2012-02-18
日銀は本当にインフレターゲットを導入したのか?
日銀は13─14日に開いた金融政策決定会合で、資産買い入れ基金の増額による追加金融緩和を決定した。リスク性資産も買い入れる基金について、国債の買い入れ枠を10兆円拡大。基金規模はこれまでの55兆円程度から65兆円程度となる。
政策金利は現行の0─0.1%程度を維持した。同時に、わかりづらいとの指摘が出ていた物価安定の考え方を「中長期的な物価安定の目途」として公表。消費者物価(CPI)の前年比上昇率で「2%以下のプラスの領域にあると判断しており、当面は1%を目途とする」とし、1%を目指して金融政策を運営していく方針を明確にした。
2月14日、日銀は金融政策決定会合で、消費者物価(CPI)の前年比上昇率1%を「中長期的な物価安定の目途」として公表しました。
これを受けて、この数字を「事実上のインフレ目標」とする報道が相次いでいますが、これは本当にインフレターゲット(インフレ目標)なのでしょうか?
残念ながら、僕はこれはまだインフレターゲットではないと思います。
なぜなら、インフレターゲットというのは単にインフレ率の目標を定めるだけでは不十分で、中央銀行がその達成に責任を持つことが必要だからです。
ただし、その責任の取り方については、達成できなかった場合に総裁が辞任や解任されるというようなハードなものは少なく、議会などで達成について説明するといった説明責任を負う制度が多いです。ただ、それでも納得できる理由もなくいつまでも達成できなければ、議会で追求されて中央銀行は苦しい立場に追い込まれ、いずれは辞任や解任も余儀なくされるでしょう。
そのような「責任」という観点で見ると、アメリカのFRBは責任を明確化していると思います。だから、FRBはインフレターゲットを導入したと言えるのです。
例えば、このFOMC声明でも、物価安定を「法定の責務」と言い、中央銀行はインフレの長期的な目標を具体的に定める能力があるとはっきり言い切っています。
だから、FRBがインフレターゲットを達成するように金融政策を実施すると、市場は信用することができるのです。
FOMCは、最大限の雇用、物価安定、穏やかな長期金利の追求という、議会から委ねられた法定の責務を遂行することにしっかりコミットしている。FOMCは金融政策決定について、できる限り明確に一般の人々に説明していく。そうした明確さは家計や企業による十分な情報に裏打ちされた意思決定を促し、経済や金融に関する不透明感を薄れさせ、金融政策の効果を高め、透明性や説明力を高めることになる。それは民主的な社会にとって不可欠な要因である。
インフレ、雇用、長期金利は、経済や金融の混乱に応じて変動する。しかも、金融政策は経済活動や物価に遅れて影響を与える傾向がある。そのため、FOMCの政策決定は、長期的な目標、中期的な見通し、FOMCの目標達成を阻む可能性のある金融システムへのリスクを含むリスクバランスの評価を反映したものとなる。
長期的なインフレ率は主に金融政策によって決定されるため、FOMCはインフレの長期的な目標を具体的に定める能力がある。FOMCは、個人消費支出(PCE)価格指数に基づく年間2%のインフレ率が、長期的に見て連邦準備理事会(FRB)の責務に最も一致した水準だと判断している。
一方、白川日銀総裁の会見を「責任」という観点で読むと、非常に歯切れの悪い言葉が並んでいます。*1
(問) 先程からご説明頂き、「中長期的な物価安定の理解」と「目途」のそれぞれの考え方、数字の置き方は理解できたのですが、では、「目途」としたことで、今後の金融政策の進め方が、今までの「理解」に基づく運営とどのように変わってくるのか、それをイメージできるようにご説明下さい。
(答) まず、「目途」と「理解」という、その言葉の違いだけで、私ども自身の政策が変わるということではありません。 この部分については、日本銀行のデフレ脱却に向けた姿勢を明確に伝えるため、日本銀行の意思、判断を明確に示す言葉は「理解」より「目途」であるという意味で使いました。
それから、今のご質問の点については、「目途」か「理解」か、ということよりも、実質的なゼロ金利政策を続けていく時に、消費者物価上昇率1%が見通せるようになるまでということをはっきり書いています。従来は、「中長期的な物価安定の理解」に即した表現をしており、日本銀行の「理解」それ自体に意思が感じられないという批判がありました。今回、その言葉を変え、具体的な数字を示し、その数字は日本銀行の意思、判断を反映した数字になっています。従って、そうした私どもの意図が市場に伝われば、その分、金融緩和政策の効果も高まると判断しています。
(8ページ)
(問) 政府側から日銀に対して、様々な強いメッセージが打ち出されてきましたが、そういった経過を踏まえると、今回のステートメントの6(最後の段落)に、「民間企業、金融機関、そして政府、日本銀行がそれぞれの役割」と強調されており、私どもからするとこのメッセージが、「日銀としては、必要な対策を行った」、「次は、政府の番だ」と聞こえなくもないのですが、その辺の思いをあらためて教えて下さい。
(答) 記者の方が、「今度は、政府の番だ」とおっしゃいましたが、私どもは経済・金融政策について、ゲームと言いますか、こちらがやったから今度はそっちだという意識には立っていません。日本銀行としては、どういう状況であれ、中央銀行として行うべきことはしっかりやるし、中央銀行として行うべきでないことはやらないということ、この原理原則をしっかり持っており、そこは一切変わっていません。その上で、日本の経済を考えてみた場合に、急速な高齢化、あるいは少子化、そのもとで労働人口が減少していく、このことが様々な形で日本経済に問題を投げかけています。これは、日本銀行から論文も出ていますが、日本の場合、潜在的な成長率と長期的な予想インフレ率との間に非常に高い相関関係があります。今、なかなかデフレが克服されていかないのは、潜在成長率が低下していることも原因の1つであるわけです。物価をどう高めていくかという時に、繰り返しになりますが、潜在成長率を高めていく取組みが必要です。これは、誰か一人の努力でできることではなく、そういう問題意識を共有した上で、民間企業、金融機関、政府、日本銀行が、それぞれの役割に即して行動していくことが重要です。こちらがやったから今度はそっちだというような思考様式には立っていません。
(16ページ)
つまり、今回の「中長期的な物価安定の目途」で日銀の金融政策は変わらないと白川総裁は明言しています。インフレターゲット導入は金融政策が変化したことを意味しますから、この「目処」はインフレターゲットではありません。「目標」という言葉を用いなかったのはそのためでしょう。
また、日銀はデフレの大きな要因は潜在成長率低下だと言っていますので、金融政策ではデフレを脱却できず、「中長期的な物価安定の目途」で定めているCPIプラス1%のインフレ率も達成できないということになります。従って、日銀にはインフレ率を定めることはできず、「目処」となるインフレ率を達成する責任がないと遠回しに言っていると考えられます。
これらの発言から考えて、今回の「中長期的な物価安定の目途」はインフレターゲットとは言えないでしょう。
その後の白川総裁の発言でも、インフレ目標は論点でないなどと言っていて、この問題をあいまいにしたい考えが伺えます。
ただ、インフレターゲット採用国でも「目標とした物価水準が達成できなくても、ただちに政策転換を行うような機械的な政策運営」ではないから「インフレ目標は論点ではない」というのは、ミスリードでしょう。先ほども述べたように、インフレターゲットであるかないかは、中央銀行がインフレターゲットを達成する責任を負うか否かで決まるものであり、機械的な運営だからインフレターゲットだというわけではないですから。*2
白川方明総裁は17日都内で講演し、インフレ目標の採用有無は本質的な論点でないと発言した。日銀は14日の金融政策決定会合で実質的なインフレ目標政策の採用と追加緩和を打ち出したが、インフレ目標政策は先進国でも厳格には運営されていない。
日銀としては、意表をついた追加緩和と組み合わせることで、デフレ脱却や円高是正に向けた緩和姿勢を改めてアピールするのが狙いだったとみられる。
白川総裁は講演で、インフレ目標政策を採用している先進国の中央銀行で目標とした物価水準が達成できなくても、ただちに政策転換を行うような機械的な政策運営は行われておらず、「短期的な物価動向ではなく、中長期的にみた物価や経済・金融の安定を重視する度合いを強めてきている」と指摘。「主要中銀の金融政策運営の枠組みは収れんしてきており、それがインフレ目標政策に当たるかどうかという分類学は、本質的な論点でなくなってきている」と強調した。
このような状態なので、市場でも日銀が本気で金融市場をリードして、この「目処」を達成する気があるのか、疑問の声が出ています。このロイターの記事は代表的なものでしょう。(なお、ここでは引用しませんでしたが、この記事では日銀が打ち出した金融緩和措置についても問題点を指摘しています。バレンタインデーに引っ掛けた文章も面白いです。ぜひ、全文読むことをお勧めします。)
政治家サイドからの注文が相次いでいた物価目標の明確化にも、日銀は短期間で柔軟に対応した。しかし、こちらについても、市場関係者の間では評価の声ばかりではない。
野村証券金融経済研究所チーフエコノミストの木内英登氏は「日銀に求められているのは、インフレ目標に関わる『言葉の遊び』ではなく、日銀がデフレ克服や円高阻止に向けて本気で積極策に打ち出すべき、というまさに姿勢にある」と指摘。
これまでの「物価安定の理解」というわかりにく表現を多少わかりやすく修正しただけで、金融政策の運用自体が変わるわけではない、との見方から、金融市場でも踏み込み不足との反応が出ている。
FRBが1月25日に打ち出した時間軸の長期化が市場にインパクトを与えたことと比較すると、日銀のコミュニケーション政策の効果は限定的との見方が少なくない。
木内氏は、「FRBは政策金利と景気見通しを同時に発表しており、金融政策で経済状況を誘導するという能動的な発想があるのに対して、日銀はインフレ率が上昇するまで現在の緩和姿勢を続けるという受動的な姿勢である点が大きな違い」だとみている。
FRBとの違いについては学者からの厳しい指摘もある。東京大学大学院の柳川範之准教授は、日銀とFRBでは情報の発信の仕方に違いがあり、金融市場をリードしていくような印象を与えるか、逆に動かされているような印象を与えるかで差が出るという。物価目標や時間軸などの中央銀行からの政策コミットメントから市場が受ける「納得感」がなければ、いくらサプライズな政策を実施しようとも効果は長続きしないとする。
今回示した1%の物価上昇率というゴールの達成は、今後の景気動向と日銀の取り組み次第とも言えそうだ。エコノミストの見通し(フォーキャスト調査)では、日銀が今回明確化した消費者物価(CPI)1%の目途はまだ遠い。プラスに浮上するのは13年度、上昇率はわずか0.10%だ。それでも今回の決定が真剣な緩和姿勢の第一歩と受け止められれれば、物価上昇も早まるとの期待感も浮上している。
予想インフレ率を示す指標であるブレーク・イーブン・インフレ率を見ても、アメリカは5年後のインフレ予想の数字がほぼ2%なのに対し、日本はほぼ0%です。数字の上からも、日銀が今回の「中長期的な物価安定の目途」を達成するのか、市場は疑問視していることが分かります。
日本の5年のインフレ予想=−0.0550%、米国の5年のインフレ予想=+1.94%|中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba
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また、今回の日銀の「中長期的な物価安定の目途」は1%です。一方、FRBのインフレターゲットは2%です。今は日米とも金利はほとんどゼロなので、日銀が「目処」を達成したとしても、実質金利はアメリカの方が低くなります。今は、日銀の金融緩和の発表が与えたサプライズで円安に動いてますが、日銀が「目処」の数字を2%にして確実にそれを目指す姿勢を示さなければ(言い換えれば本当に日銀が2%のインフレターゲットを実施しなければ)、いずれは再び円高になるでしょう。
ただ、今回の日銀の金融緩和や「目途」の公表は、FRBのインフレターゲット導入だけではなく、このブログの前回の記事で紹介したような国会の厳しい姿勢を受けたものでした。従って、国会が日銀をさらに厳しく追求して、日銀が責任を持って「目処」の数字を達成するような言質を引き出したり、数字を2%以上にさせたり、金融緩和の状況(例えば日銀のバランスシートの規模)を監視したり、新たな審議委員にインフレターゲット導入や金融緩和を支持する人を選ぶようにすれば、日銀も責任を持って「目処」の数字を達成するため、金融緩和を進めざるを得ないでしょう。
従って、国会はこの程度の政策変更で満足せず、さらに日銀を追求すべきでしょう。そして、最終的には日銀法を改正して、日銀がインフレターゲットを達成する責任を負うことを明記すべきです。そうなれば、日本も本当の意味でインフレターゲットを導入したと言えるようになり、市場もそれを疑うことはなくなるでしょう。
*1:この日銀総裁会見については、中川秀直衆院議員のブログの秘書の方の解説を参考にさせていただきました。http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-11166456369.html
*2:例えば、この伊藤隆敏氏の解説では、機械的ではないインフレターゲットを「伸縮的インフレ目標政策」と呼び、世界の主流だと言っています。 http://www.tito.e.u-tokyo.ac.jp/InflationTargeting_FRB_20120206.pdf#p2
- 504 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=c9113ed44cd419a8abf321af5421a967
- 475 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=3eebace824bb60a10f13c841c2c64478
- 195 http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=消費税増税と税収&source=web&cd=1&ved=0CDkQFjAA&url=http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/20100703/1278169815&ei=9kU_T4z1L4SiiAfd1dC9BA&usg=AFQjCNGwjG0ZJ
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- 135 http://b.hatena.ne.jp/
- 111 http://www.ig.gmodules.com/gadgets/ifr?exp_rpc_js=1&exp_track_js=1&url=http://www.hatena.ne.jp/tools/gadget/bookmark/bookmark_gadget.xml&container=ig&view=default&lang=ja&country=JP&sanitize=0&v=6bac5325736ab5b2&parent=http://www.google.co.j
- 106 http://search.yahoo.co.jp/search?p=消費税と消費税&ei=UTF-8&fr=top_ga1_sa&x=wrt&meta=vc=
- 79 http://b.hatena.ne.jp/hotentry/economics
- 79 http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=baatarism&source=web&cd=1&ved=0CCsQFjAA&url=http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/&ei=p6g_T-edBOjQmAWmqoHOBw&usg=AFQjCNGrTPC1QVY3OxSqXbllIKAaJRIdJA
- 71 http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=インフレターゲット&source=blogsearch&cd=1&ved=0CDEQmAEwAA&url=http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/20120218/1329546036&ctbm=blg&ctbs=sbd:1&ei=


はっ!だからお役所はスター議員をメディアに売り込んで祭り上げようとするのか・・・
とはいえまだまだ半歩前進ですので、財政拡大派は遠慮することなく財務省と日銀を攻めるべきでしょう。欧州の体たらくや、米国の経済政策の大転換を見て読売新聞の論調が変化しつつあります。義は我が方にあります。
リフレ派の政治家や経済学者はこれまでいろんな方法で政治への働きかけを行いましたが、結局一番効果的なのは、地道に政党や左派/右派を問わず国会議員の間で支持を広げていく活動と、国会の場で政府や日銀を追求して言質や矛盾を引き出す活動だったと思います。首相からトップダウンで働きかける方法は、うまくいかなかったことが多いですね。
僕はそれを横から見ていただけですが、地道な活動の重要性を再認識しました。
財政拡大については、欧州の緊縮策が大失敗に終わりつつあるのが大きいですね。ギリシャの状況を見ていると、問題はすでに経済だけではなく、社会安定を損なうところまで行きかねない事態だと思います。1930年代の欧州もこういう状況だったのでしょうね。
日本を初めとするアジアのエリートは欧州をありがたがるのですが、大陸欧州のエリートってかなり身勝手で知能も低いんじゃ無かろうかと疑っています。
やっぱり米国のエリートは良く物事を考えていますよ。お行儀は悪いと思うけど。
ユーロ圏がこんなことになっていても、ドイツ経済は悪くないようですね。FTにこんな記事がありました。
周縁国の苦境をよそに信用ブームに沸くドイツ
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34595
どうもこのままでは済まないんじゃないかという予感がします。
というお金の流れができていると言うことですよね。ドイツ丸儲けだけど、そんなにうまい話が長続きするとはちょっと思えません。
日本の場合は未だに金融緩和は実現しておらず、米国と英国は中央銀行が自らの責任で金融緩和をしている、どちらにせよ国内で話が完結しているので読みやすいですが、欧州の場合はドイツ以外の国が持てる国であるドイツのために、せっせと金を貢いでいるわけで、こういう経済モデルは近代にはあまりありませんのでどうなるかはちょっと分かりませんね。
昔ならば、ローマ教会に反旗を翻した宗教改革とか、フランス革命とかロシア革命とかヴェルサイユ体制の結果ナチスが台頭とかの例がありますけれどね(笑)
きっと何らかの形で南欧や東欧の不満が爆発するのでしょうが、今更戦争でもないでしょうから、どういう形で爆発するのかは分からないです。
その上、財務大臣がCPIの上方バイアスについて知らないと答えていました。
1%のインフレターゲットどころか、0%ですら実効的に達成する気はないように感じました。
今回もしばらく陛下が出てこられなくなったのを見透かすような金融緩和(の表明)と円安ですからね。小泉政権の時の円売り介入と金融緩和も、北朝鮮から拉致被害者が帰ってきて小泉政権の長期化が見えてきて、久々に強い政権ができたのが理由でした(この後自民党は皇位継承の原則に手をつけようとまでしてしまいます)。
あんまり信じたくないですが、デフレは陛下の好みが大きいんじゃないかと思っています。
あの財務大臣は戦後最低の大臣でしょうねえ。
いくら操り人形になりやすいのが条件だと言っても、あんなのしかいないのかと思ってしまいます。
>べっちゃんさん
それは検証のしようがない仮説ですね。ただ、平成になってずっとデフレ傾向というのも事実なわけですが。(苦笑)
政権が強いとデフレが緩み円安が進むというのは、事実なんでしょうね。ただ、これは陛下よりも日銀や財務省を抑えられるからでしょう。
ドイツ人は笑いが止まらないと思うのですが、でもさすがに欧州向け輸出が落ち込んで今年の成鳥は1%未満だと予測が出ましたので、いつまでもこんな濡れ手で粟みたいな状況は続かないのではないでしょうか。
ドイツ国内での融資はあまり内需拡大には役立っていないのかもしれません。だとするとあまり日本と状況は変わらないのかも。
日本の場合は、余った資金需要が国債に流れていますね。景気が回復して民間の資金需要が増えれば、まともな資金需要も増えるでしょう。
>べっちゃんさん
あの記事で住宅融資が増える話が出ているのが気になりますね。リーマンショックも今回の欧州危機も住宅ローンが絡んでいるので、そのあたりに落とし穴があるかもしれません。
マクロ経済学は熱力学を参考にして作られましたが、熱力学は「現在」しか扱わない学問です。それに相転移については一応式はありますが、仕組みは分かっていないことが未だに多いです。だから需要が不連続に変わる現象や需要の先食いという概念を経済学者はうまく経済学に取り込めなかったのではないかと思います。
バブルを数理で説明するためには、相転移の概念を経済学に持ち込まなければならないでしょう。
でも、円資金への需要はありませんでした。(市中銀行の貸出残をご確認ください)なんせ、海外で生産し、それを海外に売って得た利益ですから、日本には配当として(所得収支として)還流はしても、追加的に銀行、元を辿れば日銀からお金を借りる理由なんて無かったんです。
たまったお金は民間/家計がたっぷりもっており、彼らが国内でお金を使わないから政府が代わりに使っています。その原資は国債であり、民間/家計がたっぷりもっているCashです。
お伝えしたかったのは民間/家計が余らせたCashを政府が代わりに使っている、そんなマクロな話でした。
このあたりの話は僕もはっきりしたことは言えないのですが、リーマンショックのときのサブプライムローンの話を見ていると、複雑に絡み合った取引のどこかに、ある条件になると発動するon/offの回路があって、それが一度に発動してしまったために急激な変化が起こったような印象があります。だから、一見連続的に動くように見えるシステムのどこかにon/offの回路がないか、分析してみれば良いのではないかと思います。
もっともリーマンショックのときも、後になってそういう回路があったのが分かったわけですが。
>たまさん
景気が回復するとき、最初は企業が抱えていた自己資金による投資が行われ、銀行からの貸し出しはその後で増えていきます。2000年代中頃の日本は、日銀のゼロ金利解除によって景気回復が途中で終わってしまいましたから、貸し出しが増加する段階に進む前に景気が後退してしまったのではないでしょうか?
返事が遅れてすいませんでした。
コアコアCPIを見ると、日銀はデフレ0〜1%くらいを目指しているように見えますね。
高橋是清が現代に蘇ってこのグラフを見たら激怒するでしょう。
デフレ指標(コアコアCPI、GDPデフレーター)のグラフ - kenjiro-tの日記
http://d.hatena.ne.jp/kenjiro-t/20100803/1280786135