治・社会 - ZAKZAK 【激震2010 民主党政権下の日本】需給ギャップ放置し増税目指す仙谷氏の「トンデモ」新経済理論  - 政治・社会 - ZAKZAK 【激震2010 民主党政権下の日本】需給ギャップ放置し増税目指す仙谷氏の「トンデモ」新経済理論  - 政治・社会 - ZAKZAK このエントリーをはてなブックマークに追加


また、ロジック体操(第一)のid:bunsekijakushaさんが仙谷氏の発言をまとめていますが、これによると円安批判、低金利政策批判、消費税増税、清算主義と、普通に考えれば景気に悪影響を与える政策ばかり主張しているようです。ただ、発言にかなりブレも見られるため、もしその逆の発言をしたとしても、それが本心かはわからず、信用できない人でもありますね。


衆議院議員仙谷由人(63歳)の為替介入についての過去の言動 - ロジック体操(第一) 衆議院議員仙谷由人(63歳)の為替介入についての過去の言動 - ロジック体操(第一) 衆議院議員仙谷由人(63歳)の為替介入についての過去の言動 - ロジック体操(第一) このエントリーをはてなブックマークに追加

仙谷由人大先生の金利についての発言をおさらいしておこう! - ロジック体操(第一) 仙谷由人大先生の金利についての発言をおさらいしておこう! - ロジック体操(第一) 仙谷由人大先生の金利についての発言をおさらいしておこう! - ロジック体操(第一) このエントリーをはてなブックマークに追加

仙谷由人氏は「現実路線」に目覚めたのか(追記あり) - ロジック体操(第一) 仙谷由人氏は「現実路線」に目覚めたのか(追記あり) - ロジック体操(第一) 仙谷由人氏は「現実路線」に目覚めたのか(追記あり) - ロジック体操(第一) このエントリーをはてなブックマークに追加


よりによってこんなトンデモ政策を信奉する二人が菅政権の中枢に座ることになってしまったので、今後の経済政策が非常に不安です。来年には消費税増税か利上げによって、日本経済がさらなる不況に落ち込むのかもしれませんね。消費税増税と社会保険料値上げによる「9兆円の負担増」で日本経済が危機に陥った1997年や、ゼロ金利解除で景気回復が台無しになった2000年、2006年を繰り返すことになるのかもしれません。

ぐらもんぐらもん 2010/06/06 02:32 菅政権は7月の参院選でボロ負けを防ぎ、あわよくば過半数をとることが第一目標であると考えます。(田中真紀子氏が選挙管理内閣と言ったのはそういう意味でしょう)その一方、内部事情を考えると清潔さに関しては問題なく菅代表誕生の功労者であり支持者も多い仙谷氏、枝野氏を要職につけないわけにはいかないという問題があります。
言いかえると樽床氏と同様に入れなければいけない人物であるわけです。そういうことを考えると経済閣僚でなくてよかったとも言えるのではないでしょうか?
ただ、参院選のマニフェストを決める政権公約会議が不透明になってきたのは事実であるのであとは経済閣僚(国家戦略、財務、経済産業、金融)にどのような人選をするかが命運を握ると考えます。菅氏は基本的に経済に関して「廻りの人のいうことを聞く」「ウケを狙う時があり節操がない」という人なので補佐官や経済閣僚に有能な人物をつけていい方向に転がっていくのを祈るしかないかもしれません。

transfertransfer 2010/06/06 03:36 仙谷氏は事業仕分けを「政治の文化大革命」と「自賛」するセンスの持ち主ですから、これからもっと面白い発言が出てくると予測いたします。是非とも、これからも仙谷氏のウォッチを継続なさる事をお勧めいたします。

TFPTFP 2010/06/06 19:59 「日本経済の成長率は趨勢的に低下傾向にあります。私は現在、日本経済が直面している最大の課題は、潜在成長率の低下やその背後にある人口減少や生産性の低迷であると思っています。わが国のデフレも、成長期待の低下という日本経済が抱える根源的な問題が、集約的に現れた現象ということができます。」


「日本経済の直面する最も重要な課題は潜在成長率の趨勢的な低下であり、この問題に正面から取り組む必要があります。いわゆるデフレの問題も、成長期待の低下というわが国経済が抱える根源的な問題の表れだと思っています。第3に、潜在成長率や生産性の低下に歯止めをかけるためには、従来にもましてイノベーションの努力が重要です。そのためには、個々の企業の取り組みに加え、資源の最適配分を実現し、経済の新陳代謝を高めていくことも重要です。 成長率の低下は長い期間のうちに徐々に進行した現象です。従って、その引上げも長い時間のかかるプロセスです。これを実行すれば直ちに問題が解決するという魔法の杖のような手段があれば、既に誰かが実行しています。」




日本経済とイノベーション
http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/data/ko1005b.pdf

やすゆきやすゆき 2010/06/06 20:36 ぐらもん氏が上で書かれてるように、経済閣僚でなくて良かったですね。でも菅さん自身が財政再建論者でしょ。もう、油断も隙もあったもんじゃない。

BaatarismBaatarism 2010/06/06 23:30 >ぐらもんさん
確かに経済閣僚よりはマシなのかもしれませんが、官房長官がアレだと、大臣がまともな経済政策をやろうとしても、閣議の段階で潰されかねないと思うんですよ。
党の方は幹事長だけならまだ何とかなるかもしれませんが、政調会長に「増税議連」の玄葉氏が起用されるようなので、ここでも潰されかねないですね。デフレ脱却議連が政調に働きかけても、玄葉氏が政調会長じゃ邪魔しそうですね。

>transferさん
仙谷氏のあの文革発言もすごいですよね。今の時代に文革を肯定的に評価する人間がいるとは。あの人は学生運動の時代の左翼のノリが抜けてなさそうですね。

>やすゆきさん
菅総理も「増税で景気回復」というトンデモに行きそうですよねえ。ブレーンと言われている小野善康氏の主張のようですが、これも主流とは言えない学説ですね。そういうのに飛びついたのは、やはり枝野氏や仙谷氏に通じるものがあるんでしょうね。

ミンス君ミンス君 2010/06/07 03:48 ご心配無く!
無駄削減で20兆円ほど確保できるんで。
これから蓮舫大臣が本気モードで仕分けるんで、30兆も可能かも!
当初の予定より遅れていますが、もう少し待ってくださいね。
子供手当ての満額支給、高速道路無料化、暫定税率廃止。
それから法人税の引き下げも追加します。

きっと景気も回復です。絶対に回復!

こんな嫌味も言いたくなります。選挙の時のマニフェストはもう無効なのかな? 実行しろとは言わないが、どうなったのか説明だけはしてくれよ。
エントリーの内容から外れたコメントでごめんなさい。
(新首相でドル高、元高、円安になるのかな?)

transfertransfer 2010/06/07 08:24 Baatarism様
おそらく当時は「革命戦士」気分だったんでしょう。既得権益を綺麗さっぱり皆殺しにすれば良い、と。今はそうではなくなっている事を祈るばかりですが。

nanashiなまえnanashiなまえ 2010/06/07 13:13 増税になって可処分所得が減っても、欲しいものは欲しい。
餌をたらふくやっても馬車馬は働かない。
不確実性を代替するような商品は、民間企業には製造できない。
アメリカ経済学に汚染された脳では日本の問題解決はできない。
小泉改革の頓挫でもう証明された。
経済政策は論理や分析ではない。相手はアニマルスピリッツであり、アートの領域だ。
増税をして軍事費を増加させるのは、一つの絵画だ

taka234taka234 2010/06/07 19:31 個人的には、どうせ9月で首がスゲ変わる程度の存在だと思ってます。
小沢的には反小沢ポーズを取らせる事で風当たりを逸らし、マスコミの翼賛報道で問題が起こる前に一気に参議院で良い結果を出すつもりなだけでしょう。
就任直後から小沢派閥から「参議院選後」の話が出てますしね。
勝てて操り人形になるなら良し、変に調子に乗るなら代表選で潰す。
負けたら全部責任を菅におっ被せてしまえばいい。そんな感じでしょうね。
その意味では夫人が言ってた「おめでとうというよりもご愁傷様」は当たっていると思います。
彼は革命戦士気取りだったのに、左翼のお家芸を忘れてしまったんですかね?
左翼で一番怖いのは、身内から振り下ろされる背中へのナイフの一振りだと言うのに。

BaatarismBaatarism 2010/06/07 23:58 >ミンス君さん
マニフェストがどれだけ実現できたかのチェックはして欲しいですよね。
でないと、マニフェストは単なる言いっぱなしになりますから。

>transferさん
あの清算主義っぷりを見ていると、変わってないような気がしますねえ。
左翼から「新自由主義」に転向しても、敵を打倒すれば良いという考え方は抜けないんでしょうね。

>taka234さん
代表選が小沢の言うとおりになるかどうかは分からないんですよね。菅氏は幹事長ポストを抑えましたから、党員やサポーターにも投票権を与えることができるわけで、そうなると反小沢の流れは強くなるでしょう。
まあ、それでも小沢には民主党を割って自民党と連立という手も残っていますが、そうなるとマスコミが叩くでしょうねえ。

ぐらもんぐらもん 2010/06/08 01:12 高橋洋一氏が以前「鳩山首相と小沢幹事長が辞任して後継が衆参同日選挙をすれば数は減らすが民主は持ち直す」という発言をプレイボーイでしていましたが考えてみると菅氏と仙谷氏は衆参同日選論者でした。ここで勝負に出て好感度がある内に安定政権にしようという腹があるのかもしれません。
もし、衆参同日選にせず参議院だけになっても大敗は亡くなったと考えてもいいかもしれません。ただ負けた場合次は岡田政権が濃厚ですしねえ。序列だと小沢>岡田>仙谷>前原>野田>枝野>細野>長妻>馬淵というところなので一足飛びに馬淵政権とかすると大分違うと思うんですけれど。

BaatarismBaatarism 2010/06/08 23:42 >ぐらもんさん
同日選に打って出れば大したものですが、やったらさすがに衆院の議席数は減るでしょうから、やらないと思います。
ただ、単独でも大敗はなさそうですね。単独過半数に達しないくらいで、選挙後は公明あたりと新たな連立を模索と言うのが、一番ありそうな展開でしょうね。

nanashinanashi 2010/06/09 21:39 高橋洋一という人は、一度中小企業に入って、帳簿と現物の突合せという作業を地道にやる経験をした方が良いと思う。
あの人の議論は、会計上のテクニックの話で、企業の経理や財務をやった人間からするとチャンチャラおかしい。笑ってしまう。

べっちゃんべっちゃん 2010/06/10 00:27  麻生・福田政権の税制改革を受け継いだ政権と言うことになるのでしょうが、菅政権の閣僚の与謝野さんよりもなお、景気より財政再建に軸足を持っていった言動が多いことが気になります。

 菅政権が増税をはっきりと掲げて参議院選挙を戦えば私は支持しますが、国民は逆に怒るんじゃないでしょうか。

 選挙の数日前にこの政権が目指していることがばれて一気に支持急落という橋本政権の轍を踏む可能性が強いんじゃないかと思っています。

BaatarismBaatarism 2010/06/10 23:42 >べっちゃんさん
最近は消費税増税支持の方が多いようですね。共同通信調査で、消費税率引き上げに「賛成」「どちらかと言えば賛成」を合わせた回答が57・7%だそうです。
ギリシャの件を引き合いに出して、日本も財政破綻の危険があるという説が語られているため、不安を覚えた人が多いんでしょうね。
こういう雰囲気だと景気よりも財政再建に重点が置かれることになるので、べっちゃんさんがブログで書いてるように、橋本政権の二の舞になりかねないですね。
選挙前に国民が怒ってくれれば良いんですけどね。でも不安を煽られているからなあ。

通りすがり通りすがり 2010/06/11 11:08 すでにご存知かもしれませんがやばいっすこれ

http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20100610
日本銀行企画局は、国民の影でコソコソ国会議員に「ご説明」工作をせず、その「ご説明」内容を明らかにせよ

TFPTFP 2010/06/13 02:24 財政・金融政策は生産性維持の役割はあるが、長期にわたり拡張的になれば、限界生産性は逓減するため、低成長・低インフレは長期化する。(潜在成長率が低下する)



「公共投資が、生産性の低い産業の一つである建設業等に経営資源を固定化させるなど、90 年代以降で継続された景気対策は、非効率な分野に経営資源を滞留させることを通じて、経済全体の新陳代謝を妨げ、生産性の向上を損なった可能性があります。」

滋賀県金融経済懇談会における野田審議委員挨拶



「 90 年代以降、日本経済は、低い成長率やインフレ率を続けてきました。長期に亘る低金利と大規模な公共投資が継続的に実施される中で、経済の新陳代謝が進みにくく、生産性の低い一部の企業や企業部門が残りました。その結果、企業の収益期待を全体として低めてしまい、思い切った技術革新を妨げてきた面もあると思います。 」

鹿児島県金融経済懇談会における山口副総裁挨拶


「注意しなければならないのは、金融政策は構造改革の進展を間接的に支えることはできても、構造改革そのものを進展させる効果はないということです。現在のところ、日本経済が物価安定のもとでの持続的成長経路に復することを促すために、緩和的な金融環境を維持することが最優先課題ではありますが、景気回復と並んで、 必要な構造改革を果敢に進め、構造変化に応じた新陳代謝を促していくことも、現在の日本経済にとって重要な課題と言えます。また、構造改革が先送りされたままでは、金融政策に期待される景気浮揚効果も減殺されてしまいかねません。 」

第5回日本CFO円卓会議における須田審議委員発言要旨


「潜在成長率を左右する最も大きな要因は生産性の伸びです。イノベーションを通じて生産性の向上を実現していくことなしには、日本経済の発展は望めません。財政・金融政策は重要ではありますが、そうした民間部門での調整や前向きな取り組みを円滑に進めるためのサポート役に過ぎません。」

金沢支店開設100周年記念講演会における白川総裁講演

通行人通行人 2010/06/13 02:57 で、どうやったら生産性って上がるの?
普通は国民一人あたりの付加価値生産性の事を指すだろうから、常識的に考えたら、企業に設備投資してもらわんと生産性はあがらんよね。

TFPTFP 2010/06/13 05:32 TFP(全要素生産性)が潜在成長率の唯一の決定要素。



「資本蓄積は経済成長に貢献するが、(均衡成長率を上回るペースで)資本ストックを増やし続けていくと、その限界生産性は逓減する。あるいは、限界的な投資リターンの低下から株主要求利益率を達成できず、設備投資の伸び率は必然的に鈍化すると言い換えても良い。これが、基本的な成長理論において、TFP上昇率(技術進歩率)が均衡成長率の唯一の決定要素となる理由である。

実際、わが国を例に経済成長や労働生産性の内訳をみてみると、TFPだけでなく資本の寄与もかなり長期にわたってプラスとなっている。しかし、このことは上記の理論的な帰結とは矛盾しない。資本蓄積に必要な設備投資行動そのものが、先行きの経済成長率(技術進歩率)に依存するところが大きいからである。事後的な要因分解(成長会計)の結果として経済成長に対する資本の貢献が観察できても、その背後に働いている構造的なメカニズムはまた別である。」


亀田制作 「わが国の生産性を巡る論点 〜 2000 年以降の生産性動向をどのように評価するか 〜」
(www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/wps/data/wp09j11.pdf)

通行人通行人 2010/06/13 10:21 つまり、成長率を上げる方法なんてありませんという事ですか?

あと、前段は100年単位の成長率の事を言っているんじゃないかと。そもそも均衡成長率なるものだって、「それ以上資本ストックを増価させても限界生産性が低減して経済成長に寄与しなくなるような、成長率」と定義しなおした上で統計処理しないと計測でしょw

TFPTFP 2010/06/13 21:43 バランスシート調整の規模は、長期的な均衡成長率──潜在成長率と言っても良いですが──、と比べて、経済の抱える供給能力が過剰かどうかによっても左右されます。成長期待が高ければ、バランスシート調整の圧力は小さくなります。この点、米国は、何よりも経済構造が柔軟であるのは大きな強みです。労働や資本が生産性の低いセクターから高いセクターに素早く移動すれば、経済全体の生産性の伸びが維持されやすくなります。一方、日本では、少子高齢化から生産年齢人口の伸びが低下する中で、労働や資本の移動が相対的に少なく、そのことも一因となって経済全体の生産性の伸びが徐々に低下しました。その結果、バブル崩壊後の潜在成長率が低下し、バランスシート調整はその分長引くことになりました。

パリ・ユーロプラス・フィナンシャルフォーラムにおける白川総裁講演
http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/ko0911e.htm




「バランスシート問題を抱えた経済の調整圧力の大きさ――すなわち、最終的に削減しなければならない債務の規模――は、その経済の生産性や潜在成長率に依存する側面がある。潜在成長率が金融危機後も低下することなく、危機前の水準を維持していけるとすれば、家計の恒常所得は下方修正されないため、債務を大幅に削減する必要もなく、バランスシートの調整も比較的短期間に終息する可能性がある。また、生産性の上昇率が維持されれば、企業収益の改善に対する期待も安定するため、株価上昇(資産効果)を通じて、家計の支出減退を最小限に食い止めるものと考えられる。逆に、金融危機によって、生産性の上昇率や潜在成長率が低下すれば、債務返済原資である所得が伸び悩むため、債務圧縮に要する年数は増加し、バランスシートの調整が長期にわたって続くことになる。」

「過去 40 年間に世界で発生した 88 の金融危機について分析したIMF によれば、危機発生後、全要素生産性が持続的に低下する傾向がある。実際、日本の「失われた 10 年」でも、全要素生産性の上昇率が低下したことが多くの研究によって示されている。これには、金融仲介機能の低下が影響したという見方があり、具体的には、産業間の最適な資源配分が妨げられたり、また、金融機関の追い貸しによって、産業内に低生産性の企業が残存した結果、高生産性企業の参入が進まず、産業間や企業間の資源配分の歪みも残存した可能性が指摘されている。米欧においても、銀行の信用仲介機能の低下が長引けば、生産要素の資源配分に歪みをもたらし、マクロの生産性や潜在成長率の低下につながるリスクがあろう。」


日本銀行国際局  「米欧における労働市場と銀行貸出市場の調整」
www.boj.or.jp/type/ronbun/rev/data/rev10j02.pdf




「わが国における 90 年代の経済成長あるいは生産性の停滞・鈍化については、関根・小林・才田(2003)や Caballero, Hoshi and Kashyap(2006)など、その原因の一つを金融市場や金融機関の機能不全に伴う資源配分の非効率性(いわゆるゾンビ企業や追い貸しの存在)に求める分析がある。また、大谷・白塚・山田(2007)は、資本・労働比率の違いに着目して産業間の資源配分の効率性を計測し、?@バブル崩壊後に産業間の資源配分の効率性が悪化(その後、01〜04年には幾分改善)したこと、?A資源配分の効率性と銀行貸出ポートフォリオの歪みとの間には、相互依存関係があったこと、を示している。最近では Kwon,Narita, Narita(2009)のように、90 年代における製造業の生産性鈍化の 4 割弱が企業間の資源配分(特に労働面)の効率性低下によって説明できるとする研究も現れている。」

亀田制作 「わが国の生産性を巡る論点 〜 2000 年以降の生産性動向をどのように評価するか 〜」
www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/wps/data/wp09j11.pdf



「VAR 分析の結果から、(i)生産性ショックは GDP ギャップに対して持続的な正の影響をもたらすことが示され、持続的な生産性ショックが、恒常所得や企業収益、あるいは株価などを通じて総需要へフィードバックする可能性が示唆された。また(ii)推計された GDPギャップの要因分解から、特に 1993 年以降、負の生産性ショックが継続して発生し、それが 90 年代以降の需要不足を説明する基調的な要因となったことが確認された。これらの主要結果に加え、全体としても直感的に解釈可能な推計結果が得られた。またTFP の系列自体についても、総じて外生的であるという結果が報告された。本稿の検証結果は、需要不足か生産性低迷かという従来の2分法的な捉え方ではなく、両者を包括し、その双方向の関係を考慮したアプローチによって得られたものである。」

宮尾龍蔵  「日本経済の変動要因:生産性ショックの役割」
www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/wps/data/wp06j01.pdf

通行人通行人 2010/06/14 01:31 >バランスシート調整の規模は、長期的な均衡成長率──潜在成長率と言っても良いですが──、と比べて、経済の抱える供給能力が過剰かどうかによっても左右されます。

何故、「潜在」成長率なのでしょうか?実成長率ではないのですか?また、潜在成長率は現実の成長率に全く影響を受けないという事は確かめられているのですか?

>一方、日本では、少子高齢化から生産年齢人口の伸びが低下する中で、労働や資本の移動が相対的に少なく、

フィリップス曲線なんかを見ていると、労働市場の調整は欧米なんかより構造的な問題を抱えていないように見えますが、どうなんでしょう。また、利益の得られないところに資金は移動しないと考えると、日本において資本移動による調整が進まなかったのは、それが合理的だったからだという事はありませんか?

>危機発生後、全要素生産性が持続的に低下する傾向がある。実際、日本の「失われた 10 年」でも、全要素生産性の上昇率が低下したことが多くの研究によって示されている。

相関関係としては理解できますが、原因結果の関係については何もわかっていないと思われます。だから「可能性が指摘されている」としか書けないのですよね?

Caballero, Hoshi and Kashyap(2006)の結論はネガティブだったと記憶しておりますが、違いましたか?

>90 年代における製造業の生産性鈍化の 4 割弱が企業間の資源配分(特に労働面)の効率性低下によって説明できるとする研究も現れている

資源配分の効率性が低下した理由は、物価下落期待と実質金利の高止まりが原因ではないかという「可能性も指摘されています」。

で、TFPが外生的であるとするなら、どうやって今の日本のデフレという問題を解消するのですか?

SHINSHIN 2010/06/26 00:51 管さんや枝野さん、仙谷さんの影響を排除するための内閣にしか見えません。
この選挙の実質的な負けにより、小沢さんは原口さんを若手リーダー格に押し上げ、混交政権であった内閣および民主党を作り直そうとしているのではないでしょうか。
この想像が正しければ、今回の選挙が自民党VS民主党ではなく、自民党民主党’zのような構図を作られていることによって、国民は冷静に問題を直視できるようになっていると期待し、現幹部らは政治家として死ぬことを切望致しますw

BaatarismBaatarism 2010/06/27 15:15 >SHINさん
小沢氏の思惑がそうだったとしても、菅氏や枝野氏、仙谷氏がここでチャンスを与えられたことは確かなので、参院選で成果を出せば小沢氏の影響力を削ぐこともできるでしょう。今は彼らの力量や主張の正しさが問われているのでしょうね。

通行人通行人 2010/06/27 17:16 というより、菅と小沢の二択ってのは・・・どっちも地獄道