2011-12-09
ゾウとかつて呼ばれていた。
やはり中途半端に召喚されたその概念は、宙にぶらさがる巨大なヒルだった。身をうねらせてのた打ち回るさまは哀れみを誘ったが、ケノケーケーは涙する誘惑に乗らない。涙腺を持つ唯一の召喚師であるのに、その機能を使ったことは一度もなかった。
「鳴き声がきこえる」
遠く……どこかから乾燥した大地の空気が召喚室に吹きこむ。二つの穴を歪ませて、息だけで鳴く灰色のヒル。
コメントを書く
トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Banoffee/20111209/1323453983
