2012-01-28
FRBがインフレターゲット導入
[25日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は25日、2%のインフレ目標を導入すると発表した。長らくインフレ目標の導入を提唱していたバーナンキ議長の意向が実現した格好で、これによりFRBは歴史的な一歩を踏み出した。
今回初めて発表された「長期の目標および政策戦略」に関する声明で明らかにした。
FRBはその中で、雇用市場は総じて金融の要因による影響を受けないとし、雇用に関する一定の目標を掲げることは不適切とした。
2%のインフレ目標は、長期的にFRBの責務と最も整合するとし、長期のインフレ期待を「しっかりと抑制する」としている。
目標は、個人消費支出(PCE)価格指数の前年比伸び率を目安とする。
すでに報道されているように、1月25日、米FRBはインフレターゲット導入を発表しました。
インフレターゲット導入を決定した米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明と、バーナンキFRB議長の声明の日本語訳も、ロイターで配信されています。
インフレ目標設定に関するFOMC声明全文 | ビジネスニュース | Reuters

元々、バーナンキ議長はインフレターゲット導入を持論としており、議長就任後は導入に向けて動いていると言われていました。2006年に就任してからこれまで時間がかかったのは、リーマンショック以降の金融危機対策に時間を取られたのと、FRBや各地の連邦銀行の反対派説得に手間取ったこと、さらにFRBは物価安定だけではなく雇用確保も義務づけられているため、雇用確保との関係をどうするかという問題を解決する必要があったためでしょう。
世界の主要国のほとんどがインフレターゲットを導入し、残る大国は日米だけ(統一通貨を採用したユーロや、経済への国家統制の強い中国は除く)という状況で、アメリカがついに採用したことで、日本だけがインフレターゲットを拒み続けている状況になっています。日本は統一通貨採用国でもなく、国家が経済を統制しているわけでもないのですし、長年のデフレやそれが原因である円高で国民も企業も苦しんでいるのですから、もう採用しない理由はないと思います。
中日新聞の社説でインフレターゲット導入を主張していますが、僕もそれに同感です。
米国の連邦準備制度理事会(FRB)が年2%の物価上昇率をめざすインフレ目標政策の導入を決めた。日本はデフレ脱却を掲げながら、いまだ実現できていない。日銀も導入を検討すべきだ。
インフレ目標は中央銀行が長期的な物価上昇率の目標を掲げて金融政策を運営する手法だ。世界ではイギリスやニュージーランドなど多くの国で導入されている。標準的政策といってもいい。
バーナンキFRB議長はインフレ目標政策の世界的権威として広く知られており、議長就任前から導入に向けて動くとみられていた。念願を果たした形であり、同時に議長の手腕もこれまで以上に問われるだろう。
なぜインフレ目標か。議長は「金融政策の透明性を高めて、先行きの予測を立てやすくするのが目的」と語っている。企業や家計が将来の物価を予想しやすくなれば、投資や消費の判断もしやすくなる。結果として経済活動が安定する効果を見込める。
日本では「インフレ目標を導入すると、どんどんインフレが進むのではないか」とか「インフレを目標にするとは論外だ」といった誤解に基づく批判があった。
これには言葉の問題がある。インフレ目標は「インフレをめざす政策」ではなく、物価上昇率を一定に管理する目標を定めた政策である。だから「物価安定目標」と言い換えてもいい。
いまのように物価が継続的に下落するデフレ状況なら金融緩和を徹底し、逆に物価が目標値を上回って上昇するようなら迷わず引き締める。そういう政策運営態度を内外に事前に宣言するのだ。
日本でいえば、政策を決める日銀総裁や審議委員がだれになろうと、あらかじめ政策に枠をはめる形になるので、透明性が増し、かつ達成責任も明確になる。
インフレ目標は日本にこそ必要ではないか。長年にわたってデフレが続いているのは、主要国で日本だけだ。それは統計をみれば、はっきりしている。
とくに白川方明総裁が二〇〇八年に就任してから物価下落が加速した。経済協力開発機構(OECD)によれば、〇九年から任期が切れる一三年まで消費者物価は五年連続でマイナス予想だ。これでは物価の番人として責任を果たしたとはいえない。
デフレが終わらなければ税収は増えず、したがって財政再建も達成できない。増税論議の前に、まず日銀こそが行動すべきだ。
そういえば、一昨年に日本ではバーナンキ氏がインフレターゲットを否定したという報道がありましたが、こういう記事を書いた人は今からでも訂正してくれるのでしょうか?w
バーナンキFRB議長講演に対する誤解について - Baatarismの溜息通信

ついでに
僕はブログでもTwitterでもケチャップのアイコンを使っていますが、このアイコンは、FRBに入る前のバーナンキ氏が「日銀は(マネーを供給してデフレを脱却するために)ケチャップでも買え」と批判したことに由来しています。
このアイコンを拡大するとこうなっていて、実はラベルがバーナンキです。w
- 234 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=c9113ed44cd419a8abf321af5421a967
- 210 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=3eebace824bb60a10f13c841c2c64478
- 152 http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=消費税引き上げ 税収&source=web&cd=2&ved=0CDwQFjAB&url=http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/20100703/1278169815&ei=rnIjT_ynC8uciAec3cHwBw
- 102 http://search.yahoo.co.jp/search?p=消費税 税収&aq=-1&oq=&ei=UTF-8&fr=snmsie7&x=wrt
- 85 http://b.hatena.ne.jp/
- 85 http://b.hatena.ne.jp/hotentry/economics
- 81 http://www.hatena.ne.jp/
- 76 http://t.co/nUgie4lk
- 54 http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/Baatarism/20120128/1327716822
- 54 http://htn.to/vugH6u


The Econominstには公共事業を見直す論調も出てきていますので、これで風向きが変わって正しい景気対策が打たれるようになることを願ってやみません。エコノミストや経済学者がFRBに右へならえしてもこの際追求しないでおいてあげましょう(笑)
でも日本の論壇まだデフレ政策に拘泥しそうな悪寒がしますね。日本のインテリの星であるドイツがまだデフレや財政再建に拘ってるからなあ。
日銀は自分に責任がないという状況が確保できればインフレターゲットでも何でもするでしょう。結局政治家が正しい経済認識に立って、強い意志で政策を遂行できるか何ですよね。
最近のThe EconominstやFinancial Timesを見ていると、性急な財政再建を懸念する論調が増えてきましたね。英米はまともな金融政策と財政政策が必要という考え方に傾いてきたのでしょう。このへんはさすが経済学の本場と言うべきでしょう。
ただ、確かに未だにドイツはインフレ阻止や財政再建にこだわっていますからねえ。欧州危機は、最後はドイツがババを引くのかもしれませんね。
日本については、結局、日銀法を改正して、日銀が責任を持ち独立性を維持する領域を金融政策の手段に限定しないといけないということですね。インフレターゲットのような金融政策の目標は、最終的には政府が責任を負う(中央銀行との共同責任でも良いけど)ものなのでしょう。